熱海最古の旅館「竜宮閣」。レトロなタイル絵と温泉、趣のある館内の虜に

熱海最古の旅館「竜宮閣」。レトロなタイル絵と温泉、趣のある館内の虜に

熱海駅のすぐ近くにある老舗温泉宿「竜宮閣」。知る人ぞ知る名旅館…タイル絵が見事で、日帰り入浴も可能なので気になる方はぜひ足を運んでみてほしい。

熱海駅近く「竜宮閣」に宿泊!

静岡県熱海市田原本町1−14。JR熱海駅から徒歩5分。観光地として若い人からも人気が高い熱海において、ひときわ目立つ渋い温泉旅館が現在も営業している。

熱海駅からすぐ!

以前から宿泊したいと思っていた憧れの宿。今回、念願叶ってクリスマスに宿泊した。(どんなプレゼントよりも老舗旅館に泊まれることが一番嬉しい!!)

月二號 宿泊した部屋

案内された部屋は二階奥にある角部屋で、菅田将暉などロケ地の際に著名人が多く利用している部屋だそうだ。

宿泊した部屋

部屋には窓側に小さな階段と踊り場があり、部屋から海を一望できるつくりに。

部屋にある踊り場

広縁も。エアコンやテレビも揃っている。この日は他に2組ほど宿泊していた。

広縁

素泊まり 一人5500円
入湯税 150円

竜宮閣のここが良い!

・熱海最後の老舗木造旅館
・竜宮城気分のタイル絵
・熱々の源泉かけ流し
・一人5500円とリーズナブルな価格(料金は変動している可能性あり)
・丁寧に歴史等を説明してくださる

レトロな建物や歴史に興味がある方だけでなく、温泉マニアにとっても聖地である竜宮閣。古き良き熱海を味わいたい方におすすめです。

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竜宮閣の歴史を伺う

竜宮閣は、昭和13年(1938)創業。もともとは、蕎麦屋だった建物を旅館に改装したそうで、建物自体はそれ以前に建てられている。

2021年12月 改装中

現在の主の祖父が買取り、旅館にしたため、建物はいつ頃建てられたものなのかは分からないらしいが、少なくとも百年以上は歴史があるという。

玄関正面にある帳場のような場所は、かつての蕎麦屋時代の受付。

蕎麦屋時代に使われていた受付
側面に扉

旅館を始める前、東京で「竜宮」というカフェーを浅草でやっていたため、熱海で東京の人が遊ぶための場所を、ということで旅館を始めたという。

浅草でカフェーと聞くと吉原を連想するが、「竜宮」はカフェー時代から受け継がれた名前!

軍人の静養地として人気の高かった熱海。鳩山一郎や堀辰雄とも親交があったらしい。堀辰雄に関してはご親戚だそうで、奥さんの療養のために旅館に訪れることもあったとか。

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その証拠に、廊下に堀辰雄による色紙が残っていた。『風立ちぬ』が好きなので感動…

昭和18年 堀辰雄

そして竜宮閣は戦前から営業している熱海で最後の旅館に。

気になったのが空襲。聞いてみると、熱海は坂が多い立地なので燃え広がらず。機銃掃射、駅は狙われたが、二軒隣が病院だったこともあり、竜宮閣は戦禍も免れた。

戦前から残る旅館

熱海には同様の戦前からの旅館がいくつか残っていたと思うが、現在も営業しているのは竜宮閣のみ…

再開発で綺麗でおしゃれな店舗や旅館が増え、こうした古き良き宿が失われつつある。

また、玄関先にある大きな木製の看板も歴史の生き証人。

木製の看板

さらに驚いたのが、柱に残っていた「料理店」の鑑札。静岡県公安委員会のもので、富士山が描かれているのが静岡らしい。

料理店の鑑札

熱海では現在も芸妓見番が残っているが、竜宮閣でも賑やかな時間が流れていたのだろう。

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タイル絵が素晴らしい温泉

竜宮閣には2つのお風呂がある。

まずは、家族風呂のように少人数向けの「扇風呂」。

扇風呂
タイル絵

その名のとおり、浴槽が扇形。ピンク色の壁と青い浴槽、とてもメルヘンな温泉だ。

ドバドバ溢れ出るのではなく、静かに蛇口から流れており、温度もちょうど良い熱さだった。じんわり身体の芯から温まる。

脱衣所

そしてこちらが、大きい方の風呂。壁一面に竜宮城が描かれたタイル絵、これが見たかった!

