柏たなか駅周辺に広がる質素な「田中商店会」。旧村名、縄文遺跡が眠るまちだった…

柏たなか駅周辺に広がる質素な「田中商店会」。旧村名、縄文遺跡が眠るまちだった…

千葉県柏市、つくばエクスプレスの「柏たなか駅」に用事があって降り立ったときのこと。柏に田中さんが住んでいたのかと思わせる不思議な地名に疑問を感じた。そして駅周辺には商店街のような街灯が残っていたのだが、あまりにも閑散としている街並み…

なんだか全体的に不思議な柏たなか駅周辺の歴史を調べると、意外な事実が待っていた。

田中商店街

つくばエクスプレス「柏たなか駅」。駅はとても近代的なホームであり、駅周辺も高層マンションや綺麗な病院が並んでいる。再開発が行われた綺麗な街だなという印象を抱いた。

柏たなか駅西口から、少し南に進むと県道7号がある。交通量は比較的多い県道7号には、暗闇に光る街灯があった。

暗闇に光る街灯

よく見ると「田中商店会」とある。

田中商店会

この通りが商店街?!と思うほどに、商店どころかお店は全くない。

田中商店会の街灯

残っているのは緑色と黄色の街灯のみ。周辺は空き地か、新しい建物が建っていた。

街灯のみ残る

なぜ、何もない通りが田中商店街なのか?柏たなか駅にも何か秘密がありそうだと感じた。

柏たなかの歴史

とても気になったため、柏たなかの歴史について調べてみることにした。意外と面白い歴史を発見。

田中村

柏たなかは、元々「田中村」という村が存在したことからついた名称であることがわかった。田中村は、江戸時代、市域に多くの領地を持っていた本多正重氏の住居が駿河国田中(現:静岡県藤枝市)にあったことから由来しているという。

柏市を中心とする下総地域に飛地領を持っていたことから、明治22年に田中村が成立。その後、昭和29年(1954年)に東葛群柏町、土村および小金町と合併し東葛市が新設されるまで、田中村が存在した。

柏たなか駅

柏たなか駅が開業したのは2005年。計画中、駅名の仮称は「柏北部東駅」だったという。当時の町会長さんを代表として署名活動が大規模に行われ、様々な葛藤の中で旧村名の「田中」の名称を入れることが採択されることに。

地元の方の努力があって、現在の「柏たなか駅」が誕生したのである。

つくばエクスプレスが開業したのが2005年とあるが、実は1920年~1930年代にも「筑波高速電気鉄道」という会社による鉄道敷設計画が存在したらしいが、運営資金の問題などで実現されず…

現在のつくばエクスプレスとほぼ似たルートが、平成になってから実現されたという経緯はとても興味深いものだ。

柏たなか駅周辺の魅力

現在となっては再開発が進み、綺麗な街になっているが、実は地下には縄文遺跡が眠っているのだとか!

かつて縄文時代前期~中期に竪穴住居が200軒以上もの集落があった場所で、すぐ下が海だったという自然豊かな環境だったことがわかる遺跡が発掘されている。

竪穴住居の遺跡が「再発見!かしわ」の記事に載っているので写真をぜひ見てほしい。

そして周辺には由緒ある神社仏閣や名家「旧吉田家住宅」も一般公開されている。かなりの敷地が残っているので、今度行ってみたい。

石碑

柏たなか駅から少し県道7号を西の方向へ歩いていると、分岐のところに石碑を発見した。

県道7号

この日は雨だったため、石碑の文字が読みづらいが…

ちょっと読みづらい

十九夜記念などとある。

十九夜記念

田中商店街は現在商店があまりなく質素な商店街となっているが、歴史を紐解いてみると旧村名を大事にするたなか柏地域の意外な歴史を発見した。

普段は通り過ぎてしまうような質素な商店街であっても、意外と歴史が詰まっていて面白いなと感じた。有名な商店街だけでなく、こうした知名度の低い商店街と記事にしよう。

 

(訪問日:2020年9月)