「フラワーロード商店街」小岩駅前の再開発と昭和の映画館を訪ねて -小岩⑻

その小岩をさらに活性化するための再開発が進んでいるとの情報。現在の小岩の様子が気になったので小岩駅周辺を探索することに。
今回はフラワーロード商店街を中心に探索。思いがけない昭和の映画館の歴史にも遭遇しました。
小岩の再開発
小岩の再開発、気になっている方も多いのではないでしょうか?現在のJR小岩駅南口周辺の様子はこちら↓

青いシートに包まれた巨大な工事現場…そう、駅前ではマンションの建設が進んでいるようです。詳しくは野村不動産の記事に載っています。
令和元年から始まった工事は、早くて令和2年(2020年)冬頃にショッピング施設を併設した地上10階建ての建物が完成する予定。1街区~3街区に分けて工事が進んでいる。

道幅の狭さや駅前広場の不足など問題となっていたが、これから徐々に街並みも変わっていくということだ。再開発地域ではマンションなどを結ぶ周回道路も建設される予定で、高層マンションなどが立ち並ぶ駅前になるという。

古い建物や街並みは好きだが、再開発が反対なわけではない。古いものをずっと残していくのは不可能だからだ。街は変わり続ける必要がある。だからこそ、現在の街並みを記録しておくことが必要だと思って記事を書いている。

ちなみに小岩駅南口だけでなく、北口も再開発によって変わるという。北口の様子については次の記事で。

2021年6月の様子。右側の駅ビルはオープンし、マンションも着々と工事が進んでいる。

小岩駅前の昔の写真
播磨観光タクシー様から、平成4年(1992)に撮影した小岩駅前の写真を提供していただきました。貴重な、再開発前の小岩の写真です。

フラワーロードのアーケードは、今とあまり変わらないように見える。しかし、バスの右側に見える建物は一切無くなり、再開発のエリアとなっている。うなぎ、天ぷらと書かれた看板が見えるのは定食屋だろうか。

今度は小岩駅北口の昭和通り商店街が見える写真。アーチの看板は変わってしまった。

昭和通り商店街の左手に、パチスロ?華やかなパチンコ屋のビルが見える。デパートとも書いてある…
パチンコ屋は現在くすりの福太郎に、左にある衣料品店「オオヌキ」は外観は変わったが、現在もある!

小岩駅側を撮影した写真。赤い2階建ての定期観光バスは、葛西臨海公園行きと記されている。駅の左側には小岩ショッピングセンターなどが見えるが、現在は再開発エリア。

今度はサンロード商店街を走るバスの写真。右の「マルキン」や千葉銀行は現在見当たらない。

ホームから見た小岩駅北口が映っている写真。ミシンのハセガワの看板は現在も見える。駅前のビルは昔から変わっていないのだな~

北口の東側を映した写真。ホテル街らしき小岩の風景が映っている。


再開発が始まっている小岩駅前の昔の写真が残っていることで、昔の姿を知ることができた。写真で記録することの大事さをしみじみ感じる。
播磨観光タクシー様、昔のことがよくわかる貴重な写真を提供していただき、ありがとうございました…
現在のフラワーロード商店街
フラワーロード商店街の歴史を辿ると昭和2年、約30店舗で「新栄会」として発足したのが始まり。
昭和27年には全長1733mのアーケードが完成。「雨が降っても傘が要らない横のデパート」を実現し、小岩フラワーロードは全国に知られるようになっていったという。
現在のアーケードは3代目の平成4年に設置されたもの。全長が約800mほどなので両側合わせて1773mということらしい。


立派なアーケード商店街がここまで綺麗に残っている場所も珍しい。

再開発が進んでいる南小岩6丁目の地域では、工事が進んでいる。

2019年9月、ちょうど1年前に撮影した写真を見比べると建物が無くなっているのがわかる。

その時はビル入り口の看板に惹かれて写真を撮ったため、無くなった建物を全く撮っていなかった。
ビルの上に見えるORIONの文字とちょっと洋風な雰囲気。もしかしたらかつてはパチンコ屋だったのかも。現在はコンビニに。

10万円はまずは地元で使おう。給付金のポスターがユーモアがあって面白い。


サンロード商店街と比べて比較的新しそうなお店が多く、地元の方で賑わっている様子。よく見たら道の舗装にも、フラワーのデザイン。歩いていて楽しい。

「小岩スカラ座」昭和の映画館たち
小岩スカラ座
小岩の歴史について調べているとフラワーロード商店街の近く、南小岩7丁目に「小岩スカラ座」という有名な映画館があったことが判明。昭和の映画館は現在、南小岩コミュニティ会館として生まれ変わっているという。
現在の南小岩コミュニティ会館↓

周辺の電柱を見ると、「日活」の文字がいくつも残っているので注目!

商店街から映画館へ向かう道沿いにもお店が並んでいたのだろうか。

小岩スカラ座は昭和2年(1927年)に「小岩昭和館」として開館。その後は、小岩松竹館、小岩映画劇場、小岩日活劇場、昭和44年(1968年)に小岩スカラ座と改称している。昭和60年(1985年)に閉館し、2013年に南小岩コミュニティ会館が建設され現在に至る。小岩駅周辺としては最初の映画館。
3本立ての洋画や洋画ポルノなどもやっていたそうだ。
ウイキペディアにも詳細があるので気になる方はぜひ見てほしい。かなり有名な映画館だったのかな。
小岩あんぐら劇場
他にも小岩あんぐら劇場という南小岩の映画館で邦画ポルノ、そしてもう1軒は西小岩に成人映画として営業を続けた小岩映画などの映画館が存在したらしい。
小岩あんぐら劇場は東京都江戸川区南小岩7-27-18にあったと映画館・夢の跡という記事に書いてある。キャパは210人。東映のマークがしっかりと記され、平成4年までは存在していたことがわかる。井上ひさしが向かい側に住んでいたとか。
在りし日のあんぐら劇場の写真を見ると、右隣に大きなビル、「ファミリー湯宴ランド小岩」の赤い看板が見えるのがわかる。2016年に閉館したが、都内で観劇できる唯一の施設だったという。現在はマンションとなっておりその面影はない。
江戸川区南小岩7-27-18は現在、ディスカヴァーストアピカソとなっている。もしかしたら正面にある皆川商店が当時からあるのかも。

