遠見岬神社のビッグひな祭りと400年続く朝市 -勝浦⑶

勝浦といえば、長い階段に並ぶひな人形が有名な「かつうらビッグひな祭り」が毎年春に開催され、多くの観光客で賑わっていると聞く。
実は今回宿泊した老舗旅館「松の家」のすぐ近くにその会場があり、現在はイベント期間ではないが、遠見岬(とみさき)神社の絶景が素晴らしく、紹介したいと思った。
遠見岬(とみさき)神社へ
老舗旅館「松の家」から左手に進むと京葉銀行がある。その奥が神社だ。

ちょっと小さくて見づらいかもしれないが、勝浦の地図↓

京葉銀行の隣には勝浦町道路元標の印があった。元標はかつての中心通りを指す印。この辺りが中心街だったことを示している。

遠見岬神社のあたりは、下本町。京葉銀行の隣から通りを眺める。角が空き地になっているが、平成4年の住宅地図を見ると、角に砂糖肉店、奥に八代金物店があった。周辺の風景は変わりつつある。

遠見岬神社
浜勝浦の東側、山頂に位置する遠見岬神社は万治2年(1659年)に現在の山頂に建てられた。祭礼は9月13日、14日で神輿や屋台が出て賑わうそうだ。

昭和3年、松井天山が描いた勝浦町鳥瞰図にも険しい山頂にある遠見岬神社の姿が描かれている。

現在も姿は変わらず。

かつうらビッグひな祭り
2月下旬から3月にかけて行われる「かつうらビッグひな祭り」は40万人もの観光客で賑わうそうだ。今年は新型コロナウイルスの影響で中止に。
平成13年から開かれているお祭りで、60段の階段に12000体のひな人形が並ぶ姿は圧巻。

私もいつか見てみたい。御祭神ゆかりの徳島県勝浦町から7000体のひな人形を譲り受けたことがはじまりとされているようだ。
松の家の女将さんからかつうらビッグひな祭りの際のポストカードを頂いた。左が遠見岬神社。

特に夜景のライトアップが綺麗なのだろうな。
遠見岬神社の絶景
せっかくなので、遠見岬神社の山頂まで行くことにした。遠見岬は富咲に通じ、この石段を上ると「富が咲き幸せになる」と伝えられていると書いてあったら上りたくなる。

階段を上り振り返ると、勝浦の街並みが一望できる。

途中の灯篭には旅館松の家の名前も。

鳥居を抜けると、赤い鳥居とお稲荷のようなものもあった。しかし、遠見岬神社の本殿はここではない。

さらに右奥に長い階段が続いている。

思っている以上に急な階段は、昔から変わらない場所なのだろう。足ががくがくする。

苦労して上った分、絶景が清々しく感じる。遠くに見える海は浜勝浦漁港だ。階段は大変かもしれないが、ぜひ一度上って見てほしい。

木が茂る奥の場所が本殿。


古そうな倉庫もある。とても清潔感のある神社だった。


次回はかつうらビッグひな祭りの時期に訪れたい。
勝浦の朝市
遠見岬神社の周辺では、勝浦名物の朝市が行われている。天正19年(1591年)当時の勝浦城主であった植村土佐守康忠によって始まった朝市は、400年以上経った現在も続いている。
街の中心となるところでのみ農水産物の交換の場として開かれた。その様子は「勝浦産町江戸勝り」(三町=上本町・仲本町・下本町)と呼ばれ大変賑わったそうだ。
現在は商店街の休日を合わせえて毎週水曜日を休みとし、約50軒ほど並んでいるそうだ。出店時間は午前6時~午前11時まで。

昭和62年から1日~15日までを「下本町通り」、16日~月末までを「仲本町通り」で朝市が開催されるとのこと。
しかし、私が訪れた日は水曜日!朝市の定休日だった。

とても静かな朝市の通り。宿泊したので朝市に行くことができるちょうど良い時間だったのにも関わらず残念だ。

勝浦に行く際は、ぜひ水曜日は避けて訪れることをおすすめする。
(訪問日:2020年8月)
-
前の記事
勝浦の赤線。かつて花街として賑わった岩切通りの現在 -勝浦⑵ 2020.10.21
-
次の記事
勝浦下本町~浜勝浦漁港。勝浦測候所の名残が残る星座モチーフの病院 -勝浦⑷ 2020.10.23
コメントを書く