五井「しんこうプラザ」。再開発から免れたアーケード商店街が幻想的 -五井⑵

五井「しんこうプラザ」。再開発から免れたアーケード商店街が幻想的 -五井⑵

五井駅西口へ。西口の商店街の一角には、「しんこうプラザ」という小さなアーケード商店街がある。

最近、このアーケード商店街を活性化させる活動が行われているようだけど、建物内は見惚れてしまう美しさだった…

内房線「五井駅」西口へ

千葉県市原市五井中央西2丁目。内房線「五井駅」西口へ。東口は前回紹介しました。

西口へ

東口に比べると発達しているイメージのある西口。

西口の様子

駅から階段を降りようとしたときに、「西口ご案内」の看板が。とてもレトロな雰囲気。

西口ご案内

駅食堂街、バスのりば、タクシーのりば、お手洗い…

駅食堂街とはどこのことを指しているのだろう。そして寄贈した「味のまち えきひろ」は現存しているのだろうか。

階段を降りてみると

階段近くには居酒屋とパン屋さん「サンエトワール」が営業していた。駅食堂街の面影はなかったな…

と思いつつ、2012年のストリートビューを見ると「味の」という部分だけ屋根の部分に残っているような気がした。

もしかしたら、サンエトワールの建物が新しく建てられて、味のえきひろは分断したのかも。

更級日記の看板

駅食堂街、見てみたかったなと思っているのは私くらいだろうな…

駅前には観光案内所と併設した和菓子屋「青柳」。

市原市観光案内所
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西口「吹上通り」へ

五井駅から繋がるペデストリアンデッキは、サンプラザ市原へ繋がっている。

ペデストリアンデッキ

ちなみに、駅周辺が「五井陣屋跡」とされているが、説明看板などは一切なし。五井藩の陣屋跡として観光名所に紹介しても良い気がするけど…

西口駅前の通りは「吹上通り」とアーチにも記載がある。吹上ってなんだろう?

吹上通り

吹上(ふきあげ)通り。

辞書的な意味だと、「低いところから風が吹きあがってくること、水・温泉などを高くふき上げること」という意味だけど、地名の由来が気になる。

市原市のホームページに由来が載っていた。

この通りの中間に横たわる母なる川「養老川」は、昔、江戸との貨物輸送にあたった五大力船への積み下ろしをする川舟が行き交い、養老舟歌の聞こえる舟運で、吹上橋一帯は、大いに賑わいをみせていました。今、また、ふるさとの川づくりによって、通りの両岸は、再び憩いの場として、蘇ろうとしていることから、この愛称となりました。

吹上通りの由来から、五井が舟運で栄えていた歴史が垣間見えた。地名から歴史を想像するのは本当に面白いなあ。

吹上通りの入り口

信号の近くにあるのは、和洋酒・食料品を扱う「時源商店」。

時源商店

駅前にある建物はほとんどがビルだけど、よく見ると歴史がありそうなお店もあるので見逃せない。

牛丼屋の隣にある「潤門煙草店」が渋い。

潤門煙草店

「シガー パイプ」と書いてあるのもそうだけど、店番をしている女性がいる煙草屋さんが残っていることに驚いた。思わず目が合ってしまった。

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吹上通りの商店街「しんこうプラザ」

そして、吹上通りを歩いていると、高層マンションの隣に小さな商店街が残っていた。

吹上通りにて

「SHINKO PLAZA」
地図では「しんこうプラザ」と書いてあるけど、検索すると「シンコープラザ」とも記載してあり正式名称はよくわからない。

しんこうプラザ

ビルの間に挟まれて窮屈そうなレトロな商店街。よく今まで残っていたなあと感激する。

ここだけ昭和

アーケード商店街が残っている街というのは千葉県には本当に少ない。まあ、時代の流れとしても仕方がないことではあるが…

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レトロを超えた美しいアーケード商店街

アーケード商店街は、改装されて居酒屋や飲食店などが両サイドに並んでいた。訪れた日は営業時間外だったみたいでシャッターが閉まっている。

看板が並んでいる

そして、レトロな空間を超えた美しい光景が広がっていた。

提灯が光輝く

普通の蛍光灯では表現できない、提灯ならではの温かい光。そして一つ一つに手描きのメッセージやイラストが描かれている。

地元の方に愛されている商店街なんだな~ますますこの商店街の歴史が気になった。

提灯がズラリ

号外NET」さんの記事によると、シンコープラザにて「五井朝市」を開催し、商店街の活性化を目指そうという計画があるらしい。そしてその朝市の初開催が、2021年8月29日に開催されたという。