確かに探索の際にこの通りは気になっていた。ディスカウントウエノは駐車場になっているが、かなり古そうだと思ったからだ。そしてこの通りに中央通り五番街の看板が残っているのがなんとも不思議だったが、映画館があったのであれば納得。

フラワーロード商店街をてくてく
フラワーロード商店街の現在の姿を残しておこう。といっても店舗数が多くてすべてを撮影するのは厳しいので気になったところだけ。

中央マーケット
中央マーケットとある看板。これはいかにも昭和の匂いが漂う。闇市の名残すら感じるのは気のせいだろうか。

フラワーロード商店街で一番気になった店舗だったので調べてみた。

中央マーケットというほどに夕方になると奥様方で賑わっていたという。そして通り抜けができたというが現在はかなりひっそりとしている様子。
探索しているときは気づかなかったが、奥にお店が続いているようで、肉屋、魚屋、八百屋、花屋など…まさにマーケットだったのだ。手前の揚げ物屋が営業中であったため正面から写真を撮りづらかった。次は勇気を出してお話を伺いたい。
中央マーケットの裏手に回ってみた。

中央マーケットの裏側は確かに通じていた。

かつては買い物客で賑わったのかな~

中央マーケットの裏へ行く途中にもお店が何軒か。


再び商店街へ

商店街から路地を覗くと渋いお店が見える。

アーケードは新しいが店舗は当時のままであることが良くわかる写真。


ドッキリシューズクリハラは何がドッキリなのか気になるところ…

定食屋のこまつ屋。中華料理、ラーメンに定食いろいろと看板に書いてあるのが良い。今回は洋食レストランとんまつでランチを頂いたので次回はこまつ屋でいただきたい。

フラワーロード商店街、千葉街道につきある場所にもアーチがかかっている。


南小岩7丁目のあたりを探索していたので、次は道路の反対側、南小岩5丁目を小岩駅へ戻る形で探索。
旅館と病院
アーケードにぶら下がっている看板に「旅館都貴(Ryokan Toki」とうっすら文字が見える。

創業50年以上の歴史がある純和風旅館であったが2015年12月末で閉館。和室13、洋室4室とかなり広そうな日本旅館であった。現在の様子がグーグルアースでもよくわからないので今度確認に行きたい。
こちらもなんだか古そうな建物。

やっぱり元病院の建物のようだ。医学博士とある。

お菓子のニッタは創業50年近くの老舗。お菓子だけでなく手巻きのたばこなども充実している。自動販売機とレトロな看板の雑多な感じが良い。

小太郎地蔵尊
何気なく路地を覗くと居酒屋が並んでいる。

その奥には、小太郎地蔵尊本部というものがあった。

看板も設置されており、地元の方によって大事に保存されているようだ。

昭和7年(1932年)に小岩で小料理屋を開いた千村みつという方が小太郎地蔵尊を奉り、進行していたのが由来であるという。

商店街から路地を入ると、このような場所があるのは面白い。
銭湯「照の湯」
銭湯「照の湯」を発見。小岩は本当に銭湯が多いまちだな~。

70年近く立っている建物は、外見だけでなく内装がレトロで可愛い。東京銭湯の記事にとてもよく載っていた。
コインランドリーと化粧品店「馬里根(まりね)」が併設。

資生堂のチェーンストアのまりね。コインランドリーに佇む女性が印象的だった。


銭湯「大黒湯」
照の湯から小岩駅の方へ進み、路地を曲がると餃子・ラーメン福福が気になるもののシャッターが降りている。どうやら18時~22時営業らしい。

その先にも居酒屋が並ぶビルがあった。

「めだ歌の学校」は大人の学校。

ビルの1階にもスナックがある。


銭湯「大黒湯」は2019年6月に閉店したようだ。現在は介護施設になっており、人が集まっていた。

健遊館銭湯小岩大黒湯。時代は移り変わり、介護施設の需要が高まっているのだろう。

コインランドリーやスナックが並ぶがその姿はどこか寂し気。銭湯の煙突もかろうじて残っている。

南小岩6丁目
南小岩6丁目の再開発が迫る地域の路地を入っていく。

居酒屋だったであろう建物がポツポツと残っているが再開発によってこのあたりも変わるのだろうか。


総武線の高架下。

たばこのホーロー看板と思ったら、何やら白い四角が…

もしかして白灯油のマーク?そんなことないか…

養命閣という茶色い建物の病院。

このあたりは再開発地域ということもあって、商店がかなり廃れている。

クリーニング屋の屋根に描かれた動物がなんか可愛い。

クリーニング屋の奥にも飲食店などが続いているみたい。

小岩駅前の再開発は確実に進んでいる。もう少ししたら駅前には大きなビルが建ち、風景が変わるのかもしれない。
しかし、フラワー通り商店街や路地裏にはまだまだレトロな建物も健在しており、新旧が融合した街だと感じた。まだ見落としている場所があるので、近いうちにもう一度行きたい。
小岩の今までの謎が解明!次の記事にて↓
「中央通り五番街」ベニスマーケット、「東の銀座」だった小岩の繁華街の跡 -小岩⑼
(訪問日:2020年9月)
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