茨城「鹿島神宮参道商店街」鹿島神宮の門前、旅館や喫茶店 -鹿島⑴

茨城県の「鹿島神宮」へ!
以前から一度行ってみたかった歴史ある神社。きっと周辺の参道にはレトロな建物やお店がたくさん残っているんだろうな~と期待大。両親と車に乗って茨城の探索スタートです!
鹿島線・鹿島神宮駅
茨城県鹿嶋市宮下4丁目、JR鹿島線「鹿島神宮駅」。名前の通り、鹿島神宮の最寄り駅だ。
鹿島神宮駅の現在
昭和45年(1970)に開業。意外と新しい駅であることに驚いた。そして駅前のロータリーが整備されて綺麗になっていた。

2015年の「香ばしい町並みブログ」に開発前の写真が載っている。
ロータリー南側に昔ながらの喫茶店「モア」が営業しているのを見てホッとした。

今回は車で訪れたので駅からは歩かなかったが、駅から歩くとなだらかな坂道をのぼっていかなければならず、意外と大変そうだなと思った。
鹿島神宮への参拝は電車を利用する人は少なかったのかもしれない…?
鹿島鉄道「鹿島参宮鉄道」
調べていると、JR鹿島線とは別の鉄道が存在したことを知った。鹿島神宮駅の開設が新しすぎて疑問に思っていたので納得。
大正11年(1922)に開設された「鹿島参宮鉄道」。大正時代から昭和初期にかけて、鹿島神宮への参拝を目的に造られた。
茨城県の石岡から鉾田(ほこた)を結ぶ鉄道だった。その後は本格的にバス事業に進出したというが、平成19年4月1日に鹿島鉄道は廃止になった。
「なめがた日和」の記事が詳しい。廃線も辿ってみたいな。
鹿島神宮参道商店街
「鹿島神宮参道商店街」は鹿島神宮の西側に伸びる参道。「大町通り」とも呼ばれている。

ホームページに商店街のマップが載っているので引用させていただいた。イラストで描かれていてわかりやすい!

鹿島神宮参道の歴史
日本最古とされる神宮の一つ、鹿島神宮。日本で「すべての始まりの地」とも呼ばれている。
また、江戸時代には「伊勢参りの禊(みそぎ)の三社参り」という、伊勢神宮参拝後に東国三社を参拝する「下三宮参り」が流行。利根川の舟運を利用して、鹿島神宮、香取神宮、息栖神社を巡ったそう。

三社を参拝すると伊勢神宮に一度参拝したのと同じご利益が授かると信仰されていたのにはびっくり。さらに、明治以前には、伊勢、香取、鹿島のみが神宮と名乗ることができたという名社。
近くに住んでいるのに知らなかった…!
そして、千葉県印西市木下にあった「木下河岸」を起点に、利根川を上下した東国三社参りの遊覧船を「木下茶船」と呼んでいた。江戸時代初期に始まり、8人乗りの舟。
舟で参拝するから、駅の開設が最近だったのか。納得。
今でいうクルーズツアーのようなものらしく、千葉県立博物館の資料が詳しい。三社詣をした後は、大抵、繁華街のある潮来で「精進落とし」として宿泊したらしい。潮来は遊廓があり賑わっていた街。
精進落としをする流れは、成田山参詣でも同じ。ということは、鹿島神宮周辺には精進落としをするような場所は無かったということかな?神聖な場所だから無さそうだな。
昭和の時代の参道
昭和の鹿島神宮周辺の写真が、まいぷれの記事に載っている。
昭和30年前後は団体旅行が流行ったため、バスが参道に停車。参道にはケヤキの木が植えられて、現在とは雰囲気が違う。
昭和な「鶴屋商店」
参道、まず目の前に入ってくるのが「鶴屋商店」。昭和な雰囲気がたまらない!

右にはたばこ売り場。多くの観光客を迎え入れていたんだろうな。

看板を見ると、お菓子・果物と書いてある。お土産に果物を購入する時代だったんだろうな。

反対側の看板には、バス切符売り場の文字。今は営業していなさそうだ。

店内は暗かったけど、一応営業している雰囲気ではあった。が観光客はあまり立ち寄らないだろうな…

たばこも時代の流れでマイナスなイメージの方が強くなってきたし…これから貴重になるので記録しておこう。

ホテルがんけ
向かい側にあるのはホテル「がんけ」。

外観はビルで新しいので、気にしてなかったが調べてみると、老舗の門前宿だった。黄門様の時代から鹿島神宮の門前宿として利用されている旅館。
それにしても、”がんけ”って珍しい。

ホームページに屋号の由来が載っていた。
ダラダラと続く参道を登りきった崖の上に「がんけ」
は建っていました。汗を拭きながら歩いてきた参拝客は、
旅館の石垣を見て、ほっと一息ついたことでしょう。「がけ」を意味する「がんけ」がいつの間にか、
本名の「堺屋旅館」を押しのけて屋号になりました。
これが屋号の由来になります。
なんと、まさかの本名は「堺屋旅館」!崖の上って今の位置にあたるのかな?
沿革も書いてある。
慶長末期鹿島神宮の門前に「堺屋旅館」として開業。
昭和46年ホテルがんけ本館リニューアルオープン。5階建ての鉄筋コンクリート造りとなる。
昭和58年総合式場「サンロード鹿島」オープン。
平成17年ホテルがんけ本館地下1階に大浴場を新設。
平成19年鹿島神宮の参道に面したホテルがんけ本館1階に「茶店彦兵衛」オープン。
平成23年ベルギーをテーマにしたカフェレストラン「ベルジアンカフェれんが」オープン。
慶長末期に創業。
以前の古い旅館の写真を見てみたいものだなあ。
大町通り
鹿島神宮表参道を「大町通り」と呼ぶそうで説明の看板も設置されている。

