復興小学校!「木更津市立金田小学校」旧校舎は国登録有形文化財
木更津市立金田小学校。その旧校舎が、関東大震災直後に建てられた復興小学校として、国登録有形文化財に登録されている。今回は千葉県内に残る貴重な学校建築を一目見たく訪問した。
木更津市立金田小学校
千葉県木更津市中島2931−1。東京湾アクアラインのすぐ近く、車で訪問した木更津市立金田小学校。
現在は新しい校舎で歴史が綿々と受け継がれている様子。目的である旧校舎は敷地内の右手に存在している。フェンスで囲まれているので外からの見学ではあるが。
「金田尋常高等小学校第五校舎」は、昭和3年 (1928)竣工のRC造2階建。関東大震災直後に木造ではなく、当時珍しい鉄筋コンクリート造で建てられたことから「復興小学校」と呼ばれる。
現在は1階正面入り口は封鎖されている。
ちょうど訪問してから1年。2023年4月20日の東京新聞の記事にて小冊子や講座が開催されたことをお知らせしている。→「歴史的建造物」価値見直そう 昭和3年築 木更津の金田小旧校舎 小冊子作成 22日に講座も
「房総の地域文化を学ぶ会」による小冊子と講演会、気になるな~参加したかった。
一九二八(昭和三)年に建築された上総四市初の鉄筋コンクリート校舎である金田小学校旧校舎(千葉県木更津市中島)の価値を見直そうと、地域の歴史や自然を調査・研究する市民グループが小冊子の作成を始めた。第一号は歴史編で「金田小学校旧校舎物語」。今後、建築的な価値についてもまとめる予定で、二十二日には同校舎を調査した一級建築士を招いた講座を開く。「一人でも多くの人に興味を持ってほしい」と願っている。
金田小は一八八九(明治二十二)年に誕生。一九〇二(同三十五)年に、それまでのお寺から移って校舎が新築されたが、二三(大正十二)年の関東大震災で倒壊。少しずつ復旧し、今も残る鉄筋コンクリート校舎が最後に完成した。
「房総の地域文化を学ぶ会」が作成した旧校舎物語でも、関東大震災がきっかけで誕生し、戦時中には陸軍基地に使われるなど、地域の歴史を見続けてきたことを紹介している。
戦時中には陸軍基地…ネットには詳しい情報が無いので知るためには冊子を購入する必要がありそうだなあ。気になる。戦跡としても注目すべき建物だ。
アールデコ調の造りで、階段は手すりの飾りに円を多用したアールデコ風装飾で、親柱のマーブリング模様も美しい。
講座「金田小学校旧校舎の魅力〜復興小学校に込められた思いと記憶〜」は二十二日午後二時から、市中央公民館(スパークルシティ木更津六階)で。市史編集委員、尾道市立大非常勤講師で一級建築士の渡辺義孝さんが写真や図版を使って解説する。冊子も二百円で販売予定。
さらに、記事内には校舎内の手摺が映っているのだが、マーブル模様のような美しい装飾に度肝を抜かれた。技術力が凄い…
2階正面のバルコニーは出入りしていたのだろうか。
そして現役の小学校として活用されているのがまた素敵。また機会があったら講座にも参加したいし、今後の活用法が気になる。
木更津市金田 開発が進む一帯?
金田小学校がある木更津市中島。金田小学校正門の前一帯は、開けた更地が広がっていて、なんだか違和感があった。
郵便ポストや明らかに新しい神社…
道路を新しく作る予定なのか?木々も伐採されて辺りが見渡せるようになっていた。過去のストリートビューでは、神社の周囲は木々で覆われており、自然豊かな様子。
大木の隣にある忠魂碑は変わらず。愛宕神社は明らかに新しい。これから都市開発が行われるのだろうか…?
(訪問日:2022年3月)
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