総武本線「干潟駅」。木造駅舎と商店街、「旧海軍香取航空基地跡」が残る街
千葉県旭市にある「干潟駅」へ。現在も木造駅舎が開業当時のまま残る、ローカル感のある駅。駅周辺の国道沿いに商店街の街並みが残っていました。
木造駅舎・総武本線「干潟駅」
千葉県旭市ニ。総武本線「干潟駅」へ到着。八日市場駅と旭駅の間に位置する駅で、二つの駅に比べると小さな駅なので今まで降りたことが無かった。
駅舎そばにレールの跡のようなもの。コンクリートで埋められているが何だろう?
かつて0番線が存在したので、その名残だろうか。
明治31年(1898)開業。現在も開業時の木造駅舎のまま。駅舎内も窓側に椅子がある昔ながらの風景。
駅名の干潟は、江戸時代初期に干ばつされた椿海から由来している。干潟八万石を詳しく歩いた方の記事がとても面白い。私もいつか歩いてみたいな。→昔むかし、椿海(つばきのうみ)が広がっていたあたり、今は野鳥が降り立つ。
干拓されて耕作に利用されるまで紆余曲折があり、その干潟の総鎮守産土神としておまつりした神宮が「鎌数伊勢大神宮」とのこと。干潟駅からは東へ徒歩25分。
また、駅の北東には「旧海軍香取航空基地跡」。現在は工業団地として使用されているが、十字滑走路は上空から見るとそのまま残っていて面白い。
公園内にはアメリカ製の黄色い練習機がが展示されているらしい。さらに周辺には掩体壕が3つ、当時は100基存在したとも。
航空隊が存在したとなれば、駅前には兵隊の方々が利用する御用商店も存在したのだろうか。昭和13年から建設がはじまり、昭和18年頃に完成した基地。今回は電車の時間の関係で、戦跡まで足を延ばせなかったので次回リベンジしよう。
干潟駅前の商店街「干潟商工睦会」
Googleマップの口コミに「国道と線路が並走する、全国でも珍しい駅だそうです。」と書かれている。
駅前の通りは国道126号。いわれてみれば国道と線路が並走している。
干潟駅周辺、国道沿いには商店街の街灯が建っている。今回は街灯に沿って歩いてみる。
まずは駅を降りて右へ。東側を行く。1階にテナントが入る3階建てのビルと、茶葉販売店「玉川園」。
2012年のストリートビューを見ていると、向かい側に古い木造建築と杉崎薬局の店舗が映っていた。
現在は駐車場に。干潟駅周辺は古い建物が無いのかと思っていたが、過去には存在したのか…
さらに東側にある「やまこ食堂」。デカ盛りで美味しい食堂らしい。
引き返して、干潟駅から西へ。西側の方が商店街の街並みが存在する。
そして可愛らしい街灯付の歓迎看板が建っている。「ひがた商工睦会」。
国道沿いに面している元店舗。山七?商店かな。酒の銘柄が書いてあるように見えるので元酒屋だろうか。
同じ並びの元店舗は駐輪場として活用されていた。
駐輪場内に残っていた掲示物がかなり古い。東総預所連合会が昭和38年に作成したもの。
道路脇に木製の電柱の一部が残存…
こちらは、「坂本菓子店干潟駅前」。旧店名は「御菓子司 坂本」。最近、建物が新しくなったそうだ。
公式インスタグラムを見ると、創業85年とのこと!1937年創業ということになる。もしかしたら、軍向けに卸していたお店だったのかもしれない。今度お話を伺いたい。
引き続き国道126号沿い。左手には鮮魚仕出し「旧阿尾鮮魚店」。
並びにある建物は野菜と果物を扱っていた旧青果店?店名は分からない。
鮮魚仕出しの「魚安会館」。現在も営業していそうな雰囲気。
軒下に隠れていたのは、「ひがたFSスタンプ会加盟店」の看板!商店街のポイントカードの加盟店看板だろう。
現在も看板が残っていて嬉しいな。
隣は定食屋「さかえや」。干潟駅周辺は大衆食堂が二軒あって良いですね~
匝瑳市椿、八日市場側の商店街
干潟の交差点。
角にも「末廣」という飲食店らしき建物。
交差点を過ぎると、西側は匝瑳市に入る。旭市から匝瑳市へ、八日市場側にも商店街らしき街並みがつづく。
とある建物の脇には…
半壊しているコンクリートゴミ箱。
古くは無いけど、森永乳業の牛柄の車。かわいい~
そして、また発見したひがたスタンプ会の看板!計2個残っていたかと思う。
国道沿いの商店が途絶えたので、干潟郵便局の交差点を北へ。裏通りを通って干潟駅へと戻ることにした。
国道と並行する裏通りにもいくつか店舗跡が残っていた。
そしてヤマザキショップ。表ではなく裏通りで営業しているのが意外だった。
ヤマザキショップの少し東側の丁字路の周辺には商店跡がいくつかあるので、裏通りだがこの辺りも栄えていたのかもしれない。
丁字路正面にある文具店「コウコ」。
並びの干潟公園の隣にある金刀比羅宮。
さらに東側、二階建ての集合店舗。
以前はスナックや中華料理店が営業していたが、最近改装されたようだ。
干潟駅周辺の探索、終わり。以前に比べると商店街の活気はなく寂しくなったそうだが、賑わっていた頃の名残を感じる店舗跡が残っていた。
(訪問日:2022年1月)
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