青堀駅から国道沿いの邸宅。「矢満字海苔店」「山久百貨店」 -青堀⑵

青堀駅から国道沿いの邸宅。「矢満字海苔店」「山久百貨店」 -青堀⑵

青堀駅を引き続き探索。国道16号線沿いを君津駅方面へ歩き進めると、気になる門構えの邸宅が…また、交差点には歴史ある矢満字海苔店。

青堀駅前の商店街から大堀中央の交差点までの気になる建物を紹介します。

国道16号線沿いの邸宅?

千葉県富津市大堀81。前回は、内房線「青堀駅」の駅前の商店街を歩いたので、国道16号線を君津方面へ青堀温泉を目指して歩き進めた。

国道16号線

すると、急に左右の歩道が狭くなってきて、右側には鬱蒼と茂る森のような中に立派な門が見えた。これは一体…?

国道16号線沿いの門

気になる…この門自体もなかなか古そうだ。表札など情報は何もなく。

立派な門

一体いつ頃の門なのだろう?門の扉の上には照明がついていたであろう四角い縁取りがある。

中央には照明?

門から少し覗いてみたが、敷地が広くて建物の姿は見えない。森の奥にどんな建物があるのか…

道が続いている

この敷地は、裏の内房線の線路まで広がっており、航空写真を見るといくつかの建物が敷地内に存在するのが見える。だが、線路側から見ても木々に隠れて敷地内は全く見えず、とても厳重な雰囲気。誰か有名な方の別荘だったのかな…

また、門から少し進んだ並びには敷地内へ続く階段のようなものが見える。

階段?

 

2015年頃のストリートビューでは階段の全貌が良く見えるが今は荒れてしまっている。

追記:2023年9月
地元の方に伺うと大地主の方の邸宅らしく、「宮様が戦中に住まわれていた」?と気になる話や当時としては珍しい水洗トイレがあったとか。宮様…?ネットには情報が無さそうなのでまた調べてみよう。

追記:
「富津懐古伝」の方の記事に邸宅の裏手に存在したカギサ醬油創業者のご自宅がこの邸宅との情報が記載されていた。なるほど…!

向かいにある邸宅

また、同じ通りにはレトロな街灯が残っていた。

レトロな街灯

「鹿の子」と看板にある。右手の1階にシニアサロン茶房「鹿乃子」というお店があったようだが、現在は閉店している。

鹿の子

前にネット検索した時に同じく国道沿いのこの門について疑問を持っている方がいたが、探してもこの門についての情報は見当たらない。過去の航空写真を見ても同じような森の敷地が存在するので、おそらく戦前からあるのかなと。

この近くに青堀温泉があるので誰かの別荘地だったのかな…

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アサナギ病院

門のある邸宅を通り過ぎると再び商店が見えてきた。2012年頃は営業していた、鮮魚店「やま金水産」。

やま金水産

その隣の空き地は元理容室、隣は寿司屋「いろは寿司」。

商店が並ぶ

2012年のストリートビューを見てみると、この建物の間に「アサナギ病院」の専用通用口の看板があった。

国道から見ると高台の上にあり、要塞のような佇まい。建物自体もかなり年季が入っており、廃墟感漂うが営業しているのだろうか?グーグルマップには載っていない。

アサナギ病院

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矢満字海苔店

そして大堀中央の交差点へ。交差点手前の脇道に気になるものが見えたので行ってみる。

住宅街へ

昔の街灯の看板?字もだいぶ薄れてしまっている。

昔の看板が残っていた

裏道に看板、それなら表側にお店があるのでは!と思い行ってみると老舗感漂う店舗が存在した。

大堀中央の交差点にて

看板には、「創業明治27年 矢満字海苔店」とある。

創業明治27年 矢満字海苔店

明治27年(1894)。2012年のストリートビューでは既に閉まっている様子だが、青堀が明治時代から栄えていたことが分かる看板だ。

しかし、青堀の矢満字海苔店についてネットで調べても全く情報がヒットしない。こんなにネットで検索に出てこないお店というのも珍しい。廃業されたのはネットが普及する前なのだろうか。それにしても看板が新しい気もするが。

矢満字海苔店

軒下には、電話番号6番のホーロー看板。6番って番号も若くて有力な商家だったに違いない。

6番

「角川日本地名大辞典」で調べると、青堀海岸は千葉県の浅草ノリ養殖の発祥地という歴史があるらしい。その開拓者の近江屋甚兵衛の墓が青蓮寺に。海苔の養殖~工業地帯になるまでの歴史についてはまた改めて資料館で勉強したい。

 

この海苔店がある交差点は「大堀中央」。中央とあるのでかつてはこの一帯の中心地だったと思うが…向かいにはコンビニが出来、商店街の雰囲気は感じられず。

大堀中央

「乗り物彼方此方(のりものあちこち)」さんのブログ「【日東交通】青堀駅」2020年9月4日に興味深い内容が載っていたので引用させて頂きます。

駅前ロータリーは昭和63年に整備された。また、駅前通りの市道整備に合わせて、駅への進入路も付け替えられた。月極駐車場もあり、青堀駅まで車で来る人も多いのだろう。ただし、駅周辺は人通りが少なく、国道16号線沿いは廃業した店屋や廃墟も多い。君津寄りの大堀中央にあった「山久百貨店」は、平成23年12月に閉店した。「中央」が付くように、かつては商店が多くて賑わっていたようだ。日常的な買い物はイオンモール富津へ流れてしまったのであろう。

君津よりの大堀中央に、「山久百貨店」が存在したとある。平成23年(2011)に閉店しているのでストリートビューでは確認できないが、現在のファミリーマートの場所。

「山久デパート」として1階は食品売り場、2階が衣料品。写真は「まめすけの自転車旅行」さんの「富津のデパート! (2)」、「・・サウイウモノニ ワタシハ ナリタイ」さんの「山久デパート」に載ってます。

地元の方に愛されたデパートはコンビニに…切ないなあ。

山久デパート跡地

(訪問日:2021年9月)

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