中世には大宿といわれ、その頃から門前町の中核をなしていました。徳川時代にこの辺りの町割りがなされ、大町という町名がつけられました。通りの幅が広くなっているところは、通りで市が開かれていた時代の名残です。昭和のはじめまでは参拝客向けの旅館が軒を連ねていました。
市が開かれていたのか…そして旅館も昭和初期まではたくさんあったようだ。
古地図を手に入れて比較してみたいな。

現在は、参道はとても綺麗に整備されており、鳥居まで見渡せるくらいに開けている。ちょっと拍子抜け。

鈴章
割烹「鈴章」は創業明治30年。100年以上の歴史ある老舗店だ。

ホームページに、昭和初期の木造2階建ての店舗の写真が載っている。創業当時は「げたや」という屋号だったようだ。

駅前にはビジネスホテル鈴章も営業中。鹿島名物であるナマズ料理が味わえるらしい。気になる!

表参道の街並み
各地の神社に訪れる目的の一つに、表参道を歩く楽しさがある。

現在は改装されて、営業していない建物もあるが、それでも歴史を感じる街並み。


歩道もとても広く、道路とも区別がしっかりあるので安心して歩くことができる。成田山新勝寺の参道と比較するととても歩きやすい…

和洋折衷?境屋食堂
参道で一番目に入る建物が、こちらの和洋折衷な雰囲気の建物。

2階の窓が良い感じ。もしかしたら昔は旅館も経営されていたかも?なんて想像してしまう。

1階の右側は「境屋食堂」で和な雰囲気。

反対側は、喫茶店「積木」。増築したのかな?教会のような素敵な外観に惹かれる。

店内はどんな雰囲気なんだろう。今回は入らなかったが、とても気になるお店。

見事な和洋折衷。正直、参道で一番気になっているので入れば良かった。歴史を取材してみたいな。

隣の家は個人宅?と思われるけど趣のある外観で素敵。

高いビルが少ないので、空が広く感じる参道。

なんと、顔パネルも設置されている。恥ずかしくて顔は入れなかったけど。

ミニ博物館
2階建てのビルは「ミニ博物館ココシカ」という施設。無料で見学できる。

2011年にオープンした博物館で、鹿島の神々やお祭り、塚原卜伝などを丁寧な展示で紹介しているそうだ。

中をちらっと覗いたが、手作り感のある展示で面白そうだった。だが、博物館に訪れると気付いたら時間が過ぎてしまうので、今回は断念。
もう少し余裕をもって訪れたい。

自動販売機のコカ・コーラが、徳川デザイン!?鹿島神宮だからかな?

汽車のレストラン「エミール」
まるでパーティ会場のような豪華な建物。ここでランチにしようと思っていたのだけれど…

1階は喫茶店。2階は汽車がはこぶレストランということで、珍しいし、電車が好きなので気になっていた。


営業中、と書いてあるけど店内は真っ暗だよ…ゴールデンウイーク期間だから休みなのかなと勝手に自己完結してしまった。

1階も2階も真っ暗…これで通常運行?せっかく、ここまで来たので入りたかった~…

吉見屋旅館
エミールの向かい側にある2階建ての建物。明らかに旅館。こういう旅館に宿泊したい気持ちが高まる。

看板が出ていないので判別しにくいが、「吉見屋旅館」というそうだ。門前宿の趣深い建物。

「いばらきだいすき」さんの記事が旅館に対する愛がこもっていて良い。口コミを見ると旅館に対するマイナスな評価が多いけど、この記事を見てほっとした。

そば屋が多い
鹿島神宮の表参道、どこでランチにしようかと思っていると蕎麦屋の多さに驚く。まあ、そりゃそうだ。


「よしのや」は創業が室町時代!?と書いてある。びっくり。

向かい側は大判焼で有名な「甘太郎」。最近オープンしたみたい。

左の蕎麦屋「ながおか」はシャッターが閉まっていた。奥にもお店があり、路地裏の探索も忘れずに。

高砂旅館
細い路地、坂を下っていくと、奥に「高砂旅館」の建物が。裏路地にあるのがたまらないな~

しかも、1階にはスナックの「志摩」が併設。レトロ過ぎる…

鹿島神宮に一番近い旅館。割烹旅館だから高いのかと思ったら、3300円~とお手頃。

甘太郎の隣に、鬼澤歯科医院の門柱。渋いと思ったので撮影した。

昔の病院の表札を見ているとゾクゾクする。私って変だな笑

鹿島神宮第二駐車場
最後におまけ。今回は表参道の西側、鹿島神宮第二駐車場に車を停めた。
その際に、木々の奥に大きなコンテナが放置されているのを発見。

よく見たら、「国鉄」と書いてある!鉄道マニアにとっては興奮案件?

なぜここに放置されているんだろう…
調べても情報が無かった。貴重なものを見れてなんだか嬉しい。
追記:Twitterの方よりコメント
国鉄コンテナで恐らくC20形。昔たくさん見ました。廃コンテナは全国的に多いですが、国鉄の文字が消されていない個体は貴重です。横の赤茶色の倉庫も国鉄の貨車でワム80000形ですね~。この貨車倉庫も全国的に多いですね。
隣の茶色のコンテナもしっかり撮影すれば良かった!
一度訪れてみたいと思っていた鹿島神宮。家族と初訪問しましたが、門前や境内は探索しているだけで楽しかったです。
門前の旅館に宿泊してみたいな~
(訪問日:2021年5月)
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