片貝に残る病院建築3軒。近代建築好きにおススメレトロ建築 -片貝⑺

九十九里町片貝。商店街沿いに3軒もの良質なレトロな病院建築が現存している。近代建築好きの方にとっては必見!の病院建築を中心にご紹介します。
片貝「旧高野医院」
千葉県山武郡九十九里町片貝。いずれの病院も今は閉院しているため、住所は控えます。
前回から引き続き、片貝のメインストリートである海と平行して伸びる商店街を歩いている。

まず最初に目に入ったのは「旧高野医院」。左側に2階建ての比較的新しい病棟と右手に古い平屋の病棟が並ぶ。

左側の病棟は最近まで使用されていたのかな。2014年のストリートビューを見ると既に使用されていない。


また、後ろに回ると平屋の病棟があった。敷地の奥へ続く昔ながらの病院だ。

気になるのが右手奥に建つ病棟入り口。アーチ状の入り口と金色の文字、緑の松が相まって美しい。





建築年等詳しいことが分かったらまた追記します。
周辺は商店街になっており、千葉銀行、梅沢家具などが営業中。


片貝「旧伊藤内科」
そして2軒目の病院へ。家具店の隣に長い長い煉瓦壁が続く。大迫力!


向かいには旧宮沢商店。

道路側に平屋の店舗と奥に二階建ての店舗を構える。手前に車が無ければよく撮影できたのにな…

そして煉瓦壁がある一角。木々に埋もれた「伊藤内科」の看板が見えた。

しかも奥に煉瓦造りの門柱が見えるぞ…これは凄い。

正面が伊藤内科の入り口だったのだろうか。レンガ門柱と木製の扉が現存。病院の建物は見えなかったがさらに奥に存在するのかもしれない。※地元の方に伺うと既に無いようです。



左手には蔵とご自宅と思われる建物が。現在も住んでいらっしゃるようですので廃墟として探索はお控えください…

片貝「旧橋本歯科医院」
そしてそのすぐ近くに3軒目の病院建築!「旧橋本歯科医院」です。言葉では言い表せない美しさ!最高!

看板建築?かと思い裏に回るが、全面シャレた意匠で囲まれている。ほほう。

裏、2階の窓枠はサッシに変わっているものの、1階は恐らく当時のまま。

そして検索してもこれらの病院建築の情報が無いことも不思議。手元にある文化財の本にも載っていないしな…なんだろう。地元の方に聞き込みしたが建築年は分からず。

地元の方も素敵な建物、という認識はあるようだけど今は放置状態…惜しい、惜しすぎる!

病院の裏手には純和風な住まいがある様子。
そして斜め真には「片貝薬局」。これだけ病院が並んでいたら薬局は必須。

片貝薬局は、昭和3年創業らしい。ホームページに詳しく沿革がまとめられていたので助かる!
創業当時の片貝薬局の写真も。関東大震災によって東京から片貝へ移ったようだ。
大正12年 関東大震災により病院が消失。病院の整理や職員の処遇などの対応にてまどった。
昭和3年 千葉県山武郡九十九里町片貝3489にて薬局を開設。当時は封建的であったので、よそ者はなかなか受け入れられず苦労があった。
昭和4年 世界大恐慌(ブラックチューズデー)があり金融は混乱した。資金面でも大変だった。
昭和16年 第2次世界大戦(太平洋戦争)で物資が無く、商品調達に大変苦労した。


松屋製菓は立ち寄ったので次の記事にて紹介します!

この先を歩いても営業しているお店がほとんどなく寂しい。

銚子信用金庫、旧時計店、衣料品店「まるぜん」…

コンビニ!布施商店が営業中だった。


片貝の商店街は一旦ここで終わり。さらに南側の真亀の方はまた機会があったら歩こう。
それにしても3軒の病院建築、放置状態で惜しいな…リノベーションして再利用する事例も増えているが千葉県内にはまだまだ少ない。
最近、木更津の病院建築がロケ地として度々使用されているように、ロケーションサービスとして新たな息吹を与えることはできないのだろうか。記録だけでなく活かす仕事がしたいと改めて思うのでした。
(訪問日:2022年2月)
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今回も刺さりました❗️
二軒目の看板、そう昔の病院は駅名標みたいな立派な看板ありました❗️
三軒目、もう言うこと無いです。美しい佇まい。何処かの模型メーカーからでもキット出ないかな?笑