避暑地として親しまれた民宿街。菊池寛など多くの文人墨客が訪れた町 -岩井⑶

避暑地として親しまれた民宿街。菊池寛など多くの文人墨客が訪れた町 -岩井⑶

南房総市、JR岩井駅周辺を引き続き探索。

戦前から避暑地、戦後は海水浴客に親しまれた岩井海岸の現在を辿ります。

岩井駅 国道127号線沿い

千葉県南房総市高崎。前回国道沿いの菓子店に立ち寄った。高山製菓の周辺も路地を入れば多数の民宿が軒を連ねている。

国道もさらに南下していくが、この辺りで海岸の方へ行き、駅へと戻ることにした。

国道127号沿い

国道沿いの際に建つ蔵が気になる。

現在は使われていない?

「こんどう」。元商店だろうか。この辺りは商店街といった大きな商圏ではないが、民宿に泊まる人向けのお店が並んでいたと菓子店で伺った。

こんどう

この国道をさらに行くと、旅館弁天鉱泉という宿があるのだけれど車が無いと歩いて行くのはちょっと遠い。

国道を南へ

3代つづく老舗らしい。

ホームページに由来が記載されている。

■弁天鉱泉の名前の由来
治承の昔、源頼朝が、当館の下の海岸線を通過する際、池で手を洗い、その時
海上はるか江ノ島を眺めると、神霊が現れたのでこの地に、弁財天を建立したと
伝えられています。 弁天鉱泉は、その頼朝伝説に因んで名付けられた温泉宿です。

テレビでもよく紹介されているらしい。今度泊まりたいな。

海岸の方へ

岩井川を渡って岩井海岸へ。

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菊池寛の石碑

岩井川の近くに駐車場があり、周辺のマップも設置されていた。

説明看板

穏やかな岩井海岸。夏になると臨海学校や海水浴客で賑わうようだが、この日は冬なので静かだ。

岩井海岸

岩井海岸には、昭和初期によく訪れていたという菊池寛の碑も建っていた。

菊池寛の歌碑

看板の説明が詳しい。

菊池寛の石碑 説明

菊池は、高崎の米屋旅館(現在は廃業)に滞在中、館主の求めに応じて「遠浅の海きよらかに子等あまた群れあそびゐる岩井よろしも」と詠んだ。JR,岩井駅前とこの海岸に石碑があり、多くの文人墨客が訪れた岩井の海のにぎわいを示している。

高崎は、先ほど歩いていた高山製菓の周辺の地域。米屋(よねや)旅館の存在が気になるが、調べても情報が無いので廃業して久しいのだろう。

海岸から民宿街へ。

民宿街へ行く

映画に出てきそうな木々に囲まれた小路を歩いていると、心が穏やかな気持ちに。多くの方が避暑に訪れたのも分かる気がする。

民宿へと繋がる道
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岩井の民宿街を散歩

民宿街の案内看板。海岸沿い、北から南まで多数の旅館が営業していることが分かる。

民宿街ご案内

とりあえず時間が許す限り民宿街を歩いてみよう。

民宿街へ

まず見えたのは民宿「松山荘」。

松山荘

岩井海岸まで80m
歩き始めたら、そこはもう砂浜

ホームページにある文に惹かれる。

建物外観
離れにある浴室

Googleマップには看板には載っていない、今は営業していなさそうな民宿の看板も多数見かけた。

治郎兵衛
閉業?

そして細い路地がたくさんあり、迷路のような民宿街に迷い込んでしまったかのよう。

あおき

 

治郎吉

こちらは、展望温泉付きのコンドミニアムホテル グランビュー岩井。まるでマンションのような外観、というのも家具付きの『マンション式貸別荘』をコンセプトにしたコンドミニアムホテルとのこと。

コンドミニアムホテル グランビュー岩井

Googleマップの口コミが約700件!人気のホテルのようだ。

近くには八幡前酒店。今は閉業している。この奥に八幡神社があることが店名の由来だろう。

右 八幡前酒店
地酒…

魚屋さんが営業している伝次郎館。

伝次郎館

寿司屋「むつき」はオシャレな鮨ダイニング。

むつき

ランチ・ディナー共に営業中。ホテルから近いのでゆっくりできますね。

営業中

体育館や道場完備の北原館。

北原館

スポーツ合宿に最適な民宿!4棟あり最大155人まで宿泊が可能だという。

体育館
ダイヤのデザインの手摺がオシャレ
アンパンマンだ

井野酒店の看板。種類いろいろのソフトクリームが気になる。

井野酒店の看板

お酒メインでアイスとお菓子を販売しているそう。裏も民宿。

裏が民宿

黄色いビルは、民宿「甚五郎」。

甚五郎

少し先に同じ名前の旅館があった。先ほどの建物が本館で、下の写真は別館として「南房総網元の宿 甚五郎」営業しているようだ。

南房総網元の宿 甚五郎

本館は外庭にモダンな雰囲気の浴室があるそうで気になる。

また、古びた久枝第三部落観光案内図。部落…

久枝第三部落観光案内図

天満神社の東側に火の見櫓と書いてあるが今は現存していない様子。

現在地

また、久枝から国道127号沿いに出て北側に「富山町役場」があったようだ。民宿の看板だが周辺の昔の情報を得ることが出来て嬉しい。

町役場も

現在は介護施設「夕凪の郷」に。富山町の中心は駅近くの通りだったのだと分かる。

 先ほどから目印にしている天満神社。

天満神社

一番奥、小高い丘陵に建つ社は、遠くから見ても見事な彫刻があるのがわかる。

天満神社 本殿

そしてなぜか天満神社と書かれた石柱が生垣に埋もれている…安定性は高くて良いのかもしれない。

埋もれた柱
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レトロな岩井海岸 海の家

最後に天満神社から駅へと戻る途中の東側で見かけた建物が気になる。

裏門

表門に回ってみると、時代を重ねてきた石造りの門柱と木造二階建て。この日歩いていて一番古いと思われる建物と遭遇して嬉しかった。

岩井海岸海の家

門柱にもあるが「岩井海岸海の家」で、多数の会社の研修所として使われているようだ。

門柱

検索しても情報が無いが、戦前の避暑地としての面影を残す唯一の建物なのではないかと思った。岩井を歩いていても戦後に建てられた民宿が多かったので一際目立つ。

富山町の表札

駅へ戻るため、国道127号へ出る。

国道127号

最後に国道沿いで気になった建物。

縦長い窓が並ぶ白い建物。元郵便局のような外観だなと思った。町役場が近かったので郵便局が存在してもおかしくはないと思うが。

沼福酒店 営業中

酒屋の隣には喫茶・お食事「しんべえ」。

 

しんべえ

岩井の民宿街探訪、これにて終わり。冬だったので今度は夏に訪れたい。

(訪問日:2022年1月)

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