石岡駅前の商店街「御幸通り商店街」と近代建築 －石岡⑺
茨城観光の帰り、少し時間が余ったので、近代建築がたくさん残っていることで有名な石岡へ！
以前記事にまとめたが、今回は未探索の場所をメインに1時間ほど歩きました。以前の記事→石岡の看板建築 ！昭和レトロの街並みが残る看板建築の聖地”石岡” -茨城⑹
常磐線「石岡駅」の木製看板
茨城県石岡市国府１丁目１。常磐線「石岡駅」へ到着。前回は車で石岡に訪れたので、石岡駅で降りるのは初。
改札の上に木製の「石岡駅」の看板があるのが気になった。旧駅舎で使われていたものだろうか？
説明看板が丁寧に設置されているのも嬉しい。
木製の駅名標は、駅舎橋上駅舎化工事に合わせて旧駅舎より移設、徳富蘇峰が書したものを彫刻にしたものだという。
昭和26年（1951）、当時の石岡駅長らの要望で徳富蘇峰に書いてもらったもので、同様のものが常陸太田駅にも掲示されているとのこと。今度見に行ってみたい。
橋上駅舎化工事は、平成27年（2015）から始まっている。東日本大震災によって線路のゆがみやホームの破損など甚大な被害を受けたそうだ。
2013年のストリートビューを確認すると、西口のロータリーがまだなく、昔ながらの小さな駅舎が映っている。
御幸通り商店街
石岡駅西口、駅前のビル右手はお土産店「大形屋駅前本店霞ケ浦名産店」。
駅前通りを歩いて近代建築探しに。
駅前通りの一角の石碑に、「御幸通り商店街」と書いてあった。平成30年には酒場めぐりが行われるなど、商店街のイベントが定期的に開催されているようだ。
駅前は無電柱化されており、広々とした印象を受ける。
駅近くの居酒屋に貼られたホーロー看板。塩の看板自体はよくあるけど、百年プリントが書いてあるものは少し珍しいですね。
2013年のストリートビューを眺めていたら、居酒屋があるビルの隣に2階建ての木造建築が映っていた。株式会社丸久鐵工所の建物。現在は駐車場だ。
駅前通りが広い印象を受けたのは、こうした昔からある建物の多くが駐車場などになっているからだろう。
石岡駅前の看板建築？
暫く歩いていると左手に看板建築のような建物…
薄いピンク色の外観。1階は「えんや」というお店が書いてあるが現在は閉まっている様子。空き店舗かな？
拡大してみてみると、二階の窓上にリボンを巻いたかのような意匠が付いている。
気になったので近づいて見ると、裏側は木造建築だ。駅前通りに残る貴重な戦前築の建物…
石岡駅は明治28年開業、駅前通りは昭和4年（1929）に整備されたのでこの建物は1929年以降に建てられたと考えられるとのこと。
石岡の看板建築は、メインストリート以外にも残っているなと実感した。見落としている人も多そうだ。
駅前通りに戻って、東日本銀行隣の木造建築。どのようなご商売をされていたのだろう。
斜め向かい辺りにある、第14SYビル。看板の多くが白くなっているが、アーチ看板もあって賑わっていたと思われる。
上はマンションになっており、1990年に建てられた。アーチの看板、よく見てみると「パチンコ カラオケ」と書いてある…
また、手前の看板には「ビアホールアサヒ」。
2013年のストリートビューを見ても現在と変わらない様子なので、全盛期は20～30年ほど前かな。
他にも裏通りで飲み屋街のような看板を発見。
矢印がついた大きな縦看板。野口ビルの看板だが、パブやスナックなどの艶やかな店名が並んでいる。
石岡印刷の建物
詳細は分からないが、「石岡印刷㈲」の建物も歴史を感じる。
入り口の屋根、持ち送りの飾りも綺麗だったのに近づいて撮影しなかったのが悔やまれるな。
そしてしばらく進んだ裏道、元自転車屋さんの建物が蔦に覆われてしまっている。
丸いレトロな街灯が残っていた。金丸通り方面は、後で探索する予定…
そして駅前通りがそろそろ終わる頃、右手に見えた小さな建物が気になった。
数年前まで手前にあった壁がなくなり、奥にある蔵が見えるようになっていた。また、左手前にある三角屋根のような平屋も気になる。
かつては4軒ほどの小さなお店が入っていたようだ。一番左の水色の木製扉の店舗を見ると…
「石岡商工会議所会員」の看板。比較的新しく感じるので最近まで営業していたのかなと思う。
消えかかっているが、「鶴屋」の文字。
鶴屋商店？調べても分からなかったが、こういう小さな歴史には目を向ける人は少ないのだろう。この場で記録に残しておきたい。
（訪問日：2021年8月）
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