千倉温泉 千倉館|千葉県南房総の老舗温泉旅館.松本清張ゆかりの離れに宿泊 -千倉⑷
南房総市の千倉温泉千倉館に宿泊してきました!源頼朝由来の温泉と、千倉館自体にも深い歴史があり、老舗旅館や温泉好きの方、オシャレな旅館を探している方、幅広い方におススメが出来る老舗旅館でした。
松本清張氏滞在の離れ客室
千倉温泉(檜風呂・露天風呂・大浴場)充実!
海の幸の豪華なお食事
+千倉館と建物の歴史をまとめました
千倉温泉千倉館 宿泊レポート
千倉温泉千倉館へ、2022年9月に宿泊した時のレポート。
千倉館の魅力記事はネット上に沢山あるので、宿泊記→千倉館の歴史や建物の魅力の順番で歴史に比重を置いてまとめます!
千倉館へのアクセス
千葉県南房総市千倉町南朝夷1045「千倉館」
http://www.chikurakan.net/
最寄り駅は、JR千倉駅。駅から歩くと20分ほど。私は今回利用しませんでしたが、駅からの無料送迎サービスもあり◎
〔電車・バスでお越しのお客様へ…。〕千倉駅無料送迎サービス
千倉駅⇔千倉館 送迎サービスがございます。
<行き> 千倉駅到着 15:00 ~ 18:00 の間のお客様、到着時間が決まりましたらご連絡下さいませ。
<帰り> 千倉館 10:00 頃出発
※ドライバーの関係で送迎が出来ない日もございますので、予めご了承下さいませ。
千倉橋近くに佇む千倉館の建物。本館と川沿いの奥に離れの建物がある。
駐車場は建物の道路を挟んだ向かいにあり、この日も若い方や家族連れで賑わっていました。
客室(離れ部屋 松本清張氏ゆかり)
まずは今回宿泊した客室!離れ部屋を予約しました。
一度外に出てから離れの入り口へ。今回は母の誕生日プレゼントも兼ねてなので少し奮発しました!
川沿いの離れ、数寄屋造り和室10畳。バストイレ付。離れの客室は二つあり、もう一つはデッキがあるらしい。
有名な松本清張氏がこの離れで40日間滞在して小説『影の車』を書いたことでも知られている。松本清張氏ゆかりの客室としてファンの方も多く泊まりに来ているのかな。
客室の奥には、檜風呂!檜の豊かな香りに包まれる檜風呂で、露天風呂等も充実していますが内風呂でも十分なくらいでした!
浴衣セットも籠付きで可愛い。
大浴場や宴会場へ足を運ぶ際に一度外出する必要がありますが、庭園と川に囲まれて静かな離れでとても落ち着きます。
千倉温泉(露天風呂・大浴場)
千倉館は入浴施設も大充実!!
大浴場(出陣風呂/羽衣の湯)
貸切露天風呂 2つ(予約はチェックイン時)
南国リゾート風 貸切温泉風呂は無料!
太平洋と千倉橋のほとりに位置する千倉温泉は遠く鎌倉時代、源頼朝が愛馬の傷を癒やしたと云う伝説があり神経痛、関節痛、五十肩、糖尿病などの効能がありますが特に皮膚の新陳代謝に優れた効果を持っています。https://travel.rakuten.co.jp/HOTEL/29814/29814_onsen.html
貸切露天風呂は先着順のようで人気なので注意。私がチェックイン17時くらいだったため、当日の入浴は叶わず。翌朝、本館上階にある露天風呂に入りました。
海と街並みを一望できる露天風呂。朝の入浴気持ち良かった~
もう一つの露天風呂は中庭に。リゾート感があり女性人気高そう。
大浴場も男女別に。
階段を降りて地下一階にある大浴場。エレベーターは無かった気がします。
恐らく最近リニューアルされたと思われる凄く洗練された脱衣所と、浴室の和な雰囲気のギャップに驚きました。ここ最近泊まった老舗旅館の中で断トツお洒落…
房州地方の霊泉ともいわれているそう。
千倉館の豪華なお食事
お食事のコースは二つあり、料理長おまかせ磯料理コース・囲炉裏を囲む炭火焼きプランがある。
今回は磯料理コース。本館に続く会食場にて仕切りがあるので周りも気にならずゆっくり楽しめました。
館山市の那古船形漁港から直接仕入れている新鮮な魚介類…
特に、左下の豆腐。鴨川市産の嶺岡豆腐生クリーム入りだそう。とろとろのお豆腐、お土産にしたいくらい美味しかったな。
コロナ禍で千倉館の見直しを図った際に力を入れたのがお食事らしく、東京で有名だったシェフが千倉館に来て、地元のお米、お魚は種類が多い内房から仕入れるなどかなりこだわっているとお話を伺った。
会食場となっている建物については後程説明します!
