市原市「上総国分尼寺跡」展示を見学。豪華に復元された回廊と金堂

市原市にある「上総国分尼寺跡」。上総の国の政治や文化の中心地だったことを示す重要な国の指定史跡である。
展示館で歴史を学び、一部復元された上総国分尼寺跡を見学して奈良時代の上総国に思いを馳せてみてはいかがでしょうか?
上総国分尼寺跡 展示館
千葉県市原市国分寺台中央3丁目5−2。今回の目的地は、上総国分尼寺跡展示館!JR五井駅からは少し距離があるため、今回は車で訪問。市原市役所のすぐ近く。

上総国分尼寺跡だけでなく、市役所は祇園原貝塚、さらに西側には上総国分寺跡など周辺には史跡が多数。国指定史跡に指定されている瓦窯跡群もいつか訪ねたい。

展示館は入場無料。
スタッフの方による映像の解説とジオラマの説明をあわせて30分程。今回は時間がなくお断りしてしまったが、ジオラマの説明後に何かあるらしい…?とGoogleマップの口コミにあり。気になる。

上総国分尼寺の復元模型(直径4.5m)を組み込んだ解説のパートでは、液晶ガラスの瞬間的透過により模型と野外の中門・回廊復元建物を直接比較できるようになっています。(まるごとeちば!より)
大きなジオラマがあり、上総国分尼寺跡を俯瞰して学ぶことができる。まずはここで学び、外の復原された上総国分尼寺跡に進むと理解しやすい。

上総国分尼寺跡環境整備完成予想図。かなり前の予想図のようだが今は一部しか実現されていないのが悲しいかな。

回廊だけでなく鐘楼も再現される予定だったがバブル崩壊で計画は頓挫したとか… すべて計画通りに進んでいたら今どれほど観光地として賑わっていたかな…

復原された上総国分尼寺跡を見学
展示館を後にし、外にある復元展示を見に行く。
広大な土地を贅沢に散策。晴れていたらもっと素敵な写真が撮れたに違いない。

昭和58年に国指定史跡に指定された上総国分尼寺跡について、千葉県教育委員会のホームページより引用。雪と相まって美しい写真が掲載されている。
分寺は、天平13年(741)に聖武天皇の詔によって全国に建立された国立の寺院である。正しくは金光明四天王護国之寺という僧寺と、法華滅罪之寺という尼寺が同時に建立された。
上総国分尼寺跡は数度の発掘調査が行われ、伽藍配置ばかりでなく、尼寺を構成するいくつもの施設の存在が判明した。寺の施設には、尼僧の日常生活にかかる大衆院、事務を執る政所院、建物の修理をする大工や金工の工房である修理院、薬草や野菜、花などを栽培した薗院、花苑院、寺の雑役などに従事した人たちの居住する賎院などがある。
寺域は南北が372m、東西は北辺で285mで、面積は約12万3千平方メートルにおよび、規模のわかっている全国の国分尼寺の中では最大規模を誇る。伽藍地は寺域の南西寄りで、南北200m、東西170mの規模を有する。現在までに判明している主要な建物跡は、金堂跡、講堂跡、鐘楼跡、経楼跡、回廊跡、門跡のほか、八脚門であった中門と東西の門跡、北門、金属の加工を行った工房跡がある。現在、中門と回廊の一部が復元されており、隣接して史跡上総国分尼寺跡展示館が設けられている。

平成3年~8年に回廊と金堂基壇、中門を復元。古代の回廊として唯一現存している法隆寺回廊を参考に、奈良時代後半当時の姿を復元したそう。

回廊は実際に敷地内に入って見学も可能。

復原された中央にある金堂基壇。金堂が復元される日は来るのか…

回廊で囲まれた参道には金銅の灯篭も復元されている。


広大な敷地だったので収まらず広角レンズを用いて撮影。しばしお付き合いください~
いつか雪が降った日の姿も見てみたい。ここにいると自分が令和の時代の人間であることを忘れるような…

(訪問日:2022年3月)
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