五井朝市が開催

これまでは、アーケード商店街の清掃活動や近隣飲食店との朝食メニューコラボなどを行ってきたという五井朝市実行委委員会の方々。

五井に訪問したのが6月だったので朝市の開催は知らなかったが、次回の開催があったら訪れたい。

昼間とは思えない美しい輝き

また、「号外ネット」さんの記事に「シンコープラザ」の歴史がまとめられているので参考にしました。

【シンコープラザ】

五井駅西口のアーケード「シンコープラザ」

今からおよそ60年前の五井駅西口は、お寺の境内が広がっていて、通勤するサラリーマン、買い物をする主婦、遊びまわる子どもたちで人通りが絶えない賑やかな場所でした。

境内の中にあった商店街「シンコープラザ」には肉屋・魚屋・八百屋・駄菓子屋・おもちゃ屋・レコード屋などが立ち並び、たくさんの人が集まる交流施設でした。

当時は高度成長期、石油化学企業の進出により急速に人口が増えた市原市では五井駅西口を再開発し、お寺は郊外に移転、アパートやマンションが多く作りました。

そんな変化の中で「シンコープラザ」には 居酒屋やバーなどの飲食店が多く入居し、夜に活気がある反面、朝は人通りの少ないことが当たり前の風景になりました。

え、約60年前の西口駅前はお寺の境内だったの?!驚きの事実。

そしてその境内に存在したのが、アーケード商店街「シンコープラザ」だったのだという。今の駅前の様子からは全く想像ができない…

鮮魚店?

再開発によってお寺が郊外に移転。だから西口駅前はビルが立ち並んでいて、なんだか違和感を覚えたのか…納得。

そして昭和の面影を唯一留める、アーケード商店街。これからの活用方法がとても楽しみです!

とっても綺麗だったので写真をたくさん載せちゃおう…

吹上通りと反対側の通りへ。昼間だったので人通りも少なかった。

反対側の出入口

朝市は、毎月第3日曜日9時~13時に行われているらしい。五井でこんなに素晴らしい取り組みが行われているとは、知ることが出来てよかったです。

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五井駅西口の商店街

裏通りを探索。水色の街灯が並んでいるが商店街の名前は記載なし。

裏通り

あ、「モンテヤマザキ」の看板が残っている!と思って近づいてみると…

モンテヤマザキの看板

モンテ五井」はタバコ屋になっていた。パン洋菓子ではなく、世界のたばこ…

モンテ五井

モンテ五井の煙草の看板がオシャレ…モンテヤマザキがタバコ屋になっているパターンは初めて見た。

モンテ五井

調べると、五井駅西口前に30年以上前からあるタバコ屋だという。

種類豊富なたばこ屋さん

あと裏通りではパブやクラブの外観に惹かれ、

マーメイド

昔ながらの茶葉販売店「おかもと」は定休日だったのか閉まっていた。古い個人商店が少ない印象を受けた。

裏通り

やはり、この辺りも境内だったからだろうか。当時の地図を手に入れたら比較したいな。

おかもと

時計屋さんのレトロなビル屋上にある看板。

レトロな看板だ~

こちらは、創業1894年の「勉強堂」という老舗眼鏡店。

勉強堂

明治27年創業、本店は千葉市中央区にある。

市原商工会議所のYouTube動画「駅ちか物語 昭和の懐かしい市原市の商店街」に、かつての五井の賑わいが残されている。

 

(訪問日:2021年6月)

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