九十九里鉄道の歴史。昭和30年代まで存在した「片貝駅」を簡単に -片貝⑷

九十九里町片貝の歴史探索中。今回は、昭和30年代まで存在した九十九里鉄道とその周辺の古い街並みや近代建築を記録します。
九十九里鉄道の歴史
かつて、東金~片貝を結ぶ鉄道「九十九里鉄道」が存在した。今回はまずその廃線となった九十九里鉄道の歴史についてまとめます。
小林茂多著『幻の鉄道 千葉県鉄道計画史』には次の通り。
東金町の有志が、大正十一年に特許を得て翌十二年に会社を設立した。
大正十五年十一月に東金から片貝間の開通を見たが、その後に得た免許はすべて失効、昭和三十六年に鉄道を廃止。
大正15年(1926)に開業。千葉市や山武郡成東町への延長計画もあったそうだが実現せず、昭和36年(1961)に鉄道が廃止となった後、現在も社名に鉄道の名前を残した「九十九里鉄道」としてバス事業を行っている。
海水浴場に向かう人で賑わったそうだが、車社会となり鉄道は廃止に。廃線は残っていないが、現在は遊歩道「軌道道」として名残が若干残る。
2012年に作成された「廃線探索 九十九里鉄道」が写真付きで廃線跡を詳しく紹介している。廃線好きな方はぜひ。
《当時の駅名》
東金駅(とうがね)→堀上駅(ほりあげ)→家徳駅(かとく)→荒生駅(あらおい)→西駅(にし)→学校前駅(がっこうまえ)→上総片貝(かずさかたかい)
終点の上総片貝駅を中心に商店が軒を連ね、現在の商店街が展開されている。他の駅も現在はどうなっているのか、駅前の今昔について調べてみたい。
こちらは東金駅に設置された看板。九十九里鉄道が運転を開始し、現在も残る木造駅舎が面影を伝えている。廃線後、しばらくは東金駅に九十九里鉄道の車両が残っていたという情報も伺った。

路線距離は8.6㎞。今度、東金駅~片貝までほぼ歩けるので廃線を辿ってみても面白いかもしれない。橋台跡も一部残っているらしい。
上総片貝駅跡は、片貝駅バス停に。九十九里鉄道の片貝車庫となっている(撮影し忘れた)。
『九十九里鉄道・1960年』に、上総片貝駅や切符、列車の古写真がまとめられている。
周辺は駅前とは思えないほど閑静な住宅街。食堂や写真館があるのは名残だろうか…


今回はざっくりと歴史だけのご紹介。覚えている方、詳しい方も多いかなと思います。
また資料等手に入れたら追記します。
(訪問日:2022年2月)
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廃線跡はワクワクしますね❗️
痕跡が辿れる間に全線歩いてみても良いかと思います。
追記される際は再訪で車庫の写真も是非お願いします。
当方、1986年夏に上総片貝駅(軌道としては「跡」、バス乗り場としては「現役」)を訪れました。敷地の周囲に、枕木を再利用した柵が張り巡らされていました。バスの待合室兼事務所の建物がありましたが、これが駅舎の跡であったのかは分かりませんでした。この時点で、鉄道廃止から四半世紀経過しているので、他に遺構らしきものは見当たりませんでした。
宿泊していた、民宿の女将さんから、かつて軌道がとおっていたことを伺い、現地を訪れてみたというわけです。事務所には、バスの運転手さんが何人か詰めていたのですが、鉄道の話は伺えなかったと記憶しています。