船橋の銭湯「宮の湯」。レトロなタイル!船橋駅から老舗めぐりから一風呂
今回は、船橋駅周辺の老舗めぐり!
老舗和菓子店、古本屋さん、その後銭湯「宮の湯」へ。都会的な船橋駅周辺にも、まだまだ歴史を感じるスポットが眠っているのです!
船橋駅~老舗めぐり
千葉県船橋市本町3丁目。本町通りに面した老舗和菓子店「廣瀬直船堂」へ。以前、地域新聞さんでも取材したことがあり、店主の方とは仲良くさせて頂いています。船橋駅に降り立ったらだいたい立ち寄っているお店。→船橋「廣瀬直船堂」創業300年を越える老舗和菓子屋で当時の様子を伺った
JR船橋駅から南へ徒歩10分弱。現在の店舗は大正7年の木造建築。変化が激しい船橋で、この建物を維持するのがどれだけ大変なことか…
近況を伺いにこの日も立ち話をしながら、お煎餅を購入した。良い意味で老舗らしくない気軽に立ち寄れるお店なので皆さんもぜひ。
その後は、本町通りを東へ。同じく老舗の「川奈部書店」。
川奈部書店は、太宰治も立ち寄ったという噂を聞いた事がある。
調べると、「遠い空の向こうへ」というブログに太宰治のエピソードが引用されていた。それによると、毎朝船橋薬局で薬をもらい、その帰りに必ず川奈部書店に立ち寄っていたとか。
また、並びには古本屋「三栄堂書店」も営業中。船橋市に残る貴重な古本屋さん…
店内に入ると、むわっと石油ストーブと古本の匂いに包まれる。昭和の匂いが残っていたことに感動した。
整理整頓された店内。ご夫婦が静かに古本を整理していた。現在2代目で、母の代から60年以上営んでいるという。
価格もリーズナブルだったので、800円で1983年2月号の『映画芸術』の雑誌を購入した。
紙袋を片手に船橋本町を歩く。気分は太宰治だ。
こういう何気ない小さな幸せが、日々の疲れを癒してくれる。
船橋の銭湯「宮の湯」
千葉県船橋市宮本6丁目10−20。船橋大神宮の北側にある銭湯「宮の湯」へ。太宰治の旧居跡からも目と鼻の先。もしかしたら通っていたかも?なんて淡い期待をしたり。
今日の街歩きの締めに相応しい銭湯。建物自体はビル型。だけど煙突で薪でお湯を沸かしている。
船橋市内に唯一残る番台式の銭湯。まず目の前に現れる下駄箱と傘立て。
「鎌ヶ谷船橋あたり」で詳しく取材されているが、昭和34年創業で現在2代目とのこと。
タイミング良く誰もいなかったので、店内を撮影させて頂いた。
脱衣所の床は木の板。最初は、驚いたけど水分が吸収されるし足の感触が良い感じ。
今回撮影したのは女湯のみだが、男湯の方が宮島の見事なモザイク画があるので凝っている。
宮の湯が、私の一番のお気に入りだ。
なぜなら、色彩豊かなペンキ絵と鯉が描かれたタイル、お風呂の温度など、これぞ日本の銭湯!だからである。リピートしている銭湯。
一番左は薬湯。温度もちょうど良い~ずっと浸かってられる。
平日の17時頃、ほぼお客さんがいなくて一人占め状態だった。なんて贅沢。
この銭湯が無くなったら悲しい。だから積極的に通いたい。一度入ったら、宮の湯の良さにハマると思います。
船橋駅から歩いて、老舗巡り。皆さんも歩いて見てください!
(訪問日:2021年10月)
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こんにちは。明里さん、今年もよきレポートを期待しています♪
さて、昨日(2023.1.12)、ついに…明里さんおススメの「宮の湯」に行って来ました。
まずは、感想としては…渋過ぎマシタ(笑)。ある程度シブ目の銭湯に慣れていたわたしも…かなりインパクトのあるお風呂屋さんでした(いかにも明里さんが気に入っているであろう銭湯であるだけのことはありました…笑)。
そうは言っても、わたし自身も…いわゆる「デザイナーズ銭湯」なるものが少々苦手で、好みとしては「ひなびた漁港にある、村営共同風呂」みたいなのがタイプなので、「宮の湯」、十分に楽しめました。
驚かされたところ、かんたんに列挙すると…。
(1)まず…ここは「ビル銭湯」ではないようです。ウェブ上の写真等を見ると、どう見ても「ビル銭湯」なのですが…、実はちがうのです(これにはわたしもびっくりしました)。
入ってみればわかりますが、銭湯本体(=浴室部分)は、柱やタイル画など、おそらく創業当時(注:約60年前)のままなのです。ビル部分は、どうやら…その創業当時の銭湯建物に「看板建築」ふうに “かぶせて” あるようです。
きのうは訪れたのが夜だったので、外から建物裏手を見ることが出来ませんでしたが、機会があれば、そのあたりよく観察したいです。こういう作りは、とっても珍しいと思います。
(2)それから、ロッカーの鍵が「ノーブランド」でした。銭湯のロッカーの鍵って、たいていは(「松竹」とか「さくら」などの)「銘」が入っています(「宮の湯」も下駄箱の鍵は「銘」入りでした)。でも、「宮の湯」脱衣所のロッカーは “無印良品” なのです。
