【千葉】駐車場に残されたレンガ蔵。地図から読み解くかつてのレンガ蔵の姿

いたって普通のどこにでもある駐車場。その奥に佇む茶色のレンガ蔵が印象的だった。遠くから見てもその重厚感が伝わる、レンガ独特の雰囲気。
なぜ、駐車場にぽつんと残されているのか。
明らかに周囲とは異なる雰囲気を持つレンガ蔵に、注目せざるを得なかった。
駐車場に残されたレンガ蔵
千葉県庁がそびえ立つこの地は、かつて花街としての歴史も残る古い街だ。道幅の広い本町通りを千葉城の方面に歩いているとそのレンガ蔵が見える。きぼーる通りと本町通りの交差点近くともあって、かなり交通量も多い。
まさか、こんなところにレンガ蔵が…という衝撃を受ける。
駐車場の奥に残されているレンガ蔵。
一階部分に白い大きな扉と、二階部分には二つの窓。
表から見ると、目が二つと口の、顔のようなデザインだ。
見たところ、保存状態は悪くない。管理されているのだろうか。しかし看板も見当たらないので、個人の所有物だろうか。
一階の白い扉は、下部が剥がれかけているものの、入り口は入れないように何かで封鎖されているようだ。鍵も、鍵としての機能を果たしておらず、少し不安な状態ではある。


二階の窓は、開いている…と思ったが、こちらも何かで埋められているようだ。
これなら開いていても雨風の心配はない。


裏手に回ってみると、その全貌がわかる。裏も駐車場であるため、近くまで近寄ることができる。

緑のツタが良い感じに伸びていて、茶色のレンガとのコラボが美しい。

屋根の上には鬼瓦がある。
しかし、去年千葉県を襲った強烈な台風の影響か、欠けてしまっているのが残念だ。家紋が入っていたのではないかと思う。


取っ手のような突起が気になるが、どのような目的で作られていたものなのだろうか…
地図には「山半紙店倉庫」とあるが…

レンガ蔵の近くには、現在の地図があった。そこには、Pと書かれているだけだが、隣にある安武写真館はかなり老舗のように感じる。
もう少し前の状態を知りたく、昭和の住宅地図を探した。
すると、安武写真館の隣、現在の駐車場の場所に「山半紙店倉庫」と書かれているのを見つけた!
山半紙というお店の倉庫として、使われていたものが残っているのだろうか。その後、お店は駐車場になっているのであれば納得がいく。
さらに調べてみると、千葉県中央区問屋町にある文具卸売の会社「株式会社山半」が1969年までこの場所、本町で「山半紙店」を営業していたようだ。
現在は、倉庫としての役目を終え、駐車場にひっそりと佇むレンガ蔵。
今後、どのような歴史を辿るのだろうか…
(訪問日:2020年6月)
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記事の中に安武写真館を山武写真館と記述しているのは間違いですか?
山武写真館の隣、現在の駐車場の場所に「山半紙店倉庫」と書かれているのを見つけた!
コメントありがとうございます!
間違いですね。すみません。修正します!