旧日光街道沿いの黄色い建築「旧安田銀行」と病院建築。東浅草2丁目

東京都台東区東浅草2丁目。旧日光街道である吉野通りに古い建物を発見した。遠くからでもよく目立つ黄色の看板建築のような建物と、病院建築。

どちらも記録に残したくなる素敵な建築だった。

※2023年12月解体の噂有り

1. 黄色の「理容セブンスター」
2. 旧安田銀行の建物？
3. 清川二丁目
4. 大出歯科
5. 新大池ビル「青木堂浅草店」
6. 旧日光街道沿い

黄色の「理容セブンスター」

南千住駅から徒歩で旧日光街道を南へ進むと、「日の出開商店街」と「アサヒ会通り」が交差する東浅草2丁目の交差点にあたる。

その付近に、黄色の3階建ての看板建築のような建物を発見した。

住所は東京都台東区清川2丁目５－４。

1階にはカラオケハッピー、2階には理容セブンスターが入っている。理容セブンスターは営業している雰囲気は無い。

一見、通り過ぎてしまいそうな新しそうな建物だが、後から塗装されているのではないかと思った。もしかして理容セブンスターの黄色と合わせているとか？

見れば見るほど、価値のありそうな建築物に見えてくる…上部のデザインとか特にこだわりが詰まっているし。

建物の側面を見ると、やはり…

正面だけ黄色に塗られており、元々は白色だったのではないか…これは何か隠されていそう。勘が働いた。

旧安田銀行の建物？

調べてもあんまり情報が無いな～と思っていたら！

「エコノミーホテルほていや」のブログにこの建物についての写真と、情報がしっかりと載っていた！凄い。

その記事によると、この黄色の建物の隣が現在も続くイトーヨーカドーグループの発祥の地であるらしい。浅草山谷にかつて存在した「羊華堂洋品店」。その写真の隣に、黄色の建物の昔の姿が映っている！！

「旧安田銀行」の建物のようだ。安田銀行はみずほ銀行の前身で、かつては建物の上部に安田財閥の「三」のマークがあったことがわかる。

南千住から新橋の都電22番が走っていた頃は「浅草山谷町」の停留所があった場所なのでかなり人通りもあったのではないか。

イトーヨーカドー発祥の地である隣の「羊華堂洋品店」は現在建物も変わり、イタリアンのお店に。旧安田銀行の建物も、1階は変わったが上部は変わらない。

「羊華堂洋品店」が昭和7年（1932年）の写真とのことで、黄色の建物もそのころから存在すると考えると100年近くの建物ということになる…

ちなみに「羊華堂洋品店」は戦災で北千住に移ったそうだ。旧安田銀行の建物は頑丈だったのだなあ。

「ぼくの近代建築コレクション」のブログには建物が白い状態の写真が載っていた。平成23年（2011年）までは白かったのか～…

どのような経緯で黄色くなったのか気になる。しかし戦災も免れて今もなお立派な銀行建築が残っているのは素晴らしいなと思った。

清川二丁目

再び旧日光街道を南へ。この辺りは新しい建物に交じって古い建物が残っているので楽しい。

旅館「福田屋別館」の看板が見えてきた。

別館は旧日光街道沿いにあるが、裏に美辞ネルホテル福田屋がある。

そして近くにあった蔵も気になった。

「清川二丁目」バス停の前にある2階建ての蔵である。とても古そうだ。

だがしかし情報が見つからず。よく見ると素敵な建物なのだが自動販売機が手前にあって全体がよくわからない。

大出歯科

清川一丁目の大出歯科と青い看板が見える建物。こちらも素敵な病院建築だ。

そして赤い丸いランプが残っていた。交番のランプだけでなく、昔は消防関係や病院などにも使われていた赤いランプ。光が少ない昔はよく目立ったのだろうな、と。

大出歯科の看板が奥にしまわれていた。現在は営業していないのだろうか。

昭和の病院建築は趣があって好きなのだが、この大出歯科の情報が無い…

誰にも注目されてこなかったのだろう。いつから存在する建物なのか気になるな～

屋根の持ち送りの部分をよく見てほしい。石膏のような素材でできており、艶美なデザインが施されている。

なぜこんなにも素敵なのに注目されなかったのだろうか…

新大池ビル「青木堂浅草店」

旧日光街道を挟んだ向かい側に、ビルの屋上に時計がついた学校のようなビルを発見した。形もなんだか不思議な建物。

グーグルマップによるとパチンコ屋「江戸ツ子」というお店だったようだ。現在は新大池ビルで「ディスカウントスーパー青木堂　浅草店」だった。

青木堂は2020年1月20日に閉店…今年に閉店してしまったのか。以前は100円ショップシルクもあった場所で、青木堂ではお弁当だけでなく色々な商品が格安だったようだ。