船橋の老舗鰻店「稲荷屋」。江戸時代創業、本町通りの宿場町の面影

船橋の老舗鰻店「稲荷屋」。江戸時代創業、本町通りの宿場町の面影

船橋の本町通りにある老舗鰻店「稲荷屋」で、鰻をいただきました!江戸時代創業の稲荷屋と船橋本町の歴史をご紹介します。

船橋と鰻の歴史

「稲荷屋」の創業は、慶応元年(1865)。幕末の頃である。

船橋でなぜ鰻なのか…皆さんはご存知ですか?

稲荷屋の脇道

それは、船橋が宿場町だったことが関係しているだろう。成田街道の宿場町として江戸時代から栄え、稲荷屋がある辺りはちょうど宿場町の入り口でもあった。

船橋宿は、成田山新勝寺を目指す旅人が最初の第一の宿場町。そして、船橋宿には遊廓もあり、生気を養うためにも鰻を提供していたのではないかと個人的には推測する。

しかし、今回お話を伺ったところ、元々稲荷屋は茶屋だったそうで、明治以降に鰻を提供するようになったと考えられる。

近年閉業してしまったが、「鶴長」も江戸時代からの老舗鰻料理店だった。船橋の歴史を今に伝える「稲荷屋」、現在も変わらずに営業中であることがどれほど嬉しいか…

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船橋本町通り「稲荷屋」

千葉県船橋市本町1丁目12−12。JR船橋駅から徒歩5分、本町通りに面した「稲荷屋」へ。

ホームページ上に情報が載っているが、和風れすとらん部と割烹料亭部がある。会席弁当、関東風うなぎ蒲焼、季節会席コース等楽しみ方は色々。今回は、私の就職祝として知人にお祝いしてもらったとき。

「どこのお店に行きたい?」と言われてすぐに「稲荷屋!」と答えた。

割烹料理部の玄関

脇道にあるのが割烹料理部の玄関で、本町通りはれすとらん部の玄関。以前から訪ねたいと思っていたものの、敷居が高かったので今回お邪魔出来て嬉しいです。

御品書き

事前に予約し、和風レストラン部のテーブル個室席へ。店内は落ち着いて話が出来る雰囲気で、大切な方との時間を過ごすのにぴったりだった。

お通し

注文したのは、稲鰻定食(税込4730円)。先ほどのお通しとお吸い物・デザートがセットだ。

稲鰻定食

蓋には船橋の名勝である船橋大神宮が描かれている。埋め立てられる前の風景だろうか、鳥居から海が見える景観が素敵。

船橋大神宮の絵

鰻は申し分のないフワフワ!ご飯が見えないほど大きく、ご飯にもタレが染み込んでいる。さらに美味しいなと思っていた漬物は自家製だそうだ。

フワフワの鰻

美味しい鰻を食べられただけで満足なのに、女将さんが優しくて、昔の話もお話してくださった。

現在は5代目で、若い男性が跡を継いでいる。
同じ本町通りの「廣瀬直船堂」さんも同世代の店主さん。稲荷屋もInstagramで発信されているので皆さんぜひ見てみて下さい!

元々は茶屋で、船橋は海が近かったため鰻がよく獲れたという。そのため鰻料理店を始めたとか。

離れ座敷

しかし、第二次世界大戦中、戦局が悪化すると「料亭」自体が営業停止になってしまい、その頃は旅館として営業をしていたとも。当時の姿が映る写真があったら見てみたい…

奥は接待用
池には鯉も

玄関に飾られている木製の看板は古いものだと話していた。「蒲焼 御料理 鰻屋」とある。

木製の看板

訪問したのが冬だったので、玄関先にあった火鉢に癒された。船橋最後の老舗鰻料理店…代々続く歴史を感じるお店だった。

温かい火鉢

 

(訪問日:2022年1月)

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