JR成田線「布佐駅」東口の商店街。布佐名所案内から見る今昔 -布佐⑴

JR成田線「布佐駅」東口の商店街。布佐名所案内から見る今昔 -布佐⑴

今回から、我孫子市布佐の記事シリーズが続きます!利根川沿いで古くから栄えた水運の町・布佐。

その歴史と史跡を巡りながら、布佐の繁栄を窺う旅。布佐は何故か個人的にも惹かれる街並みと歴史があります!

布佐駅東口・布佐の歴史

千葉県我孫子市布佐。JR成田線「布佐駅」東口にて下車。西口はまた今度、旧井上家住宅で探索予定。

布佐駅東口

明治34年(1901)開業の布佐駅。現在は橋上駅舎で広々とした駅舎が印象的。

布佐は、利根川右岸に位置し、かつては渡船場があり水運の町として知られていたが宅地開発が進み現在は住宅都市に。

角川書店『日本地名大辞典』によると、布佐の地名の由来は「総ふさと同音で、麻の生育した所に由来するという。」布佐の地名自体は平安期から見えるそうで、昭和30年まで布佐町が存在した。

寛文11年の利根川除堤の完成を期に、主たる村落は台地から堤敷沿いに移り、村の性格も農・漁村から、水陸交通の要衝に、また六齊市でにぎわう町に変化した。

寛文11年は1671年。江戸時代初期から布佐は水陸交通の町として賑わい、宝暦13年には造酒屋が3軒、幕末には勝蔵院に寺子屋も。明治24年の物産としては、米・麦・大豆・桑葉・繭・清酒・味噌・製藍(東葛群誌)だそうだ。清酒に味噌、現在は存在しないがまた調べたい。

布佐駅ロータリー
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布佐古写真と現在

そして以前載せた湖北駅での布佐駅の古写真を再掲。見比べてみよう。

布佐駅

布佐駅前通り沿いにはレトロな街灯が並んでいる。左手のアンデスハムの看板がある精肉店「とり久」は現役。右手の電柱には「清酒花妻」。布佐の造酒屋で製造されていた銘柄かな?!

布佐駅前通り

駅向かい、現在は駐車場だが角に食堂が存在したんだなあ…

食堂から右手

下は、布佐本町通り商店街。現在の国道356号の街並みかな?

布佐本町通り

そして現在の駅前通り。道幅は変わっていないが店舗の看板も無くなりシンプルな風景になった。

現在の布佐駅前

中村哲夫さんの『千葉の建築探訪』にて、駅前通り左手前にあるピンク色の建物が「旅先で見つけた素敵な西洋館」と紹介されている。

 

建築家である建物のオーナーによって建てられたが、年代は不明とのこと。これは近代建築?と期待したが、上記の古写真には精肉店の隣には「くるまや」という別の建物が映っていることから、昭和45年以降の建築ということが分かった。

西洋館

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布佐名所案内(昭和12年)

布佐駅前の商店街を歩いて北側へ。今回、我孫子市教育委員会刊の「我孫子市史研究5 1981」を片手に布佐を歩いた。

分厚い本なのだが、その表紙が昭和12年に発行された『布佐名所案内』(明昭會)が使用されている。少し引用させていただきます。

『布佐名所案内』

その絵図は、布佐駅を中心に手賀沼と利根川に挟まれた布佐一帯が描かれており、西側は「布佐城跡」まで(後ほど探索)。

特に興味深いのは、布佐駅前の「信用組合」「役場」「公会堂」、そして路地に「花妻酒造」。駅前通りに布佐町役場や郵便局があり中心街だったことが分かる。また、造酒屋も場所を特定することは難しいが、現在のしまむらがある辺りかなと思う。その道には暗渠もあり、清酒を造る分には申し分が無さそうだ。

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精肉店「とり久」で食べ歩き

そして駅前にある精肉店「とり久」。

とり久

駅前で営業している貴重なお店。コロッケやハムカツなど、お惣菜を販売している。

販売中

商店街が繁栄していた頃から変わらないお店。駅前は市が買収したとかで空き地も。現在は学生さんが立ち寄ってくれたり、地元で人気のお店のようです。

焼き鳥の受付時間は15時~18時半。道案内、タクシーについても注意。

焼き鳥100円

小腹が空いたので串カツを1本120円ほどで購入。商店街で食べると美味しさ倍増!

 

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布佐駅前の商店街

布佐駅前の商店街の現在を歩きます。木製の扉の古き良き商家と言う雰囲気がある江丸屋。元化粧品店?

江丸屋

奥長い敷地

隣の空き地には「石井ストアー」という商店があったようだけど今は更地。2012年のストリートビューより

街灯に「布佐商興会」。商店街の名称だ。

布佐商興会

この街灯の裏にある建物、近くで見ていて気付かなかったが近代建築な気がする。

外壁は覆われているものの、屋根の軒下の下見板張りな雰囲気が隠しきれていない疑洋風建築って感じ…元々役場があった辺りかな?また調べたい。

こちらは閉業しているようだが、精肉店。

肉の桜屋

 

シャッターイラストが素敵

森田屋書店は閉業?週刊現代の看板も時代を感じる。

森田屋書店
週刊現代

こちらは、ファッションプラザあさうみ。閉まっている。

ファッションプラザあさうみ

古めの街灯を発見。商店街に1本だけ残っている様子。

 

レトロな街灯!

花形の街灯に消えてしまった店名看板!!よく見たら、「パチンコマルム」?

パチンコマルム?

手前のアパートの場所に昭和期にはパチンコ屋があったのかも。

街灯だけ今も残っていて嬉しい。

街灯の隣にある木造平屋建ての民家が古き良き布佐の歴史を物語っているようだった。

道路に面している

そして商店街を抜けると布佐駅入り口の交差点。今回は左折したが、直進すると郵便局の隣に洋館付住宅が残っているような気がする。

交差点

左折し、お昼を探してうろうろ。この辺りは「布佐本町」なのですね~

布佐本町

こちらは県道4号沿い。交通量が多くて渋滞している。

中華料理店
元飲み屋さんのような

そしてもう一つレトロな街灯が県道沿いに!

花形の街灯!

「野菜と果実 グリーンボックスイハラ」。青果店?

グリーンボックスイハラ

今は営業していなさそう?奥にある中華料理店でお昼を食べることにした。(現在は閉業に)

 

(訪問日:2022年3月)

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