「大東京の華 都市を彩るモダン文化」江戸東京博物館の企画展
「大東京の華 都市を彩るモダン文化」江戸東京博物館にて開催されていた企画展を簡単にレポート。
行くことができなかった人に参考になれば幸いです。明治から大正にかけてのモダン文化が好きな方はきっと目を輝かせる展示ばかりでした。
「大東京の華」江戸東京博物館にて開催
「大東京の華 都市を彩るモダン文化」は令和2年8月25日~11月23日まで企画展として開催されていたもの。最寄り駅はJR両国駅。
Twitterで他の方が行っているのを見て、絶対に行かなくては!と思い、久しぶりの江戸東京博物館の訪問にワクワク。
企画展は常設展観覧料で見ることができる。一般は600円、大学生だと480円!
何度か江戸東京博物館には訪れたことがあるが、7年ぶりの訪問。江戸博の通常の展示も時間があったら見たいな。
まず、このエスカレーターが異空間へのトンネルみたいでお気に入り。
企画展は入り口から入って下にあるので、まずは日本橋の模型から江戸博の展示を見渡す。
近代の東京の貴重な資料!
フラッシュ撮影無しであれば、すべて撮影可能!そしてSNSにもアップOKという、博物館では珍しい企画展だった。若者にも親しみやすかもしれない。
意外と貴重な資料が多くて、紹介しきれないのだが、個人的に気になった展示をご紹介。
明治初期に歌川国輝によって描かれた「第一大区従京橋新橋迄煉瓦石造商家繁盛貴賤薮沢全景」。明治初期の大火をきっかけに火事に強い街並みが整えられ、煉瓦造りの建物や道幅が広げられた様子。
「東京海運橋兜街三井組為換坐西洋形五階造」は明治6年に描かれたもの。日本最初の銀行建築である。東京の新名所として描かれたものだそうだが、今見ても凄い立派な建築…
明治5年に建設された新橋駅。そういえば、新橋駅でこの時の駅舎を再現した建物を見たことがあるなあ。
明治23年、「大日本美術展覧会」。壺や人形、屏風などが展示されている会場を洋装の人々が訪れている様子。
まるで絵画から飛び出してきたかのような、明治時代のドレスの展示。スカートの後ろ、腰の部分にボリュームがあるバッスル・スタイルは「鹿鳴館スタイル」として流行したそうだ。
隣に立っているのは母。展示のドレスと比べて、昔の人々は背が低かったと考えられる。
美しいアイスクリームグラス
今回の展示で一番テンションが上がったのは、アイスクリームグラス。明治後期~大正期のものが展示されていた。
アイスクリームはレストランなどで提供される高価なものだったため、小さなグラスで提供されたという。平成生まれの私にとって、アイスクリームは日常的に当たり前にあるもので、ここまで特別感を感じたことがなかった。
美しいグラスで頂くアイスクリームはどんな美味しさなのだろう?
奥にあるのは氷鉢。かき氷はガラスの器に盛られていたという事実を知る。美しいな~
カフェーの写真なども
絵葉書ブームが起こった大正~昭和初期。「東京名所」に描かれた東京駅の姿は、凛とした美しさを感じる。
そして、カフェーの絵葉書も展示されていた。カフェーに対して関心があるので、当時の様子を知ることができて嬉しい。
大正期の浅草雷門前のカフェー・アメリカ。
大正4年頃から和服に白いエプロンを着けるようになった女給の姿。
「画集 新宿 第二図 カフェー街」昭和5年(1930)。
貴重なカフェーの写真を見ることができて勉強になる。
奥には電気ストーブ。昔の電気ストーブのデザインって良いな~
電気館の展示
近代の東京に関連して、常設展の「電気館」が気になったので紹介。
明治36年(1903)に建てられた浅草六区の電気館が日本で初めての活動写真館だったという。活動写真は、明治・大正時代の映画のこと。
当時は活動写真といっても音声がついてなかったので、弁士(解説者)が必要だったという。今の映画とはまるっきり違う。
江戸博は何回訪れても、見応えがある博物館。明治・大正時代の展示も充実しているので好きな時代別に楽しめそう。
そして展示の内容を自由に撮影・SNSにアップ可能だったのが驚きだった。若い世代にとっても気軽に展示を楽しむことができる。今度は友達を誘って訪れたいな~
(訪問日:2020年10月)
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海運橋はまだ親柱が残ってますね。
いまや運河も埋め立てられ首都高で味も素っ気もありません。
そうですか。このような様子でしたか。