巌根駅周辺の街並みと近代建築|木更津の第二海軍航空廠防音運転場跡

巌根駅周辺の街並みと近代建築|木更津の第二海軍航空廠防音運転場跡

今回は、木更津のJR巌根駅にて下車。2022年夏、青春18切符を使って前回の長浦駅~内房線、その後久留里線を旅する予定。

巌根駅は近くに近代建築も残っているので必見。

JR巌根駅とその周辺の歴史

青春18切符を使って内房線の旅。袖ヶ浦駅は通過。

袖ヶ浦駅

駅前にショッピングモール、見た感じだと古いもの余り無さそうだと思い、まだ降り立ったことが無い。もしおススメの場所がありましたら教えてください~

南口のロータリー

そして、袖ヶ浦駅の南側にある駅「巌根(いわね)駅」へ。
千葉県木更津市岩根3丁目。

巌根駅

角川書店『日本地名大辞典』によると、昭和17年までの旧巌根村。

明治29年にノリ養殖事業開始。昭和7年木更津海軍航空隊の敷地竣工。同11年航空隊開設、同16年に高柳に海軍航空廠設置。同年国鉄房総西線(現内房線)巌根駅開設。

開業は昭和16年。近くの「海軍航空廠(現航空自衛隊木更津駐屯地)」からの要請で開業されたらしい。この後、その関連施設にも行くが納得の近さではある。

駅名の巌根、そして現在の地名は岩根。簡略化されたようだ。

現在 木造駅舎が現存

開業時から変わらない木造駅舎。赤い屋根が印象的なのだが、もう少し遠方から撮影すれば良かった…今度は駅舎を撮影しに降りるか。
現在は駅前広場が整備されている。

 

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巌根駅前商店街の街並み

海軍の要請により設置された巌根駅。駅西側の出入口から300mほどの近さに海軍航空隊の航空廠跡が現在も残っているので、駅から歩いてみた。

駅前ロータリー

2012年のストリートビューの同じ場所。

「巌根駅前商店街」のアーチのような建造物が両再度に。ロータリーが整備される前は商店街の看板も出ていたのか…

駅前の角には「巌根駅に快速を!」との看板。

巌根駅に快速を!

調べると、快速停車にまつわる議論としてWikipediaにも載っているくらい有名なようだ。東日本大震災の影響で実現していないとは…

駅前ロータリーから緩やかなカーブを描き、南へ。駅前の松葉寿司は宴会も出来る大きなお寿司屋さん。

松葉寿司

現在はあまり古い建物が残っていないが、商店街としての名残を感じる店舗跡がある。

その中で印象深かったのが「堀口商店」。

堀口商店

左側がたばこ売り場なのだが、巻きたばこも売っているらしい。右側が本業の海苔販売!明治から海苔の養殖事業を行っていた旧巌根村。その名残かな?

海苔の話、今度聞いてみたいな。

「ミヤビ」は模型店。昔ながらの小さな模型店、営業していることに驚き。

駅前通りの突き当たり、ここを左折してJRの踏切方面にも商店街のような雰囲気が残っていることに記事を書いていて気付く。

薬局 突き当たり

というか、踏切を超えた東側の方が商店街のメインストリート?2012年のストリートビューには街灯と店名看板、さらに古い商工案内図も見える。

 

しかも、その先に「岩根中央通り商店会」の街灯アーチが今も残っているようだ。これは再訪しなければ!

 

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巌根駅近く  第二海軍航空廠防音運転場跡

そして今回の目的地である戦跡へ。先ほどの突き当たりの丁字路を右折すると見えてくる。現在は「木更津倉庫株式会社」として使用されており外から見学した。

木更津倉庫
こちらは新しそう

冒頭で巌根駅設置のきっかけとなった、木更津海軍航空隊。その北側に、海軍航空廠に関連する建物が現存している。

海軍航空廠 一部現存

その詳細が「第二海軍航空廠 -巌根、八重原、佐貫地下工場 木更津市、君津市、富津市に残る航空廠跡を紹介。」に詳しい。

海軍航空廠とは、海軍航空隊で用いられる軍用機の製造、部材の調達、保管、各種修理などを行なっていた工場兼倉庫とでもいうべきものであった。

昭和16年に、第一海軍航空廠が霞ケ浦に、第二海軍航空廠が木更津に設置されたという。その敷地は現在、航空自衛隊や民有地となっているが、一角が民間の倉庫として利用されており、一部当時の建物が残っている。

こちらの凹凸があり蔦が絡まった建物が当時の「発動機防音運転場」だそう。

発動機防音運転場

戦跡としては綺麗な状態で残されている。窓枠も上部も補修されていて、写真映えする戦跡… それもそのはず、現在はハウススタジオ「ZERO NOIR (Pilot’s)」として活用されているらしい!

ヨーロッパの古い工場や廃墟を思わせるインダストリアルなスタジオ(studio DATEBASE)

ハウススタジオとして情報が公開されているが戦跡としては紹介されていない。本物の戦争遺産なのだが、それを認識して使用している人はどれほど…

正面からしか見学できていないが、スタジオとして借りれば建物全体を見学できるのだろうか。裏側、全体的にも見学してみたい。

一部補修されている様子

 

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そして、私が今回の戦跡を知るきっかけとなった本がある。

さらに深堀したい方向けに八重原分工場についての記載があり、千葉県内の戦跡について詳しく載っており読みやすいのでおススメです。

『学校が兵舎になったとき―千葉からみた戦争一九三一~四五』

 

(訪問日:2022年8月)

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