「安房勝山駅」明治製菓の工場・勝山ヘルスセンター・特攻隊の格納庫など -勝山⑴

「安房勝山駅」明治製菓の工場・勝山ヘルスセンター・特攻隊の格納庫など -勝山⑴

安房勝山駅へ。内房線を青春18切符の旅、最後は安房勝山駅へ降り立ちました。

想像以上の素敵な商店街のアーチ、歴史が眠っており、興味深い内容となりました!

内房線「安房勝山駅」

千葉県安房郡鋸南町竜島。内房線「安房勝山(かつやま)駅」へ到着。

安房勝山駅

大正6年(1917)開業。昔のままの木造駅舎が現在も残っている。

周辺の地図

昭和34年に勝山(かつやま)となる前は、加知山(かちやま)だったそうだ。古くから歴史がある街で、戦後時代の勝山藩の歴史を今回の探索で辿った。

駅前の通りには商店街が形成されている。

駅前通り

角川書店の『日本地名大辞典』に、気になる文章があった。

大正6年、房総煉乳・日本煉乳などを合併した東京菓子が、同13年明治製菓と改称し、安房勝山駅前に新工場を建築。

明治製菓株式会社、東京菓子株式会社という名称だったことを今回初めて知った。そして、房総煉乳・日本煉乳を大正6年に合併していたとは…

勝山以外に、館山・滝田(現南房総市)・主基(現鴨川市)に新工場を設置したそうだ。

安房地域の練乳製造業の歴史を調べてみるのも面白そうだな~

勝山漁港は第2次世界大戦中に、海軍の特攻隊基地ともなったが、同25年漁港法の制定に伴って、近代漁港への整備が進み、同42年第2種県営漁港に指定。

また、戦時中は海軍の特攻隊基地ともなった勝山港。戦時中、勝山ではどのようなドラマがあったのかな…

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安房勝山駅周辺の商店街

駅前には観光案内所、千葉銀行、お食事処・喫茶たかなし、大衆食堂なみきや、駅前通り角には土産物店の「まえだ」。

駅前の土産店

南房銘菓として、金木のびわ羊羹、亀屋の鯛せんべいの名前が書かれている。

まえだ
営業中

角には喫茶軽食の「佐知」。三本コーヒーの喫茶店は現在は閉まっているようだった。

佐知

駅前通りから国道127号を南へ。国道沿いには商店街の面影がある。2014年、平屋の古そうな建物が映っているが現在は更地に。

隣には洋品店、酒屋のみよしや。

みよしや

国道沿いはシャッター商店街。コダックカラープリントの文字が残る写真屋が橋の手前にあった。

フォトシゲタ

佐久間川を渡った先、国道沿いに武内病院の建物がストリートビューで確認できる。私は探索した時、撮影し忘れたのかな…

モルタル仕上げの平屋の病院建築。隣にある武内クリニックの旧病棟かな?

この辺りは病院が多いな~
板倉写真館。扉やショーケース、水色の外観がとても素敵。

板倉写真館

こちらは、菓子のコンピラ。たばこや食料品、日用品も販売している。

菓子のコンピラ
テント屋根の下

タバコ屋売場。CABINの俺の赤の広告が見える。

タバコ屋も
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加知山神社

商店街がある大通りから、旧シバモト時計店の横道に気になる建物が残っていた。

横道に残る一軒

木造二階建て、1階部分はすべて覆われていて一体どんなお店だったのか…右手にショーケースらしき場所がある。

軒先には、勝山32番の電話番号のホーロー看板。勝山ではこれしか見かけていない。

勝山32番

斜め向かいには、重田菓子店が営業中だった。

重田菓子店

どら焼きが有名らしい。今回は日が暮れてしまったのでまた次回、お店の歴史も含めて伺いたい。

さらに斜め向かいにある4階建ての建物は、”おくまや”と入り口に書いてある。旅館かな?

おくまや

調べると、幕末の文久年間創業のおくまや(鈴木工務店)とのこと。ホームページに温故知新を企業理念に掲げていると書いてあった。

おくやまの文字

おくまやの向かいに、加知山神社。

加知山神社

狛犬の台座、よく見たら「加知山魚商組合」と刻まれている。現在の勝山以前の加知山の名前を見ることができる。

加知山魚商組合

また、日本橋の魚問屋の名前がずらり!日本橋とも関わりの深い場所だったのだろうか。

日本橋魚問屋
明治36年建立

暗くなってきたので上らなかったが、小高い丘の上の社も気になる。

境内にて

加知山神社の鯨塚についての説明。

鯨塚

かつては加知山神社の弁天様の下に100基ほどの鯨塚が存在したらしい。鯨塚は、海浜において岸に打ち上げられた鯨を祀ったものらしいが、100基も造っていたとはびっくり。

野呂道庵寿蔵碑

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勝山ヘルスセンター

また、勝山には遊園地が存在したことを以前、千葉県の遊園地一覧の記事でまとめた。

詳しくは昭和43年発行『郷土資料事典』に勝山周辺の観光案内が載っている。

保田・勝山海岸<海浜公園>
浦賀水道にのぞみ、白砂青松のつづく風光の美しい海岸で、設備のよい海水浴場として有名である。ここには海食洞を利用した水族館をはじめ、いろいろな乗物のある大黒山スポーツランド勝山ヘルスセンター、小型汽船を改造した海洋資料館、船底がガラス張りの回遊船などがあって、家族連れの1日の行楽に理想的なところである。

海水浴場をはじめとして、水族館・大黒山スポーツランド・勝山ヘルスセンター・海洋資料館・回遊船が存在したらしい。

こんなに揃っていたなんて、まさに子供の夢の国!現在は面影も無いが…

「観覧車通信・Kanransha-tsushin」さんの記事に、当時の絵葉書が掲載されているが、50年ほど前、大黒山の下に遊園地、浮島へも遊覧船で渡ることができたと書いてある。貴重な絵葉書だな~

勝山海岸から直接そびえている大黒山は、80mほどの丘陵のような山だが、ここに名物の展望用エレベーターがあり、山頂からの眺めがすばらしい。

大黒山の頂上は現在も行くことができる。また改めて晴れた日にでも出かけたい。

大黒山

この山は、江戸時代に捕鯨で鯨を見つけるために使われていたとか。だから鯨塚が多かったのですね!

また、戦中には海軍の特攻艇の格納庫が多数掘られていたとも。

大黒山へ登るためのエレベーターは海側に存在したようだが、現在は全く面影も無いのだろうか…

 

(訪問日:2021年9月)