本千葉駅近くの駄菓子屋「司商店」。人情味あふれる名店へ
本千葉駅近くで駄菓子屋「司商店」が営業している。元々駄菓子屋専門ではなく、商店として様々な商品を扱っていたお店で、お店の周辺の歴史も興味深く伺いました。
本千葉駅の駄菓子屋「司商店」
千葉県千葉市中央区長洲1丁目20−1。JR本千葉駅東口からすぐ近く、ファミリーマートの隣にある。
駄菓子屋探訪ブログで紹介されており、以前から気になっていたお店で、やっと今回お店に入る機会を得た。
自動販売機に隠れて店舗の入り口がある。扉の奥には看板猫?ちゃんがこちらを見ていた。可愛い。
最初は警戒している様子だったけど、私たちが長話をしていると度々登場する猫ちゃん。店主のおじいちゃんにべったりで可愛かったな~
駄菓子屋「司商店」の店内
店内はあまり広くなく、大人二人が入ると身動きが取れにくいほどの空間。こじんまりとしているが、駄菓子やおもちゃの品数は豊富だった。
縦長の棚に並ぶお菓子類。手前のネットで、お菓子が落ちないように防いでいる。
奥にはおもちゃ類も。綺麗に整理されていて見やすい陳列。このくらいの狭い空間のほうがかえって落ち着くなあ…と思ったり。
家族用に購入した駄菓子。いくつになっても、駄菓子は大好きですね~毎回買ってしまいます。
おじちゃんと長話
強面にみえる店主のおじいちゃん。最初は話せるか不安だったけど、気づいたら仲良くなっていて、本千葉駅周辺の長洲の昔の話をたくさん伺えました。
司商店の創業は、昭和36年(1959)。創業当時は、食料品をメインに扱っており、10年ほどまえに駄菓子屋へと移行したとのこと。
周辺は昔、田んぼが広がっており長閑な景色で、お店の前の道路から花火が見えたという。花火を見ながら、商店のジュースを飲むという光景は今はもう見れない。
また、店主のお母さまがとても面倒見の良い人だったため、司商店はいつも夜遅くまで賑わっていたという。近くには、料亭や飲み屋街もあった。
成田闘争の時代には、近くの警察機動隊の人々が仕事帰りに立ち寄り、店舗の前にパトカー2台、バイク2台、そして近くのヤンキー車なども集まり、カオスな空間になっていたそうな。そういう大らかな時代があったのですね。
司商店の向かい側、現在はアパートになっているところには、銭湯もあり、12時過ぎまで営業している銭湯に合わせて夜遅くまで営業していたという。
「昔は銭湯が近くにあったから、自宅にお風呂をつくらなかったんだ」
銭湯が無くなってしまった現在、毎日、本千葉駅から西側、都川を超えたところにある「神明湯」まで足を運んでいるのだとか。
15分かけて銭湯まで歩いていくのも大変だなと思ったが、それは口に出さない。私以上におじいちゃんの方が寂しさそうな顔をしていたから。
まさか、駄菓子屋へ訪れて、昭和の時代の人の温かみを再認識するとは思わなかった。いつまでもおじいちゃんと話していたくなる。不思議なお店。
(訪問日:2021年7月)
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