竜宮閣の名物

温泉に入りながらタイル絵を眺めていると、本当に竜宮城に行ったかのような幸福感に包まれる。昭和初期から変わらない幸せがここにある。

反対側には沐浴する女性の姿が描かれたタイル絵。

床面のタイル

タイル絵や扇形の浴槽など、こうした浴室は昭和初期の絵葉書でよく見かけるので全国的な流行りだったのかもしれない。

しかし、戦前からの浴室をそのまま現在も残っている旅館というものは本当に少なく、竜宮閣は貴重な旅館…

シャワー

シャワー、シャンプー・リンスは設置されている。

最近はテレビでインスタ映えする!と紹介されていたが、若い世代にも良さが広まってくれたら嬉しいな~

長嶋茂のサイン
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古き良き宿 館内の写真

旅館の建物は斜面に建つ3階建て。

1階の玄関を入って受付や応接室、厨房などがあり、宿泊する客室は2階に。地下1階に2つの温泉と客室があった。

下駄箱
応接間

廊下の突き当たりから先は住居に。右手に二階への階段がある。

そしてそこにいるのは亀。竜宮城へ連れて行ってくれそう。

亀がのっている

2階へ。階段の近くにタイル張りの洗面所、お手洗いがある。

2階
緑色のタイル
客室の扉

 

 

お風呂は古いが、お手洗いは新しいのでご安心を。

お手洗い
現代のトイレです
廊下

お次は地下一階へ。

階段

地下一階にも客室があるようだが、現在は使われていない様子。

地下にある客室

そして地下一階に先ほど紹介した二つの温泉がある。こちらにドライヤー等もあるので有難い。

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竜宮閣で過ごす夜

竜宮閣の看板もレトロ。”家庭的な和風旅館”、良いですね~かつては御食事付プランもあったのですね。

看板
街灯の看板

何より駅から近いのが良い。交通の便の良さも竜宮閣が生き残っている理由なのかもしれない。

駅海近
夜 玄関
電話番号

隣にも温泉旅館「三景荘」があったそうだが現在は臨時休業中、というか閉業?

三景荘

老舗旅館に泊まって晩酌する時間が最高なのですわ!

近くの酒屋「善波酒店」で購入した熱海地ビールと伊豆みかんワイン。

熱海ビール お初

どちらも飲みやすくて湯上りにぴったり。

朝、明るい陽射しとともに目が覚めて。

窓から溢れる光

夜に見れなかった窓からの景色に驚愕。高層マンションが乱立して相模湾が見えないではないか!!

高層マンションが

マンションが数年前に建ち、そのせいで風向きが変わって屋根から雨漏りがするようになったらしい。その工事を宿泊した際に行っていたというが、人災ではないか…

美しい景観を返してほしい。なんだか怒りを通り越して悲しくなる。

タオル

竜宮閣脇の階段は映画『火花』の撮影でも使われたという。

斜面に建つ竜宮閣
風呂の窓だ

階段の途中に、元旅館のような建物。こちらも老舗旅館だったのだろう。

旅館?

階段の下には「海保養 温泉 きくや」の看板がある。きくや旅館だったのかな。

きくや 看板

下の写真、左側が竜宮閣。これからも再開発に負けずに、古き良き熱海の歴史を伝えてほしい。

 

 

(訪問日:2021年12月)

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