旭の旅館 ~旭楼・下根屋旅館~ ー旭⑶

旭の旅館 ~旭楼・下根屋旅館~ ー旭⑶

旭を探索していると、2軒の旅館が残っていました。ある情報によると、その旅館を遊廓と表現している人もいて、実際はどうなのかわからないけれど、これだけ栄えていた街であれば花街としての一面もあったのでは?と思い、記事にまとめることにしました。

旭に存在した旅館について

まずは、旭に存在した旅館について。

1949年発行『全国市町村便覧』(全国教育図書)の「全国旅館等級別一覧表」に載っている。(ランク1が最高)

旭町
3 大利亭
3 旭樓
3 ニコニコ亭
3 昇月樓
4 御金旅館

昭和25年(1949)に旭町に存在した旅館は5軒。ランクは1~6まである。ランク3の旅館が4軒あるのは松戸市と並び、比較的良い旅館が多かったようだ。

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旅館「旭楼」

千葉県旭市ロ897−7。総武本線「旭駅」南口にある銀座商店街の北側に、旅館「旭楼」の建物が残っている。

旅館 旭楼

総部屋数は16室。

濃い青色の外観が目立っているが既に閉業している雰囲気。

看板

「日観連」の看板は現在も残っているのは珍しいかもしれない。

日観連

入り口は奥。新しく改装するのか、建物内では工事が行われていた。

入り口

2012年のストリートビューがこちら

たぶん、まだ営業していた頃。今よりも青色が薄い。

建物は2階建てのビル形式。1949年には営業していたので老舗旅館だと思うが、以前の建物が気になる。

裏通り

「旭楼」。楼という名称から、初めて聞いたときは遊廓の妓楼を連想した。だが、旅館にも楼をつける場合はあるので遊廓とは関係ないだろう。

近くにあった建物

それにしても、営業しているときの旅館の情報が全くないなあ。記録が残らないまま閉業してしまっていて残念だ。

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下根屋旅館

旭楼の南側にあるのが、「下根屋旅館」。「塚前通り」に面している。

旅館のある商店街

建物の側壁が、銅葺きになっていてとても重厚感がある建物。建築当時はどんな輝きを放っていたのだろう。

黒い!!

「下根屋旅館」その文化財レベルの素晴らしい佇ずまいに惹かれます。こちらは営業中。いつか宿泊してみたい…!!

下根屋旅館

でも、先ほどの資料には載っていなかった。これだけ古そうな雰囲気があるのに。

近くに住む方に伺うと、下根屋旅館は割烹旅館とのこと。1949年当時は割烹料理店として営業していたため、旅館業は営んでいなかったのかもしれない。

松の木が良い雰囲気

先ほどの旭楼とは違う、格式のある雰囲気を感じたのは割烹旅館だったからなのですね。

2階

各地を調べていると、栄えていた街には花街や遊廓の歴史が必ずといって良いほど密接な関係にある。割烹料理店として営業していた頃は、芸者さんも訪れていたのだろうか?

2階外観

訪問した2021年6月時点で時短営業をしていた。果たして旅館として宿泊できるのだろうか。今度問い合わせてみよう。

お知らせ

この旅館も全く情報が無い。建物は手前と奥にもあり、赤い屋根で覆われているが古そうだ。

建物は2棟

コロナ禍で閉業する老舗旅館も多い。どうか、下根屋旅館は宿泊するまで残っていてほしい…

素敵だなあ

千葉県には木造の老舗旅館って意外と少ない気がする。時代の流れとともに姿を消している。

文化財登録などはされていないので、いつ無くなるか心配でならない。

奥の建物

また、旭には花街などの話は聞いたことが無い。

横から

図書館などで資料を探してみよう。もう少し詳しいことが分かったら追記したい。

 

(訪問日:2021年6月)

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