安食「仲下町商栄会」を歩く。近代建築が静かに佇む -安食⑺
安食の魅力的な近代建築。情報が少ないので気になっていたけど、時すでに遅し?!
目的の建物の一部が解体されてしまいました…
安食の交差点「石井時計店」
千葉県印旛郡栄町安食、JR安食駅からは徒歩20分ほど。前回のつづきで安食交差点へ。
安食の交差点に佇む、竹村旅館の建物は解体が予定されているとのことだったので、現時点ではもう更地だと思う。
2019年のストリートビュー
また、交差点の北側にはもう一つ、古い建物が存在した。
2021年6月、私が訪れる1か月ほどまえに更地になったという。
もう少し早ければ…交通量が多いため、交差点の道路拡幅工事が予定されているとのこと。仕方がないことだが、タイミングが悪くて後悔が残る。
石井時計店の昔の写真
石井時計店の在りし日の姿。Twitterの知り合いの方から写真を提供していただきました…
既に長らくお店は営業していない雰囲気で、瓦などが落ちてしまっている。
様々な角度からの記録が残っているのは有難いですね…
時計店から旅館を眺める。次に訪れた時は、旅館も更地になっているのだろう。哀しい…
創業はいつなんだろう。情報が少ないので知っている方がいたらコメント下さい。
また、時計店の隣にあった電気屋さん?の古い建物も取り壊されたようだ。
今後はどうなるんだろう。当たり前と思っている風景こそ記録に…
洋風な近代建築
国道356号を北へ進む。ピンク色?の下板見張りの疑洋風建築の建物が残っていた。
よく見ると、1階の正面はタイルが貼られている。屋根瓦とピンク色の壁の組み合わせがなんともいえず、可愛らしい。そして窓の格子も素敵だ。
安食にこんな素敵な近代建築が残っていたとは…
でもどのような建物だったのか、地元の方に数名伺ったがわからず。運送会社の倉庫だったという答えもあったが、昔はもっと違う役割だったのでは?郵便局とか。
隣にあった古い建物は更地になっている。
仲下町商店街
向かい側は着物店とクリーニング店。
丁字路からさらに北へ。商店街がつづいている。
国道沿いの商店街は「仲下町商栄会」と呼ばれるそうだ。街灯が並んでいる。
商店街といっても、お店はあまりなく…コンビニなども無い。
三上新聞店。ここは古くから営業している店舗らしく、
その証拠に、ホーロー看板が充実している!左側には4種類。
右側には3,と言いたいところだけど2種類。取り扱いをやめたので看板も外したのかも。
割烹料理店「金田屋」。ホームページに詳しい歴史がまとめられているが、老舗だ。
栄町安食地区は、かつて利根川の水運で栄え、成田山の参詣客が宿泊することも多かった。そんな中、金田屋は1890年、割烹旅館として開業する。川魚料理を振舞い、特に鰻の旨煮が名物だったという。
宿泊業は、1985年に廃業。その後はレストランとして営業をつづけている。
かつて敷地内には”船の部屋”があり、利根川の水運に利用されていた長さ20メートルの高瀬舟を宴会場として改築したものだったそうだ。
明治23年創業の金田屋。現在も時代の変化に合わせながら伝統を受け継いでいるようだ。今度行きたい。
「石田屋呉服店」看板建築
そして遠くからでも目立つ近代建築。
完全に覆われていてわかりづらいけど、裏が和風建築になっていて、正面が看板建築。
和洋折衷の雰囲気が素晴らしい。外観の状態が良いので比較的新しいのかもしれない。
シンプルだが、豪華なデザイン。呉服店の格式高い雰囲気が漂っている。
ただ、レトロだから好き~なのではなく、昔の建物の方が作っている人の気持ち、お店の人の顔が見える気がするから好き。
一つ一つの建物に時間と費用を投資する余裕があった時代。安食もそれだけ賑わっていたということが窺える。
また、隣には蔵も。
安食駅からはけっこう歩くが、歩いてみる価値はあると思う。このお店の創業年はいつなんだろう…
商店街の街灯がまだ北へと続いている。この辺りは個人商店の名残がいくつか見られる。
中華料理屋「珍華」。佇まいが昭和!
この日は営業時間外だったのか、静かだったが…こういう地元で愛されている町中華がとても好き。
もう少し商店街を歩いてみる。さらに北へ行くと、ローカルな牛乳を販売している牛乳店があると聞いたが、歩いていくのは遠かったので断念した。
交差点の角に佇む古い建物。これはどんなお店だったのだろう。
安食の探索はここでおわり。
水運で栄えた安食の街。私が訪問してから既に数か月経っており、交差点の旅館は更地になったという。今回、ギリギリだったが記録に残せてよかった…もし昔の写真とか持っている方がいたらコメント下さい!
(訪問日:2021年5月)
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