千葉市「旧鉄道連隊材料廠煉瓦建築」。千葉経済学園内に残る戦争遺跡
「旧鉄道連隊材料廠煉瓦建築」はレンガ建築が好きな方にとっては有名な場所だと思うが、千葉経済大学内にあるという特殊な環境をしっかりと記録しておこう。
以前近くにあった遺産「気球聯隊第二格納庫」は取り壊しになってしまったので、今回の建物は価値がさらに高まったのではと思う。
旧鉄道連隊材料廠煉瓦建築へ
千葉市稲毛区轟町。千葉経済大学内に残る「旧鉄道連隊材料廠煉瓦建築」へ。歩いていたら説明看板があった。
平成元年に千葉県指定有形文化財に指定、所有者は千葉経済学園となっている。詳しい歴史は後程。
大学の裏門の方に近いからかヤマザキショップの面影も。
宅急便の看板があるのでこの日は定休日だったのかもしれない。
旧鉄道連隊材料廠煉瓦建築
裏の駐車場の奥に残っているレンガ造りの建物が「旧鉄道連隊材料廠煉瓦建築」。この日はスマホで撮影したので画像がいつもより荒いです。
横に長い…思っていた以上の大きさでカメラに全然収まらなかった。全長54.4mもあるらしい。
千葉県のホームページに詳しい説明がある。
この建造物は、明治41年(1908)に旧陸軍鉄道連隊の材料廠として建築されたもので、大正時代には千葉陸軍兵器支廠となり、戦後は大蔵省、国鉄と引き継がれ、昭和60年(1985)に千葉経済学園の所有となり現在に至る。
明治41年築。建てられてから110年以上経過しており、東日本大震災の際に「倒壊危険建物」となってしまったため、現在は使っていないみたいだ。以前は大学の物品庫として使っていた。
主要構造部分は、東西54.4m、南北7.3mの煉瓦造で、南北側にはそれぞれ幅2.7mの下屋をつけている。構造は寄棟造の平屋建であるが、下屋をつけている側の上部には弧形の高窓があり、2階建てのような外観となっている。また、下屋には波板鉄板が葺かれている。
内部は、列車やレールなどの修理工場として使われただけに広大な空間を持ち、煉瓦造の連続した弧形アーチが10連並んでいる。約5.4mもの長大なスパンによる連続した弧形アーチをもつ建築物は全国的にも他に例がなく、極めて特徴的な明治時代の煉瓦建築物である。
こんなに連続したアーチをもつ明治期の大型煉瓦建造物は全国的にも例が無く珍しいものだという…先ほどのホームページに内部の写真が載っているのでぜひ見てほしい。
また、建物の近くにも説明看板がある。
以前は内部の見学会?も開催されていたようなので、また機会があったら見学してみたいな…
反対側にも回ってみた。
よく見たら壁にヒビが入っており、倒壊の危険も…大丈夫かな。このまま放置されているのが惜しい。
また、この時は気づかなかったが、建物の側面に芝生に埋もれた1067mmと600mmの4線軌道が残っているらしく、廃線マニアの方にとっても注目したい建物ではないだろうか。
訪問から1年以上経過してしまったが、近くの椿森に残っている「旧炊事場」も見学してから記事にまとめようと思っていたら、なかなか行く機会がなくこんなに時間が経ってしまった。
現在は寮になっていて、1階部分がレンガ造りになっているのが確認できるという。→「旧炊事棟~鉄道第一連隊跡」
そろそろ今年は重い腰を上げて見学に行かなければな…と思い記事を公開するに至った。また旧炊事場についてはまとめたい。
(訪問日:2020年12月)
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