若宮松の湯|市川市若宮の老舗銭湯.2022年12月をもって閉店
市川市若宮に存在した銭湯「若宮松の湯」。2022年12月26日をもって閉店とのことで、閉店前、2022年10月に入浴。京成中山駅から歩いて向かいました。
市川市若宮「松の湯」閉店前に
千葉県市川市若宮3丁目1−3「松の湯」
若宮の松の湯、以前目の前まで訪れたことがある。その時は若宮の商店街を歩いた帰りで、外観だけ撮影していたのだった。新しそうだし、すぐには閉店しないよな~と勝手に思っていた矢先の閉店だった。
「若宮松の湯」市川市若宮の銭湯、年内で閉業予定。文化財「中村家住宅」
仕事終わりの平日。京成中山駅から歩いて20分くらいだろうか。2022年12月26日で閉店とのことで、混む前に入浴に行きたかった。
ビル型の銭湯になっていて、銭湯入り口は二階。本当にお風呂に入れるのか…普通のビルの入り口みたいな階段を登る。
二階の入り口には温かな光。そしてお客さんと女将さんの声が聞こえて安心する。
創業から70年。今のビル型に建て替えて50年だという。
若宮松の湯の思い出
フロント式で女将さんが温かく迎えて下さるのでほっこり。
常連さんが多いのか賑わっていた。
三代目の女将さん、私の服が素敵ねえとにっこり褒めてくれるのが可愛い。
「昔は15時から沢山お客さんが来たのよ」と。
左側が女湯。脱衣所は広々としており、中央に長椅子、ソファー席、テレビが設置されている。
浴室は入ってすぐ左にサウナ室と浴槽。洗い場は仕切りがあってコロナ禍でも安心のつくりだったな。
水風呂と二種類のお風呂。井戸水を使用しているらしく、そのせいかとても気持ち良かった。清潔で明るい浴槽だし、ついつい長風呂してしまう。
ここが閉店か~としみじみしながら女将さんと挨拶をして松の湯を後にした。
余談:
2022年の銭湯フォーラムに当選したので参加してきました。倍率高かったので母当選せず一人参加です。
銭湯絵師丸山さんのライブペイントを生で見学できました。
(訪問日:2022年9月)
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寂しい…の、ひとこと。
銭湯って(世界に誇れる)日本の文化だと思うのに、その文化的(かつ歴史的)価値が無視されて、そういう【文化施設(=生活文化施設)】が無くなっていくのが、とっても残念です。
もちろん、ひとりの「銭湯ファン」である(から寂しい)ということもありますが、日本古来のよいモノが、経済的視点から次々と切り捨てられていく今の社会のありようを、わたしはとっても疑問に思います。
最近、政府が「町の書店」を(うまく経営していけるように)支援する…なんて言い出しましたが、銭湯だけではなく、町の八百屋さん、魚屋さん、床屋さん…そういうものを、きちんと保護しないで、どうするのでしょう。自国の産業を守るために、「関税をかける」ように、自国の産業(→個人商店、個人経営の銭湯等の文化施設)を守るために、先手先手で手を打っていかないと。
ニュース等でも「年々、銭湯はへり続けています」なんて、涼しい顔をして伝えています。
銭湯のような文化施設(人々の交流の場、魂の湯治場)が無くなったら、わたしたちの社会はどうなっていくのか…「社会の木鐸」を自認するなら、もっと深い視点から論じないと…。
銭湯の無い町、古本屋さんの無い町、そして、商店街の無い町…というのは、異常です。駅前には、チェーン店がひしめき、深夜までコンビニでモノが帰る、人々は駅前から家に帰るまで人と視線を交わさずに終始無言。レジでも、どこでも無言でスマホをかざして用が足りる社会。そんな社会だから、年間2万人もの人が、自死するのではないでしょうか、だれともつながらずに、孤独を深める…今のニッポン。