潮来「あやめ旅館」。あやめ楼を営んでいた旅館で遊廓の資料と当時の様子を伺う -潮来⑵

潮来にある「あやめ旅館」。元遊郭に関係する旅館ということもあり、資料を見学させていただいたのだが、予想外に昭和レトロコーナーが充実していて、旅館としての魅力も紹介したいなと思いました!
潮来「あやめ旅館」へ
茨城県潮来市潮来108−24。JR鹿島線「潮来駅」西側にある、「阿や免旅館」。正式名称は「阿や免旅館」だが、記事中では「あやめ旅館」と書きます。

政府登録の文字がある看板も今は珍しいのでは?!

「水郷潮来観光協会」のホームページに紹介されている。
水郷潮来随一の老舗旅館。水戸光圀により作られた潮来遊里街で遊郭「あやめ楼」「引き手茶屋中村屋」を営み現在に至っております。潮来の風情を詩に託した詩人 野口雨情がお泊りになった、老舗の宿です。
潮来で最も古い旅館。建物自体は比較的新しいが、歴史好きな方に刺さる旅館だと思う。

ホームページに、あやめ旅館の今昔写真が載っている。
旧の木造旅館は3階建て!?なんて立派な旅館なんだろう…

今回は、潮来遊廓を調べている過程で、旧あやめ楼は焼失してしまったが、関係のある「あやめ旅館」に資料が展示されていると聞き、ダメ元で取材に…

遊郭を調査していて、と話すと快く資料を見せていただいた。なんて優しいんだろう!
「あやめ旅館」と潮来遊廓
関東三大遊廓として繁栄した潮来遊廓についての詳しい記事は前回紹介したので合わせて→https://deepland.blog/ibaraki-yuukaku/

「あやめ旅館」は、引手茶屋、遊廓「阿や免楼」を経営、その後、遊廓と併行して旅館「阿や免旅館」を経営していた。
遊廓の方は昭和30年代頃に消滅、現在は旅館のみ。

妓楼の建物は焼失してしまい、資料がほとんどない。そのため、ここにある資料のみらしい。
遊郭に携わっていたからこそ知っている遊廓の真実。

突然の取材だったけど、貴重なお話を伺えてよかった。前回の記事にまとめています。

昭和レトロコーナーも充実!
※通常は宿泊者のみ見学可能
1階ロビーには、遊廓の資料だけでなく昭和のグッズも!

水郷潮来の変遷も知ることができる。今は想像できないほど、街中が川で舟で移動していた時代。趣があったんだろうな~

昭和グッズがたくさん!さすが老舗旅館…

これは、タイプライター?本物を見るのは初めてだ!

昔、旅館で使われていた貴重な品々。丁寧に保存されていて嬉しい。

また、何気なく机を見たらゲーム卓だった!トランプのゲームみたい。

「思い出資料館」と名付けられている。懐かしい方もいるかな?

入り口入ってすぐのところは、昔のパンフレットを見るとお土産コーナーだったそうだが、今はコレクションが展示されている。



ああ、ビクターのニッパーくんも!

皆さんも是非宿泊してみてください!
「あやめ旅館」の現状
歴史ある「あやめ旅館」もコロナ禍でかなり苦しい状況らしい。コロナになってからお客さんが全然来ないという。

さらに、コロナ以前には、台風による影響で川に停めていた船が全部流されてしまったらしく、水郷潮来としての未来も厳しくなっていた。

周囲にもいくつか老舗旅館があったが、廃業してしまい、今は廃墟状態に…
遊郭の歴史を持つ「あやめ旅館」も、訪れた日はとても空いていたので心配だ。お近くの方はぜひ…私もあやめの時期に関係なく、今度宿泊したいと思っている。
(訪問日:2021年5月)
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