柏市の戦跡を歩く|旧高射砲第二連隊営門・高射砲第二連隊訓練・北柏駅まで歩く

柏市の戦跡を歩く|旧高射砲第二連隊営門・高射砲第二連隊訓練・北柏駅まで歩く

柏市根戸に残る戦跡を訪ねて、JR北柏駅~布施弁天の間を歩きました。

「旧高射砲第二連隊営門」と国登録有形文化財に登録された「旧陸軍高射砲第二連隊 照空予習室(高射砲連隊訓練棟)」の二つです。

 

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旧高射砲第二連隊営門(高野台児童遊園)

千葉県柏市根戸469−18「旧高射砲第二連隊営門」(高野台児童遊園)

最寄り駅はJR常磐線北柏駅。駅からは徒歩15分ほど。駅北側の布施入口交差点近くの住宅街にある公園の入り口に戦跡がみられる。

高野台児童遊園

旧正門とその右側には歩哨舎が現在も公園の入り口に。知らなかったら普通に公園の入り口の門柱として素通りしそうなほど自然体な存在。現地には説明看板も設置されている。

旧高射砲第二連隊営門について

旧高射砲第二連隊営門
ここにある門柱は東方約60mの所にあったものを移設したものです。
高射砲第二連隊は、昭和13年に市川市国府台から富勢村根戸字高野台に移転してきました。隊は昭和16年に主力が東京方面に移り、同18年に廃されるまで続き、その後東部十四部隊と東部八十三部隊が進駐しました。
敷地は現在、市営住宅、富勢中学校、公的施設として利用されています。
柏市はかつて「軍都柏」と呼ばれ、十余二、花野井、大室、高田、若紫には軍事施設があり、緑ヶ丘には軍需工場がありました。
これらのものは姿を変えてしまい、当時の面影をみることは困難になっています。
本市に軍事施設があった残り少ない証拠として、また、二度と再び戦争の惨禍を繰り返すことのないように祈念して、営門を移設して永く保存し、「恒久平和」を求め続けるものです。
柏市教育委員会

昭和13年~18年頃

説明看板にも書いてある通り、かつては高野台児童遊園の東側に存在したものを移築保存したとのこと。撤去されることが多いのに保存とは素晴らしいなと。

看板の跡

門柱と同じくコンクリート造の歩哨舎も現存。歩哨舎は中に入らないように柵で囲まれている。

歩哨舎

歩哨舎、同じように残っているものがJR松戸駅近くの松戸中央公園にある。松戸の旧陸軍工兵学校歩哨舎は柵で囲まれていなかったな。千葉県内で歩哨舎が残っているのはこの二カ所か。昔は習志野市にもあったけど事情があり撤去に…

【松戸散策①】松戸はレンガ建造物の宝庫?!松戸のレンガ探しの旅へ

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貴重な戦跡です

公園内から見学。「近代史跡・戦跡紀行~慰霊巡拝」さんが詳しく周辺の遺構合わせて記事にまとめられていました。
高射砲第二聯隊の跡地散策(軍都柏・その2)

児童遊園から南へ、もう一つの戦跡へ。

「富勢商店街」の街灯が公園近くにもあり、この辺りにも商店が点在しているようだった。

文具店
ふとん店

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高射砲第二連隊訓練棟(柏市根戸)

千葉県柏市根戸443「旧陸軍高射砲第二連隊 照空予習室(高射砲連隊訓練棟)」

これまた住宅街の一角に静かに佇む戦跡。

「旧陸軍高射砲第二連隊 照空予習室(高射砲連隊訓練棟)」

2023年に国登録有形文化財に登録されており、現在注目が集まっている!
2024年2月には「高射砲連隊訓練棟 文化財登録お祝い会」が開催された。ちょうど記事を書いている2月1日に申込開始の記事を見つけ、縁を感じる…

旧陸軍高射砲第二連隊照空予習室
(きゅうりくぐんこうしゃほうだいにれんたいしょうくうよしゅうしつ)

(1)員数:1件(1棟)
(2)所在地:柏市根戸443ー3
(3)建築年代:昭和13年頃/昭和42年改修
(4)登録基準:「(三)再現することが容易でないもの」
(5)概要:柏市の旧陸軍高射砲第二連隊跡に建つ防空訓練施設。箱形の建物内部は元は窓の少ない大空間の一室で、天井等に航空機像を投影して照空灯操作を訓練した。屋上は距離測定の訓練所で、西面に残るクレーン支柱一対で測遠機を昇降した。特殊な用途の旧軍施設の遺構として貴重。

千葉県教育委員会ページより

建物の正面を見ると分かるように、平成21年まで消防署として使われていたそうで柏市根戸地域の方にとってはシンボル的存在。昭和10年代に造られたとは思えないほど強固な造りに見えます。

記事を書くまで知らなかったけど、
毎年一般公開イベントも開催されている様子。いつか内部も見学してみたい。

 

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その後は、JR常磐線北柏駅へ向かった。しかし、駅周辺の水戸街道沿い、歩いていると違和感。これは…

柏都市計画事業北柏駅北口土地区画整理事業が進んでいるらしい。

街道沿いで古い街並みがあったはずなのに、現在は軒並み更地に。視界が開けすぎて妙な違和感を感じたのは区画整理によるものだった。

北柏駅北口土地区画整理事業のあらまし
本地区は、旧水戸街道及び国道6号を中心に住宅が立地している他は、道路等の公共施設の整備水準が低いこともあり、農地、樹林地及び駐車場などの低・未利用地が多く見受けられます。
本事業では、駅前広場をはじめとする道路、公園、下水道等の都市基盤の整備を行うとともに、良質な宅地を造成し、駅周辺地区という立地条件に相応しい、健全で秩序ある市街地の計画的な形成を目的としています。

旧水戸街道沿い

開発は2020年あたりから徐々に始まっているが、2013年のストリートビューなどを見るとその変貌ぶりに驚く。

 2022年秋の北柏駅。

JR北柏駅

小さな駅舎がポツンと浮いているような状態…!かつては周辺に飲食店等建物が駅を囲んでいたが…

令和7年度までとのことなので、あと2年ほどで完成するのかな。今度布施弁天に行く際は違った駅前かもしれないな~

 

(訪問日:2022年10月)

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