内房線「保田駅前通り商店会」にある老舗「らかん寿司松月」が気になる
内房線「保田駅」で初下車!保田駅周辺は、旅館もあり、観光地として見所が多いので、今回はまず次の電車が来る1時間の間でサクッと駅周辺を探索しました。
保田駅と歴史
千葉県安房郡鋸南町保田、内房線「保田(ほた)駅」へ。
大正6年(1917)開業、木造駅舎ときっぷうりばの窓口が3つ、現在も残っているノスタルジックな駅舎。
追記:窓口について情報を頂きました。
1番窓口が通年開けていた全国への券売所。 2番3番は夏季の臨時窓口だったかな。3番は夏季の近距離切符のみ。2番はもう少し開いてたかもとのこと。
保田は”房総海水浴発祥の地”として知られ、明治期からの歴史ある海水浴場。海岸沿いの国道127号沿いに市街地が発達しており、そこを中心に民宿が分布している。
きっぷうりばだけでなく、伝言板も残っていた。
保田駅前には、鋸南町観光協会保田案内所が営業中。妙本寺砦と勝山城の御城印を販売、さらにレンタル自転車もあるらしいので、駅から少し離れた廃校を利用した道の駅保田小学校も今度行ってみたい。
かつて駅前に存在した休憩所。明治アイスクリームやスカットの文字は現在見えなくなっている。
こちらは2016年頃のストリートビューで営業していた、鈴木屋。
お食事、コーヒーと書いてあり駅前の喫茶店だったことが分かる。現在は閉店しており、駅前が少し寂しい。
保田駅前らかん寿司松月
鈴木屋の並びにある建物は三井薬局のビル。
街灯には「保田駅前通り商店街」。
駅前通りを歩く前に、細い裏道を歩いていたら古い広告が残っていた。
「らかん鮨 大衆割烹松月 大宴会場活魚」
入り口は表通りにある「らかん寿司松月」の裏口だった。裏側を見ると昔の雰囲気が残っている。コンクリート製の裏口がたまらない…
駅前通りの正面から見るとまるで新しいモダンな雰囲気!もしかしたら昔の建物を改装しているのかも。
ホームページを見ると、老舗寿司店であることが分かる。
らかん寿し松月は天然魚介にこだわる老舗寿司店です。鋸山の下のすし屋として「らかん寿し」の名代を当時鋸山日本寺の住職に戴きました。
また、大正13年頃・昭和6年の写真も掲載されている。
大正13年頃の写真は、親子丼・そば・天ぷら・天丼・仕出しなど現在の寿司店ではなく定食のような雰囲気。
昭和6年になると、そばの他に「西洋御料理 カフェー」と看板に書いてある。昭和初期に流行っていたカフェーは保田にも存在していたのですね…女中さんの姿と「CAFFE」の看板に時代を感じる。
そしてさらに詳しい解説。
(保田駅前らかん寿し松月の名前の由来)
お客様からの質問が多数寄せられますのでらかん寿しのらかん(羅漢)のお話をさせていただきます。
鋸山日本寺ご住職(田中常説師)と松月の初代が大変懇意にさせて頂いておりました当時、寿司屋を始めるにあたって名代として千五百羅漢像から【羅漢】の名を戴き【らかん寿し】を命名させて頂きました。初期仏教では修行者の到達し得る最高位を阿羅漢と呼ぶそうです。ご住職曰く、大勢の阿羅漢が店をお守りして下さるのだかららかん寿司が良いということでした。昔の日本寺には1500人以上の阿羅漢が集まっていたそうです。(女性が握る寿司屋で名を馳せた時期もありました)
当店は、女性が握る寿し屋が2代続きました。
昭和時代には、珍しいということで取材が多かったと聞いています。
保田駅前の老舗寿司店、現在も営業していて嬉しい。記念日とかに訪れたい名店!
保田駅前通り商店街
保田駅から、「保田駅前通り商店街」を南へ進む。
らかん寿司松月の裏手にある加茂神社。境内は綺麗に整備されているが、歴史を感じる狛犬が印象的。
駅前通りは、県道238号。駅からも良く見えるビルは三共薬局の建物で、昔は二階に三共美容室も営業していたようだ。
向かいは更地になっているが、2014年のストリートビューを見ると旅館のような木造建築が建っていた。
駅前旅館だったのかな…一足遅かった。
スナック喫茶ヤング。現在は営業している雰囲気が無い…
斜め向かい、角の蕎麦屋「福本」は営業しているようだ。旗が出ている。
この辺りは建物が並んでおり、往時の商店街の様子が分かる。
中央の「アルナ」という文字入りのマーク?は初めて見た。隣の建具店のシャッターに書いてある「川崎アルナ」と関係があるのかな?
