山倉大神|香取市山倉の山倉大神.旧参道に洋風な旅館建築が残る
千葉県香取市山倉にある「山倉大神」へ。鮭を奉納する珍しいお祭りが開催され古くから多くの参拝客が訪れていた。
現在も門前旅館の面影が残り、個人的に好きな街並みが残っている。再訪したい。
千葉県香取市山倉の街並み
千葉県香取市山倉2347−1「山倉大神」へ
山武郡芝山町の「芝山仁王尊」へ行った前回の記事からの続き。1月2日、今回は家族でお正月ドライブ中。
(私の運転練習も兼ねて…)
助手席に座りながら気になる街並みを撮影。後でチェックして再訪候補にする。
そして車は香取市山倉へ。
旧山倉村。
角川書店『日本地名大辞典』によると、明治8年、東泉寺を仮校舎として山倉小学校開校。2019年に町の南側にあった山倉小学校は閉校、古い門柱が残っている。
また、養蚕が盛んで醤油造りが3戸あったとのこと。
県道が交わる交差点の角に、山倉大神の碑が建っている。
車だったので上手く撮れていないが、御大典記念で作成されたものらしい。「左へ四丁」と道標にもなっている。 1丁=60間=約109メートル。
2012年のストリートビューを見るとこの碑の隣に吉野屋旅館の看板が建っていた。
道なりに進むと見えてくる「吉野屋旅館」。現在も営業中の山倉大神門前唯一の旅館。
今回はお正月ということもあり1階の居酒屋にも入れていないので話を伺えず。キャプテン村社さんの記事「香取市山倉 1 宿屋と観福寺」が詳しい。
10代目とのこと。建物は新しいがかつては参詣客で賑わった門前宿。現在も営業しているのが嬉しい。いつか泊まりたいとずっと思っている。
吉野屋旅館の向かいの丁字路の正面、高札場のようなもの。今は使われていない様子。
気になって2012年のストリートビューを見たら、背後に古い商店が建っていた。街灯の看板には「ガラス 食料品 奈良屋」とある。現在は更地。
この左手には観福寺。
右手に現在は営業していない「ミニミニストアー林 山倉店」。この街にあった商店は全滅、か…
坂を登った先に見えてきた山倉大神の一の鳥居。
この手前に駐車場があり車を停めた。
山倉大神(やまくらおおかみ)
山倉の旧村社・山倉大神(やまくらおおかみ)。
弘仁2年(811年)の創建。
「山倉の鮭祭り」が有名で千葉県の無形民俗文化財に指定されている。入り口の看板にも鮭のイラストが描かれているのが可愛い。
平安時代中期頃から始まり、元々は旧暦霜月初卯の創建の日に行われ「初卯祭」と呼ばれていたが、現在は12月の第1日曜日に開催される。参詣者には、鮭の生身が頒布され、病気や災いをサケる護符または風邪薬として名高いとのこと。
そして現在の境内の様子。
香取市指定文化財の「白川流十二座神楽」。
色鮮やかな本殿は、1778年の建立。
調べると、最近山倉大神では「ふれあいマルシェ」なるものが開催されているらしい。気になる。
山倉大神の門前旅館
私の一番の目的は、山倉大神の門前旅館。ストリートビューで事前確認し、最新情報がなかったので現存するのかドキドキしながら訪問したのだった。
鳥居をくぐると、左手に旧商店、右手に旧旅館!この景色が残っていて嬉しい。左手の商店は2012年のストリートビューでも営業していなかった。
山倉大神の門前旅館として正しき構え。母屋と奥には洋風な造りの棟が並ぶ。旧参道の門前好きとしては、拝見できて嬉しい。
既に旅館業は閉じている。
屋号は「若松屋」。洋風な建物は看板建築?古いガラス窓も残っており、意匠から昭和初期頃の建造だろうか。
実はこの旅館が写る戦前の絵葉書を手に入れたのだが、現在と全く変わらない風景。門前旅館の写真集でも作ったときに載せようと思っている。
人の気配が無く取材することが叶わなかったが、建物や旅館の事について聞いてみたい。
角川書店『日本地名大辞典』には、明治大正期には春秋2度の太々講に東京横浜、栃木や福島からも講社があったこと、明治30年代から大正初年にかけては佐原~山倉の間に乗合馬車が運行し、参詣客が多く訪れていたことが分かる。
しかし、2024年秋頃に山倉大神のバス路線は廃止に。
公共交通機関で参拝に向かうことが難しくなってしまった。バス旅をする私にとっては吉野屋旅館にも泊まりづらくなってしまったな・・
(訪問日:2023年1月)
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