安食駅~成田街道沿いの建物。幕末に栄えた街に残る昭和 -安食⑴

安食駅~成田街道沿いの建物。幕末に栄えた街に残る昭和 -安食⑴

千葉県の北側、栄町に位置する安食へ。利根川に近いため、賑わっていたであろうという噂を耳にしたことがあるが、今まで降りたことは無かった。

安食の歴史、そして現在に残る建物を記録する。

JR成田線「安食駅」

千葉県印旛郡栄町安食。JR成田線「安食駅」へ。

安食駅

明治34年(1901)開業。昔ながらの木造駅舎が残っている。

駅は栄町の中心部に位置し、付近には公共施設があるという。また、「千葉県立房総のむら」へのバスも駅から出ている。

ホームの待合室

駅前の売店は平成20年(2008)に撤去されているため、駅前はとても静か。少し歩けばコンビニがあるが。

改札

南口はロータリーが整備されていて、とても綺麗な駅前。

南口

北口へと向かう、歩道橋へ繋がっているエレベーターは栄町のキャラクターが描かれているポップなデザイン。とても可愛い。

カラフルなエレベーター

「元気が出るまち 栄町」と書いてあるが、このイラストから元気をもらえたような気がする。

一方で、北口側には駅舎はなく、お店もほとんどない。

北口の様子

今回は旧道を歩くので北口からスタートするが、買い物をしたい方は南口で済ませてからの方が良いと思う。

北口のロータリー
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安食の歴史

安食(あじき)が最も栄えたのは幕末の頃。

そして賑わった中心地は駅周辺ではなく、国道356号線と県道18号線が交わる、安食駅から西へ20分ほど進んだ丁字路のあたり。

939年創建、安食の歴史を語る上で欠かせない「大鷲神社」の参道を中心に、門前町のように街道沿いに古い商家建築が並んでいる。

駅の歩道橋

舟で鮮魚を江戸へと運ぶ鮮魚街道の裏ルート、陸送の要地とし発展した安食。

隣の木下には公式で認められた渡し場があったものの、安食を通って運ぶ裏ルートの方が利便性が高いということもあり重宝されたとか。非公式だった安食は、成田からも近かったため、幕末に繁栄を極めた。

大半は半農半商で、質屋、旅籠、居酒屋などが軒を連ねたという。

旧街道方面へ

明治期以降は、大型汽船の寄港場としても栄えたそうだが、鉄道の開通によって利根川水運が衰退。それにともなって駅から離れた、安食の旧市街地は衰退していったのです。

今回は、安食駅をスタート地点とし、旧街道を通って安食の繁栄の面影を探します。

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「旧なりた道」を辿ってみる

利根川から安食を通り、松崎(まんざき)と抜けて成田山新勝寺へと向かう道が「旧なりた道」として残されている。

私は中学生の時に、江戸から成田山新勝寺までの成田街道を歩いたことがあるので、逆ルートに歩いてみたいと思っている。

旧なりた道の石碑

「千葉県道18号線成田安食線」は、成田山裏門入り口の交差点を起点とし、安食交差点までの地方道。現在も成田山新勝寺と安食の道は繋がっている。

火の見櫓?

