総武本線「飯岡駅」。周辺の商店街、浅間神社。「木の葉パン」が気になる -飯岡⑴
総武本線の旅。今回は旭市の「飯岡駅」で下車。周辺の神社と商店街を巡ります。
駅前には古い石蔵と近代建築らしきレトロな建物が残っている。その歴史も探ってみたい。
総武本線「飯岡駅」
千葉県旭市後草。総武本線「飯岡駅」にて下車。ホームの下部が煉瓦積みですね!
明治30年(1897)に開業しているので、煉瓦は開業時のものかな…
駅名は海岸沿いにある飯岡地区である旧飯岡町に由来している。が、当時、汽車の煤煙などを理由に住民の反対運動があり飯岡町の中心街から離れた現在地に駅が設置されることになったという。
県内では他にも同じ理由で駅が市街地から離れた場所にある街があるが、現在は交通の便が悪くて…
飯岡漁港周辺の神社や商店街もいつか行ってみたい。調べると、飯岡駅からコミュニティバス(東西線)が基本運賃200円。行けそう。
ホームから見える石蔵は次回の記事にて。
駅舎は、平成9年(1997)に現在の鉄筋コンクリート造に。
飯岡駅周辺の商店街
まずは、飯岡駅の南東エリアを探索。
銚子信用金庫から東側をまずは歩いてみます。
電気屋・青果店などいくつか個人商店跡を見かけたが、今は住宅が多い。
砂場食堂、蕎麦屋「矢指家」など飲食店もかつてはあったようだ。
2012年のストリートビューを見ても閉まっている店舗が多いのでどんなお店が営業していたのか…
そしてしばらく行くと右手に営業している一軒が!菓子店「浪川製菓」である。
看板には「赤飯・木の葉パン」とある。
「木の葉パン」は銚子で見かけたことがあるが、旭市でも販売されているとは知らなかった。木の葉パンを巡る旅、というのもアリだなあ…
商店街が途絶えているようなので、引き返して南側の裏道を通って駅へ戻ることにした。
古い街灯の看板が残っていた。既に商店街の名称は分からなくなっている。
裏通りにも商店が。こちらは米殻・食料品を扱う「勝部商店」。営業中。
その他、営業しているお店は無く。立派なお寺のような建物に見惚れた。
後草「浅間神社」
商店街が全然残っていないな…と思いながら歩いていると、住宅街の間に神社を発見。
周囲の土地よりも小高い丘の上に建ち、公園を併設した「浅間神社」。
駅前通りではなく、一本裏道に面している。
奥には「日清・日露 戦没嚶鳴村従軍記念碑」。上部が一部欠けているが、健在である。
嚶鳴村(おうめいむら)は、千葉県海上郡に存在した村で昭和29年に廃止に。
現在、飯岡駅が設置されている辺りは飯岡ではなく、嚶鳴村という別の町であることが碑からも分かる。
境内にはもう一つ碑がある。
こちらは、昭和三年六月に建立されたもので、総武鉄道に関する内容であることは分かるがイマイチピンと来ない。
神社を後にし、西側の県道210号へ。駅から南に伸びる通りだ。
恐らくこの通りが飯岡駅前の商店街のメインストリートだったのではないか。
先ほどと同じように、現在は閉まっているお店がほとんど…
倉庫と昔のままの店舗が残る建物は、おそらく現在も営業中?
店名は有限会社根本商店。
錆びている看板から、「銘菓 洋菓子 食料品 たばこ 雑貨」などの文字が読める。今思えば、入ってお話を伺ってみたかったな…飯岡駅前で一番古いお店だと思う。
周辺は空き地が多く建物すら残っていない場所が多い。
飯岡駅、かつてはどのような様子だったのだろうか。
(訪問日:2022年1月)
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明里さんでなければ書けないレポートでした♪
たとえば、駅のホーム下の「レンガ積み」に気がついたり、ふつうの人なら見過ごしてしまう街中の「街灯」を見て「商店街の名残り」と気がついたり、そういう明里さん独自の着眼点を、読みながら一緒に楽しめました。
それにしても、今…日本では恐ろしい事態が発生しているのですね。都会でも「シャッター通り」化が問題になっていますが、今や、自治体レベルでの「シャッター通り」化、つまり「廃村」化が進んでいるという事実です。
ヨーロッパ等でも、「レトロな街並み」というのは見かけます。
でも、ヨーロッパの場合には、人々が、そういう古くからの街並みを大事にして、その先祖代々伝えられているもの(例:古い建物)にちゃんと住んでいるのです。でも、日本の場合は(都心の建物を見てもわかりますが)「建物」すら“使い捨て”ですよね…。造っては壊し、造っては壊し…。まだまだ使える鉄筋の建物を「老朽化」「耐震上の問題」「維持費の方がかかる」「再開発」…、こういう美辞麗句で取り壊しています…。恐ろしい事態だと思います(⇒建物も使い捨てだから、当然、人間も使い捨て。年間2万人の自殺者があるということは、毎日54人の人たちが命を絶っている計算になる…毎日54人!!)
言ってみれば…ヨーロッパの街並みって「おじいちゃん、おばあちゃんが、子どもや孫に囲まれて、平和に余生を過ごしている」という光景です。けれども、日本の場合には、おじいちゃん、おばあちゃんが、遺棄されて、街道沿いに行き倒れているような感じすら受けます…。
「レトロ」なものでも、そこに人々が生活しているからこそ、意味があるのであって…、日本の場合、どうかすると「レトロな風景」=「廃村の光景」ですもんね…。現実の光景を写真で見ながら、…何だかとっても考えさせられました。