鴨川市西町、東条の商店街のような街並み。「東条四野村製菓店」 -鴨川⑽
古くからの地名である東条。鴨川市が出来てからはあまり聞かなくなった地名だが、今回訪ねた郵便局や病院、小学校にその名前が残っている。東条の街並みも素敵だ。引き続きサイクリング旅!
鴨川市西町の東条「東条四野村製菓店」
千葉県鴨川市西町361。JR安房鴨川駅からは北東に位置する鴨川市西町。この辺りの公共施設には「東条」と名付けられたものが多く、明らかに歴史を感じる地名だ。
『角川日本地名大辞典』に詳しくまとめられており、地名の由来は古代の条里制が行われたところから付けられたとも。和泉・広場・東町・西町等が合併した東条村は昭和29年まで存在した。源頼朝の話とか『吾妻鏡』にも載っている地名ということで鴨川の古くの中心だったのかな。そんなことを知らずにサイクリングで訪れた。
「かづさや」、2014年のストリートビューで閉店の貼り紙。創業90年の歴史があると書いてあった。
歩道がほぼない県道181号。道沿いに古い家屋が並んでいる。
東条小学校の校門傍にあるのは、「東条四野村製菓店」。日曜日だから休みだったのかも。グーグルマップの口コミにも返信があるので、現役!
手づくりのお菓子美味しそう~ そして店名も気になる。
校門の向かいにも古い商店らしき建物があるがこちらは閉業していそう。
学校の目の前。文具やたばこを扱うよろず屋だったのかな~
鴨川市立東条小学校、創立は明治15年(1882)とのこと。令和4年に140周年を迎えた。
東条小学校傍にある道標
鴨川市立東条小学校の校門の右手にある道標。高さは私の背丈以上にあった気がする。
「安房郡北條町… 平郡保田村…」鴨川から千葉県各地への道標、興味深いな。
「千葉県庁… 東京… 印旛郡佐倉…」
「西條村… 天津町… 鴨川町…」
明治26年設立。電柱の裏にひっそりとある現在。
引き続き県道181号。蔵造りの立派な建物!元商売されていたんだろうな~
側面の写真を撮るのを忘れたけど海鼠壁が素敵だった。
東条の古き街並み。思いがけず良い物だった。
次で紹介する病院建築もすぐ近くに。
次は和泉地域へ!
(訪問日:2022年4月)
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今回の明里さんのレポートでわたしが深くため息をつくのは、「地名の改廃」です。
日本人…と言うか、日本の大手デベロッパーは〈古くからの街並み〉というものに、文化財的価値を認めず、かたっぱしから「再開発」という名の「環境破壊」をくり返しています。
港区麻布もそうですね、麻布我善坊町、麻布飯倉町1~3丁目、6丁目、さらには麻布飯倉片町、麻布狸穴町なんてステキな町名があったのに、それらは、1974年に麻布台1丁目〜麻布台3丁目という何とも無機質な町名に変わりました。
さらには、森ビルは、1989年から約300人の地権者を追い出して(森ビルのサイトには「立場や事情の異なる約300人の権利者の方々と粘り強く議論を重ね、計画を進め」たとあります)、2019年夏に“再開発”工事開始。そして2023年11月には、得体のしれない複合施設「麻生台ヒルズ」がオープンするそうです。いま、そのエリアに足を運ぶとスゴイですよ…。以前の街並みが跡形もなく破壊されています。以前あった、抜け道や小道のたぐいもすべてつぶされているのは驚きです。
シリアのアサド大統領は、かつて反政府勢力の拠点と目される村を全村破壊して、その上をコンクリートで“整地”してしまいましたが、いまの日本の“再開発”って、それと変わらないところがありますね。
「古い町並み」も「古い町名」も、お金にならないと見るや(その文化的、歴史的価値には見向きもせずに)破壊する…、国は、民間業者の言いなりになってしまって、そういう文化財を保護しようという気すら無い。日本は(文化的には)たいへんな後進国ですね、アメリカ等とはちがって長い伝統や文化もあるのに…、とっても残念です。
※明里さんの「訪問日」が「2022年4月」。まだ周回遅れが埋まりません(涙)。