船橋の東京タワー?赤くて目立つ、船橋三山放送所を目指したら昭和の商店に出会えた

船橋の東京タワー?赤くて目立つ、船橋三山放送所を目指したら昭和の商店に出会えた

今回目指すのは「船橋の東京タワー」。なにそれ?って思う方もいるかもしれないが、船橋市では有名らしい。

東京タワーと似ている、千葉テレビのタワーがどんな場所に在るのか、住宅街の中を辿ってみた。

「船橋の東京タワー」を目指して

千葉県船橋市と習志野市の境あたりを探索していると、赤と白の鉄塔が遠くに見えて気になっていた。調べると地元では「三山タワー」と呼ばれ、船橋市三山2丁目にあるという。

京成大久保駅から、日本大学の東側の通りを北上し、二宮神社の分岐へ。

二宮神社の分岐

二宮神社の南側の住宅街の中にあるが、まだまだ遠い。鉄塔を目指して歩いてみよう。

遠いな~

住宅街の道はかなり狭い。昔ながらの民家も多く残っている地域だ。

狭い道を西へ
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佐藤食料品店に遭遇

住宅街の中をふらふらと歩いていたら、商店と遭遇した。地図にも載っていないので、びっくり!!

三山3丁目

「佐藤食料品店」青い屋根は新しいが、佇まいは昭和…地図にもネットにも情報が無いので、ここは私が勇気を出して取材しないと…でもドアが無いので敷居は低く感じた。

全面オープン

建物の傍にはネコがたくさん…撮影をしていると、近づいてきて可愛かった。

ネコがたくさんいた

ネコは、近隣で引っ越しのタイミングで放置する人がいるため、代わりに面倒を見ているのだとか…優しい。

店内はパンやお菓子、飲み物など。

店内の様子

思っていたよりも商品が揃っているし、綺麗に整頓されている。

ああ、この照明が好き…

レトロな照明

照明を撮影したいと話すと、「古いからね~」と照れるおばあちゃん。いや、古いデザインだけれど綺麗に利用されています。

綺麗!

店主のおばあちゃんは80歳を越えているが、かなりお話好きでなんでも話してくれた。最初は話しかけづらいかと思ったが、仲良くなると早い。

レジの様子

創業は、昭和39年(1964)。ちょうど東京オリンピックが開催された年だ。60年近く営業していることになる。

酒も販売
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三山で最も古い?商店での貴重なお話

おばあちゃんから、貴重な話を伺った。

この店舗は、船橋市三山で初のお店だそうだ。それ以前は田畑が多かった地域に、住宅開発の手が入った頃だという。まさに、三山周辺の歴史とともに歩んできたお店だ。

歴史を感じるお店

SATO…砂糖かと思ったら、店名の「佐藤」を英語にしたものか。周辺には外国人労働者も多いらしい。

SATO

パンはヤマザキパン。佐藤食料品店の周辺は、確かにお店がない。買い物にスーパーに行くにはちょっと遠いのだ。

駄菓子もちらっと売っていた

そのため、地域の人に合わせて商品も変えているそうだ。私も探索に疲れたので、飲み物と駄菓子を購入した。

地域の貴重なお店

昔は、この場所から富士山や八千代市の方まで見渡せたそうだ。今は住宅が広がっていて何も見えない…

時代は変わる

地域の人にとっては貴重なお店。こういう名もなきお店を記録したいんだよな~

お話をしていて、とても楽しい。

ネコ

商店を後にし、住宅地を再び歩いていると「富士見台」と看板に書いてある!

富士見台だ

富士山が見えたというのは嘘ではなかったんだ。

地名だけでも残っているのは有難いな。

船橋三山放送所”三山タワー”

いよいよ近づいてきた。住宅街の奥にそびえ立つ鉄塔。

近くなってきた

正式名称は「船橋三山放送所」。千葉テレビ、NHK、ベイFMが利用している放送所だ。

地上高180m。立派なテレビ塔だ。

船橋三山放送所

船橋市では一番高い高層建築物ともいわれる。そして赤と白の東京タワーにそっくりな外観から、「船橋の東京タワー」などと呼ばれているようだ。

船橋の東京タワー

タワーの近くに住んでいる人は空を見上げるとこんなに大きな建造物があって、不安にならないのかな…予想以上に、民家のすぐ近くにある。

看板には

看板には、テレビ塔と簡易的なイラストが描かれていた。

地元の方にとってシンボル的な存在であることは間違いないだろう。

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コカ・コーラ看板が残る商店?

タワーから、二宮神社の方へ抜けようと住宅街を歩いていると、また商店を見つけた。

商店だ

しかし、2010年のストリートビューを見ても営業していない。佐藤食料品店の方も、だいぶ前に閉店したと話していた。

コカ・コーラの看板

たまに見かける、コカ・コーラの看板が好きなので撮影できて良かった。

追記:カドヤ商店?酒店?
この商店に行ったことがあるという地元の方から、お店の屋号が「カドヤ」だったことを教えていただいた。確かに角にあるから「カドヤ」!商店か酒店かはわからないが、名前を知ることができて嬉しい。

「小さい頃に、祖母にコーラを買ってくれとねだったら骨や歯を溶かすから飲んではいけないと言われ、買ってくれませんでした」

さらに、素敵な思い出話まで伺うことができた。

残っている大きなコカ・コーラの看板に、その方の思い出が今も生き続けている気がした。そんなに知名度が高くない、閉業した商店であっても、誰かにとっては思い出の場所なんだなと実感。

さらにもう一人。
カドヤは中学校が開校した頃(1970年代半ば)に開店し、給食がなかった(当時中学生はお弁当)ので中学生にパンを売ったりしてそこそこ繁盛していたという話を伺った。

昔は酒販免許取得が今より難しかったとらしく、佐藤食料品店には酒瓶が販売されていることから、あまり近いお店だと申請しても許可されなかったかもしれないという話も。だからカドヤは商店だろいうという推測になった。

地域で愛される「千葉タワー」。辿ってみたら、良いお店との出会いがあって楽しかった。おばあちゃん、元気にしているかなあ。

 

 

(訪問日:2021年1月)

 

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