千葉「豊月和菓子屋」亥鼻で明治時代から続く老舗和菓子店の歴史

千葉市中央区市場町の商店街を歩いていて見つけた和菓子屋「豊月」。
調べてもほとんど情報がなく(Googleの口コミは0)、営業しているのかさえ不安になるお店だったが、入ってみるとかなりの老舗で、興味深いお話をたくさん伺うことができた。
市場町商栄会の和菓子屋
千葉県千葉市中央区市場町8−7。前回紹介した、市場町商栄会を歩いていると、県立図書館入り口の交差点近くで和菓子屋を発見。

市場町商栄会自体も、房総往還に沿って発展しているので老舗が揃っているとは思うが、今回の和菓子屋「豊月」についての情報がほとんどない…
外観も暗いし、店頭には店名が書いていないので営業しているのかさえ不安になる始末。

こういうお店に入るときはいつも緊張するが、私のブログはこういう情報が無いお店を記録に残すためにあるのだと再認識する。
和菓子屋「豊月」の歴史を伺う
和菓子屋「豊月」の店内へ。ショーケースの土台のタイルが素敵…

正面のショーケースにはどら焼き、かりんとう饅頭、すあまなど和菓子が並んでいた。とりあえず、すあまなどを購入。


「撮影して良いですか?」と尋ねると、店主は「撮影するところある?!」とかなりウケていた。ここまで笑われるのも初めてだけど、終始笑っていて和む店主だった。
「創業はいつ頃ですか?」と尋ねると、「明治くらいかな~」とアバウトな回答。あまり老舗感は漂ってこないが、創業は100年を超える老舗和菓子店。現在3代目である。
店内に飾ってある賞状が歴史を物語っていた。

今まで見たことが無い類の古い賞状だなと思い眺めていると、大正?!明治?!

一番右が明治時代の賞状で、明治45年と書いてある。記念博覧会に出品したときのものらしいが、店主のおじさんは特に気にしていない様子でそのギャップにもまた驚く。
70歳には見えない朗らかな店主。かつては商店街も賑わい、裏通りには旅館や料亭も多く、コンパニオンが多かったという話も聞いた。「今は何もない」と連呼していた。
また、商店街は船橋市の本町通りを参考に、防火建築に建替えたらしく、隣のお店同士がくっついているため、建替えるのが大変とのこと。

話しているのが楽しくて、最後にツーショットも撮ってもらった。しかも、おまけにお菓子まで頂いてしまった…また会えると良いな。

そういえば、明治時代からの名物である「貝煎餅」は販売していなかったが、いつか食べてみたい。
(訪問日:2021年7月)
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