並びには酒屋、和菓子屋「菊香堂」。手作り弁当・洋菓子の販売をしているそうだ。
今思えば入れば良かったなと思うが店内が暗くて営業しているのか不安だった。向かいには宇山薬局があったが閉店。
左手には新しく餃子専門店がオープンしているのが意外だった。
左に映っている鈴木商店。かつてはその隣に石造りの蔵が建っていた。
2014年のストリートビューで映っているが…
また、向かいには駄菓子屋の「文乃屋」、「かじまやフルーツ」。
パステル調で可愛いが現在は閉店している。交差点へ。
角にあるら店名が「角治郎」?角治郎商店はディスカウントストアーとして保田中央交差点のシンボル的存在。
保田中央の石造り蔵と銅板建築
保田中央、国道127号の交差点へ。この道は古くから外房と内房をつなく、鴨川市横渚~鋸南町保田の「長狭街道」だそうだ。
恵比寿屋の隣にある石造りの蔵。
裏側から蔵を見る。同じく鋸南町の鋸山で産出された房州石で造れた蔵かなと思う。
国道127号を少し南へ。錆びてしまっているが青銅が美しい建造物と遭遇。
表側だけでなく、裏にある住居部分と思われる建物もすべて青銅で覆われている。気になる…
国道から少し道をそれて裏道へ。松喜肉店、保田郵便局の裏道にはかつて「松の湯」という銭湯が存在したらしい。
以前、銭湯一覧をまとめたときに保田には3つ銭湯が存在したことを知った。そのうちの一つ。
現在は空き地になっている場所辺りだと思うが…
保田川手前の伝助菓子店。店名からして歴史を感じるが、この時は何故かスルーしてしまった…
保田川沿いには、鋸南町国民健康保険保険鋸南病院。国保鋸南病院とのこと。
菱川師宣誕生の地
再び保田中央の交差点へ。
交差点西側角に旅館「保栄館」とグーグルマップには書いてあるが、姿が見当たらず…
保田での目的地、菱川師宣誕生の地が国道127号沿いに。唐突に現れたのでびっくり。県指定史跡とあるが、隣の食堂が解体されて少し寂しい雰囲気。
1630年頃、浮世絵の祖として知られる菱川師宣は、ここ保田で生まれたという。
公園の奥に記念碑が設置されている。教科書にも登場する歴史上の人物が保田で誕生していたとは今まで知る由も無かったな。
保田中央海水浴場。澄んだ水色の海が目の前に。
海水浴場沿いの建物。この辺りにも銭湯が存在したらしいが…
保田、思いがけず駅前に素敵な老舗寿司店があったのでまた今度訪れたい。
追記:25年位前に保田を訪れていた方から「夢のカレー」というインパクト大な店名のカレー屋さんがあったことを教えていただいた。味と見た目は普通だったらしいが気になります。
(訪問日:2021年9月)
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貴重な駅舎ですね✨
「アルナ」と言えば、こちらでは「アルナ工機」が鉄道車両製作会社が有名でかつて「ナニワ工機」でしたが、アルミ製品を主力に押し出し「アル」ミの「ナ」ニワ」からアルナ工機になりました。
今は「アルナ車両」だったかな?
今回紹介されているアルナとは多分一切関係無いのでしょうが…。
蘊蓄の駄文失礼しました。m(_ _)m
阪急電鉄の子会社のアルナ工機ですね。アルナ工機はアルミサッシも製造していましたよ。30年くらい前にトステム(リクシル)に統合したはず。関連会社としてアルミ温室を作っているアルナグリーンが残っていると思います。ただあのロゴは見たことないなあ。川崎アルナが販売地域子会社か何かで独自のロゴを作ってたのかな。アルナ工機のロゴは阪急電車や東武電車の(古めの)車両やトラックのボディーで見られます。○の中にカタカナの「ナ」を配したマークです。
調べても分からなかったので助かります!!