柏駅から柏市手賀の歴史探索へ。寺社仏閣、手賀城、手賀狸穴公園(東校跡地)

JR柏駅からバスに乗って柏市手賀へ。文化財の旧手賀教会堂を目指し、周辺を探索。旧手賀村、沼南地区を歩いてみると城跡や寺社仏閣、気になる史跡が多く、1日では周り切れなかったです。
柏駅からバスで柏市手賀へ
JR柏駅東口から、柏東25の布瀬(ふぜ)行きのバスに乗車。
駅前の繁華街とは打って変わって、だんだんとのどかな田園風景になっていく様変わりが旅の気分にさせてくれる。
千葉県柏市手賀624−2。バス停「手賀」で下車。旧手賀教会堂へは徒歩5分ほど。バスの本数は少ないので注意を。

交差点、角に石碑があるが顔部分が削れてしまっている。右手を行くと柏市立手賀東小学校。

土台に「成田山」とある。

バス停から北へ徒歩5分ほど行く。
手賀沼南岸に広がるこの辺りは旧手賀村。現在地から2~3㎞離れているが、「柳戸塙子供 の遊び場」に旧手賀村の道路元標が残っている。公園には古い門柱もあるので元町役場かもしれない。

角川書店『日本地名大辞典』によると、手賀という地名は鎌倉時代から見えるようだ。
明治22年に16か村が合併して手賀村が成立した。特産物は、ニンジン・ゴボウ・葉藍・タバコなどがあり、殊に生姜の栽培が盛んだったという。

Googleマップの口コミによると、2年前に店主の体調不良により休止中のガソリンスタンド。かつてこの道がメインストリートだったことが窺える。
また、ガソリンスタンドの向かい隣にある碑は「道路改修記念碑」とのこと。

2013年のストリートビューを見ると隣に木製の高札場のような看板が存在したが今は無い。
ガソリンスタンドの隣には、海老原商店。周辺で唯一の商店。


道沿いにバス停化と思ったら、「松戸市青果市場集荷所」とのこと。

次の分岐で右を進むと、旧手賀教会堂へ。詳しくは次の記事にて紹介します!

現在、イコン画が保管されているのは南東に徒歩10分ほどの「手賀ハリストス正教会・聖使徒神学者・福音記者イオアン聖堂」。

手賀狸穴公園(東校跡地)
そして、手賀ハリストス正教会・聖使徒神学者・福音記者イオアン聖堂の隣にある広場が「手賀狸穴公園」という気になる名称…狸穴(まみあな)と読むんですね!

狸がでるような寂しい場所という意味らしい。
その公園内にある碑には「東校建設記念碑」(大正5年建造)がある。

先ほどの『日本地名大辞典』によると、明治43年に東尋常小学校が開校したそうだ。その後、大正5年に学校を建設したことを記念する日だろう。

東校は、その後合併した現在は南側に柏市立手賀東小学校として健在。

真言宗豊山派 龍猛山 興福院 園城寺
さらに周辺を歩いてみる。旧手賀教会堂から西にある興福院園城寺へ。

大同年間(806年 – 810年)に開山、1579年には手賀城の城主原胤親は当院で戦勝祈願し、成就することができたという。しかし、小田原合戦にて手賀城が落城すると興福院園城寺も焼失したそうだ。

また、2011年に発生した東日本大震災の影響で、本堂の横にある宝篋印塔が崩落したため修復工事をしたとある。


そういえば、本堂にはお坊さんの看板。これ、ネットで他の地域に存在するのを見たことがあるが千葉県では初めて遭遇したかも!

境内にある石造りの蔵も気になる。

また、無形民俗文化財に指定されている「手賀ばやし」についての説明看板。夏祭りで奉納されるお囃子とのこと。

こちらは、力石。

西側には寺の山門が構える。

「沼南の歴史をあるく」という散歩コースの1番らしい。そして、「興福院・手賀城址」と紹介されているが、周辺には土塁等も残っているそうだ。


伏見稲荷大明神(手賀城跡)
次は西側すぐにある、伏見稲荷大明神へ。

伏見稲荷大明神、入口を探すも民家の敷地内に階段が伸びている?

実際は南側の手賀児童遊園側から訪ねることができるようだが、城址ということもあり?複雑な道。


社殿脇にある碑、「??闘争戦病没者…」とあるが、どの闘争を指しているのだろう。

高台に位置する神社なので、見晴らしが良い。奥に見えるのが手賀沼。

そして、神社の入り口に「手賀城址」と刻まれた碑が建っていた。

築城年不詳、小田原征伐によって1590年(天正18年)に廃城になったそうだ。遺構については城マニアに任せた…!
兵主八幡両神社
次に、バスの本数が少ないので可能な時間内で駅方面のバス停まで歩くことにした。
まず、バス停「八幡前」にある兵主八幡両神社。旧村社である。

時間の重みを感じる神社。『沼南の歴史をあるく No.9』によると、「片山兵主 八幡 両神社」が正式名称とのこと。手賀と片山の両地域の境界線にあるため、皆さんで定期的に掃除をしているのだとか。だから両神社…

現在の本殿は200年ほど前に再建。昭和46年に茅葺から銅板葺に改修されたという。




片山兵主八幡両神社南側の庚申塚は、神社とは別に成立したようです
また、バス通りと平行して長い境内。

幅約五メートル、長さ二百メートルに及ぶ長い一直線の通りは、参道ではあるが「馬場」と称され、南北両端には廿型の結界門があり、以前はその間を牛馬などが通行することは一切禁止されていたという。

馬場ということならば納得の長い参道。そして神聖な場が現在も守られていることを感じる境内だった。

一ツ井戸
大通り、県道282号を西へ。バス停「一ツ井戸」の近くにある実際の「一ツ井戸」を見学に。



かろうじて読める説明看板…
下柳戸地区は昔から十戸の戸数を増やさず、井戸もこの一ツ井戸を共有していました。南にある桜並木は金山落しの改修後、景観保持のため昭和?十五年から植えられたものです。
肝心な数字が一つ読み取れなかったが、戦後に植えられた桜並木、春は多くの方で賑わうのだろう。
柳戸六所神社
一ツ井戸から県道を挟んで北側にある六所神社へ。

神社に至る道沿いには立派な長屋門などが健在。鳥居は奥に見える。


柏市柳戸にある柳戸六所神社。創建年代は不詳、手賀城の出城があった場所だという。


現在の社殿は、万延元年建立とのことなので上記の常燈明と同じ年数だ。

さらに奥には、江戸時代の寛永年間の墓碑もあるというただならぬ雰囲気の墓地(阿弥陀堂)があった。

そして、再び県道282号へ。かなり交通量も多い上に歩道が無い道なので歩くのは危険だった。
手賀農協前のバス停で帰宅することに。近くには「沼南青果柳戸市場」の建物が放置されていた。

バス停になっている農協も閉まっている様子。
ここまで友達と二人で歩いてきたが、女子2人で歩くにはちょっと危ない県道沿いだった。
(訪問日:2022年2月)
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