これ…思うに「宮の湯」って「ひなびた漁港にある、村営共同風呂」の趣なので、とにかく「安く」…コスパ最優先で造られたのではないでしょうか。だから、脱衣所のロッカーもコスパ第一で安価なものが使われているのではないか…と推察しました。
(3)「コスパ優先」で考えると、「宮の湯」脱衣所の床材についても納得できます。「宮の湯」の脱衣所の床は、何と…何と…ベニヤの合板なのです。それを釘で打ちつけてある…(笑)、これは、もうレトロと言うか、安普請(やすぶしん)と言うか…、ここまでの銭湯は、おそらく首都圏には無いと思います。必見です。
(4)同じく、男湯・女湯を隔てる鏡の上の「柱」も、ふつうは「杉」の1本柱が使われることが多いですが…「宮の湯」は何と言うことはない、角材です。それから、市内唯一と言われる番台も、タイルも彫刻も無く、合板作り、珍しいです。
(5)そのように簡素な作りの「宮の湯」ですが、浴室の〈壁絵〉〈タイル画〉〈モザイク画〉は見ごたえがあります(モザイク画は男湯のみだそうです)。特に〈タイル画〉は繊細に描かれていて見入ってしまいました。このタイル画も創業当時からのものだとすると、60年近く前のものということになり、貴重です。
但し…。これ…書いてしまってよいのでしょうか…(書いてしまいますよ)、男湯のタイル画なのですが、描かれているのは、たしかに鯉なのです…、そして、何と、その鯉が流れを遡上(そじょう)しようとしているのです…(笑)。これにはびっくり。
もし描くのなら、鮭や鮎でしょう…、鯉はどう考えても遡上はしませんよね…。でも、そういう細かいところも見ていくと、「宮の湯」はとっても楽しめます。
(6)そうそう…飲み物コーナーにも、「見たことのないサイダー」が売っていました(130円)。男湯脱衣所には「50号」程度の見事な油絵が…。番台のご主人にだれの絵か聞いてみたところ…「わからない」「もらったものだ」とのことでした(笑)。
(7)あと…、洗い場の鏡が“腐食”(?)していて顔が映らないカランもあります(笑)。たぶん、30~40年前に一度改装する時に「鏡はまだ使える」ということで、そのまま使っているのでしょう。
そう考えると、番台の現オーナーもずいぶんとご老体ですが、建物や備品類も、人間で言えば80歳、90歳ぐらいの銭湯かもしれません…、だから、「きれいさ」「使いやすさ」という点では「デザイナーズ銭湯(=人間で言えば20代、30代)」には太刀打ちできないかもしれませんが、「おじいちゃん銭湯」と考えれば、ベニヤ合板の床も古びた鏡も、納得がいくし、そういう品々が現役で使われていることにいとおしさも感じられます。
(8)お湯(浴槽)は3つ、そんなに熱々ではなく、ちょうどよいです。お湯につかって天井を見上げると、いかにも「ひなびた漁港にある、村営共同風呂」の雰囲気を味わえます!
冒頭に書いた通り、新しいタイプの銭湯が好きな人には向かないかもしれませんが、今まで「デザイナーズ~」系の銭湯に行っていた人も、一度は行ってみる価値はあるでしょう。
それから、これは「宮の湯」に限りませんが、見知らぬ土地の銭湯は、まち歩きとセットにすると、より楽しめるのではないでしょうか。わたしの場合は、夜8時過ぎにピンポイントで訪問したので…道中真っ暗で人通りもほとんど無く、そういう点では味気なかったです。船橋は、裏通りにお寺なども点在していますので(近くには「大神宮」という「灯台」で有名な神社も…)、「昼間に散策」→「薄暮に入湯」→「日没後の夜の街で1杯」…なんて感じでお風呂を楽しむと、とってもいいと思います。
※ついでに、「宮の湯」の数日前、都内小岩からバスに乗って25分、篠崎4丁目の「竹の湯」にわたしは訪問しましたが、そこも…街全体が(東京都なのに)暗く、銭湯も番台式で「宮の湯」と張り合えるぐらいの激シブでした。
※みなさんも、よき「銭湯ライフ」をお過ごしください。以上、参考までに。
以前にショボい書き込みをした者です(上記)。
そこで、わたしは「鯉」が川のぼりをするのはどうか…なんて、超ド級のショボいことを書いてしまいましたが、ちょっと訂正です。
銭湯では「サケ」や「鮎(あゆ)」は、まず描かれません。それは、銭湯の背景画に、富士山の代わりに(千葉県の)鋸山や(東京の)高尾山が描かれないのと同じこと…、いえいえ、お風呂屋さんに「サケ」や「鮎」が描かれず、もっぱら「鯉」が描かれるのには理由がありました。
それは…
「来い(鯉)、来い(鯉)」という縁起をかついでのことのようでした。
いやぁ、ヤラれました。浅学菲才…と言うか、野暮のキワみ。むかしの人って、生活そのものがおシャレでしたね、ホント…ヤラれました(笑)。