和菓子屋「春月堂」。大正時代創業、名物の最中と地域史を伺う -安食⑸

大正時代創業の老舗和菓子店「春月堂」。人気のローカルスイーツをお土産に購入しました。
さらに、安食の歴史をたくさん教えていただき、安食に住む人々の人情に触れました。
安食の和菓子屋「春月堂」
千葉県印旛郡栄町安食3599。安食小学校の交差点北側に佇む、老舗和菓子店「春月堂」。

大正9年創業 印旛郡栄町みやげ
早春は代々受け継いだ桜餅に始まり、4月~5月は栄町産コシヒカリを使った柏餅、初夏にはくず切りとフルーツゼリー、秋には焼き菓子各種、12月の安食のとりまち(酉の市)には名物のあんこ玉を手づくりでこしらえています。
定休日は水曜日。

1920年創業とのことで、昨年でちょうど創業100年!向かい側で営業している、くず餅屋の「倉右衛門商店」と合わせて立ち寄りたい老舗店だ。
土曜日の午後だったからか、家族連れが車で次々と訪れており、人気のあるお店だなと実感。お客さんが途切れるタイミングを狙って入店した。
建物は改装されて綺麗。店内も若い人が入りやすい和菓子店の雰囲気だった。


お菓子が入っている箱をよく見ると、「電話安食27番」と書いてあった。27番は昔の電話番号の名残だろう。

老舗の和菓子店のイメージを覆すかのような、おしゃれなロールケーキやプリンも!とても美味しそう…

春月堂の歴史
ショーケースには、らくがんの型が展示されていた。

結婚式などで注文があり、最近では地域の子供たちの相撲大会で景品になっているのだとか。相撲大会の景品、豪華で良いな~

実は、安食で創業する前に、千葉県の佐倉市で修行をしていたそうだ。先代の話だが、今は無き、佐倉城近くの和菓子屋で修行、戦時中は軍隊の料理人として働いて居たという。

その後、安食で和菓子店を創業。佐倉の時に使っていた型を持ってきて保存しているらしい。
安食と佐倉との関係性も見えてきて興味深い。佐倉城近辺は急な坂が多かったため、荷物を押す仕事=おっぺしという人がいたそうだ。
また、安食は酉の市の最後の場所であり、時期になると街道には大鷲神社へ向かって行列ができるほど賑わうのだとか。店主が安食の歴史にとても詳しい方だったので、詳しいお話を伺うことができた。
購入した和菓子
家族へのお土産を購入したが、最後に店主からお土産を頂いてしまった。優しい。

特に美味しかったのが「くろまめのまめかん」。

栄町で収穫された「どらまめ」と使用したローカルスイーツ。
従来よりもふっくらと柔らかく炊きあげた黒豆と、黒豆を炊いた煮汁を余さず使かった当店独自の寒天とのハーモニーをお楽しみください。
黒豆のスイーツ?と半信半疑で食べてみたら、すごく美味しい。豆の苦さがなく、すっきりとした味わい、そして寒天が入っている新しい食感にハマる。
そして、こちらは人気ナンバーワンの「大鷲乃宮最中」。
大鷲乃宮最中は、春日局ゆかりの出世開運の守護神“金色の鷲”が奉納された大鷲神社に因んで創られた最中です。

大鷲神社の参拝のお土産にいかがでしょうか。
(訪問日:2021年5月)
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