今回は、安食駅北口から東側へ成田山新勝寺方面へ向かう道と、西側の安食方面へ行く道を歩く。まずは東側の旧街道から。

馬頭観音

東側の道はのどかな風景が広がっている。

立派な門構えと堀のある邸宅も。

手前に少し堀がある

等間隔で旧成田道の説明看板が設置されているのが迷うことが無く安心だ。観光名所も書いてある。

説明看板

今回は、百庚申で引き返すことにした。百庚申は、各地で見かけるが、間近で見ると圧倒される雰囲気。

百庚申

斜面にびっしりと石碑が並んでいる。昔の人々は成田街道を歩いている途中、ここにも立ち寄ったのだろうか。

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旧成田街道に残る商家

今度は、安食駅から西へ、旧成田街道を進む。住宅街の細い道が旧道の雰囲気を残している。

旧道

少し進むと、青いスペイン瓦が美しい木造建築が視界に入ってきた。一瞬でこの建物が普通の民家ではないことを悟る。

和洋折衷のような雰囲気

なんというか和洋折衷のようなハイカラな雰囲気。草木に覆われているが、門は元々青く、門柱もデザイン性がある。また、右手前には高いヤシの木…

不思議な邸宅だ

2014年のストリートビュー

今の方が草木に覆われているかもしれない。表札も無いので空き家かも。

廃墟なのかな

そして敷地も広い。ぐるっと一周することができる。

一周できる

奥には裏門。趣のある縁側が見えていたが、旅館のような佇まいでもある。

2階部分

そしてなんといっても美しい青いスペイン瓦。キラキラと輝いている。

青いスペイン瓦
お休み中

青い屋根の2階建ては商家建築。手前の大きな松がこの建物の歴史を物語っているような…

何の建物だろう

建物内を覗いてみると、土間と帳場らしきスペースがあった。

旅館のような雰囲気。旅人が座敷で一休みをしている姿を想像できるな…しかし建物内は荒れていた。立派な邸宅なだけに残念。

とても広い

安食の旅館は、昭和期で2軒残っていた。繁栄期の幕末にはもっと多く存在しただろう。この建物の歴史を知っている方がいたら教えてください。

青いスペイン瓦
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旧成田街道を西へ進む

旧街道を西へ、立派な邸宅が多い。

青いポストが気になる
静かな旧道を歩く

旧道沿いには古い石碑も。チェーンが設置されており街の人々から大切にされている様子が窺える。

古い石碑

”道祖神”集落の境や村の中心、三叉路などに設置されていることが多く、地域を守る神仏だ。

道祖神

しばらくすると、向い合せで並ぶ個人商店が。左は木造建築で古そうだ。

向い合せで並んでいる

2014年のストリートビューを見ると両方とも開いている。

私が訪れたのは土曜日だったが、定休日だったのだろうか。

閉まっている

それとも閉店してしまったのか…隣の民家の入り口、門が立派。

立派な門

たぶん、古い建物は旧店舗で、酒屋を営んでいたのではないかなと推測。

YYAMADA

栄町指定のごみ袋も取り扱っているようだ。

取扱店

さらに西へ。普通の民家かと思ったら、右上にレトロなサインポールが残っていたので理容室だったのだろう。

シンプルな建物だが
レトロなサインポール

旧なりた道の説明看板。

しっかりと、近隣観光スポットも記載されている。神社やお寺が多いので合わせて参拝してみるのも良いかも。

近隣観光スポット

ふと裏路地を覗けば、舗装されていない趣のある小路。迷い込んでしまいたくなる。

裏へ続く道

交通量も少なく、見所が多い旧道。歩いていて楽しい。

そして集会所?らしき建物と、集められて保存されている石碑。

集会所?
石碑

ここからカーブをしてさらに西へ。個人商店の名残、豆腐店は営業していた。

豆腐店

それにしてもこちらの方面は、買い物ができるお店がほとんどない。車が無いと買い物が不便だなと実感。

美容室と理容室は営業中。更地になっている場所もあるので、昔なお店が並んでいたのかなと想像する。

美容室

古い木造平屋の建物!現在は使われていないようだが、かつての商店の名残だろう。素敵。

木造の商店?

安食小学校の交差点にたどり着いた。安食の街並みはここからが本番だが、一旦休憩するためにこちらの商店へ立ち寄ることにした。

石井商店

駄菓子屋として営業している「石井商店」。子供たちの憩いの場となっているようだ。次回紹介する予定。

旧なりた道

次回、旧なりた道をさらに西へ。安食の歴史的建造物の数々と出会うことになる。

 

(訪問日:2021年5月)