鴨川「和泉公会堂」国登録有形文化財の大正期の公会堂が現存 -鴨川⑿
国登録有形文化財に登録された「和泉公会堂」。大正期の公会堂として現在も受け継がれている。鴨川市を代表する近代建築、ここは必ず見に行きたいと思っていた。
東条~和泉地域へ(鴨川市)
県道181号を東条~和泉地域へ西へ向かって自転車を漕ぐ。前回の東条の街並みも良かったな~
和泉公会堂へ、県道181号を途中で北側に折れて向かう。
田園風景!絶好のサイクリングロードだ。風がなんて気持ち良いのだろう。
遠くに見える山は鶴見城跡らしい。さらに待崎川を辿れば、粟斗温泉。遠いと思っていたけど電動自転車があれば温泉行って駅へ戻るのも楽勝かも。次回試してみよう。
田園地帯に見えたお寺。
長泉寺。以前は山門が傾いていたそうだが補強された様子。
仁王門の先には大きな蘇鉄。房総らしい?お寺の雰囲気。
和泉公会堂(国登録有形文化財)
千葉県鴨川市和泉1612。長泉寺のすぐ近くにある「和泉公会堂」。特に観光客用の駐車場等は無いので注意。辺りは静かで誰にも会わなかった。
平成28年に国登録有形文化財として説明看板が設置されている。
鴨川市内域で最初に耕地整理事業(土地の交換分合、区画の変更、道路や排水の整備等行う事業)を行った和泉区では、住民が一堂に会する施設が必要だということで大正10(1921)年に和泉区公会堂が建設されました。
耕地整理の記念碑的建造物でもあります。瓦葺寄棟屋根の主屋の外周に庇を差出しており、正面中央にムクリ入母屋の車寄玄関を張り出した和風公会堂建築に共通した形態をとっています。
明治42年に竣工した耕地整理事業、その完成を機に大正10年に建設された記念碑的な建造物とのこと。
公会堂の入り口脇には大きな耕地整理竣工記念碑も。
建築の解説は「近代建造物調査一覧及び個別解説」が詳しい。昔の写真も載っている。
寄棟屋根の母屋に下屋を付けた,大規模な和風の建物である。入母屋屋根をのせた車寄せを中央に置き,左右対称の構成をとる外観は,独特な雰囲気を作り出している。公会堂という新しい用途を持った施設でありながら,和風の建築となったのは,内部を畳敷きにすることによって,さまざまな利用の要求に応えようとしたことと関連があるのかもしれない。
板敷きの廊下に囲まれた,広い50畳敷きの大広間端部には演壇が設けられていて,住民の格好のコミュニケーションの場となったことであろう。演壇の裏側には,小さな和室等も設けられている。
普段は目に触れない小屋裏に回ると,巨大な梁等の構造材が過剰なまでに入れられており,大変な迫力である。規模・形式・用途を総合してみれば,他にあまり例のない貴重な建築物といえよう。[江口]
木造二階建て、50畳敷きの大広間内部も気になる。訪問時は閉まっていた。
現在も定期的に活用されているのかしら。誰かいらっしゃったらお話伺いたかったのだけれど…遭遇できず。
でもはるばるサイクリングで来てよかった~ 写真で見るよりも大きい!立派!
そしてここは、「和泉の三役」という市指定無形文化財のお祭りの会場にもなっているそう。
記事更新日:2023年9月12日
謎の風邪(コロナでも無くインフルでも無いという結果に)に冒されて、1週間ほど寝込んでいました。咳が酷くまだつらいですが、やっとパソコンに向き合えるように。早く旅に出たいです。マスクもしていましたが流行っているようなので皆さんもお気を付け下さい。
(訪問日:2022年4月)
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千葉県と言えば「TDL」とか、鴨川と言えば「シーワールド」とか、まるで千葉県には、そういう遊興施設しか無いみたいにかなりの人が思っているようですが、もっと日本国民は明里さんのレポートを読まないとダメですね。
それにしても、鴨川に、こんな立派な公会堂があったとは。
そして、この木造建築、築100年でありながら、手入れをすればまだまだ使えるのです。こういうものを大事にしないで、口先だけで「SDGs」とか言っている人の気が知れない、そんな横文字は使わなくていいから、お願いだから、わたしたちの身の回りにある文化財を大切にしてくれぇ~♪