朝ごはん。
朝も豪華~!土鍋ご飯ですからね!
手前真ん中は、まぐろ漬けとろろ。ご飯がすすむお供がたくさん。
お料理はもちろん、白米も水も美味しい。
冷水が他の地域と違っているような気がしたのは気のせいなのか。のど越しが良くて、いつもはそんなに水分摂取しない私も何杯もおかわりしてしまった。今度は囲炉裏コースも予約してみたいな~
その他 千倉館の設備
千倉館の館内その他。
まず本館入ってすぐのロビーは青を基調とした高級感のあるスペース。
千倉館に関する書籍もいくつかあり、温泉入って読書をするのも良し。
お土産や卓球コーナーもありました。下の写真は近くにある高家神社の特別なお醤油「高倍」。
また、現在は営業休止中だが酒処「酒処 波助」が併設されている。再開されたらまた行ってみたい。
思いがけず嬉しかったのが、
深夜、離れから外に出てみると満天の星空が広がっていた。
写真では伝わらないのが残念!周りが川なので星空観察にもぴったり!
記念日など特別な日にも喜ばれそうな素晴らしい老舗旅館でした。
老舗旅館 千倉館の歴史
ここからは、千倉館の歴史に迫ります。
はるか昔、房州安房国(ぼうしゅうあわのくに)。
風光明媚な海辺の一角に栄えた小さな漁師町がありました。魚の行商が構える「蔵」が無数に点在していたことから、この町はいつの頃からか「千倉」と呼ばれるようになりました。
かつて千倉の町は、房洲路を旅する人たちが体を休める宿場町として栄えていました。
当時は関東屈指の花街としても知られており、千倉館周辺にもかつては数々の楼閣が立ち並んでいました。千倉館の前身は、宿のすぐそばを流れる川尻川から名前をとった「川尻館」。宿場町の中心に建ち、地元の漁師や旅の行商人などで日々賑わっていたそうです。現在の建物の基本部分が造られたのは、昭和15年。それを機に現在の屋号「千倉館」へと名を改めました。戦時中は海軍の施設として使用されるなど時代の潮流にもまれながら、千葉県最古の出湯と美味しい海の幸が楽しめる宿として多くの文豪、文化人の皆様に愛され、今日に至っています。
千倉館としての創業は昭和15年(1930)。川尻館の時代からと考えるとそれ以前から、地元の漁師や行商人で賑わっていたことが窺える。
パンフレットに載っている古写真は、戦前の千倉館の写真。下は川尻川に船着き場があった頃、現在の会食場と思われる建物が載っている。
私もいくつか千倉館の戦前の絵葉書を所有しているが、見比べると現在とは異なる部分も多く、改めて検証が必要そう。
中庭の滝の裏の防空壕の話、千倉の花街の話など現オーナーの方に話を伺うことが出来た。また老舗旅館の本にでもまとめたい。
千倉館のレトロ建築見学
千倉館の建物について。昭和15年に現在の一部が造られているとのことで、どこまでが古いのかが気になる。
帰宅してから気づいたのが遅かったのだが、入口上の瓦屋根は建替え前の本館の屋根瓦だろうか…周りを囲む海鼠壁もその一部かと推測する。
川沿いに面した木造建築二つ。左側が離れ。
そして、夕食と朝食の会場となっている宴会場。夜、灯りに照らされて妖艶な朱色が浮かび上がる。美しい。
漆塗りの朱色はそのままだそうで、千と千尋の神隠しみたい~とお客様に言われるとのこと。
そして、コロナ禍のため仕切りがある宴会場も少しだけ見学させていただきました。
松竹梅が描かれた舞台も奥に。花街として栄えた千倉の歴史を垣間見る建物。
ここで触れたのは千倉館の歴史のごく一部。いずれ、絵葉書を用いてまとめたいな~
是非皆さんも宿泊してみてください!
(訪問日:2022年9月)
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風情のある旅館ですね。
そして、昼間の「離れ」の写真をよーく見ると、川に【せり出して】建物が建てられているのが、わかります。
それだけ、部屋からの眺めを考えて造られたのでしょうね。そうやって建てられた部屋の窓をあけると、真下が川面ですもんね、そういう隠れた粋なはからい、たまりません。
そういう宿で、松本清張さんは、色々と小説のトリックについて案を練っていたのでしょうか。逗留中の清張さんに旅館の中で会ったりしたら最高でしょうね。
レポート、感謝です。